*拾*
ところどころ途切れがちに聞こえて来る声は今、確かに、真田、と言った。霞んでいた意識は瞬時に覚醒したけれど、跳ね起きようとする体は僕の中の何かに制される。ならばと自分の状況を確認しようと体の感覚を辿れば、どうもどこかに寝かされているらしいことが分かる。
「小十郎様へか」
「ひとり、血縁でない者があるようですが」
「大事な預かり子とな」
「子らと同じ扱いを願うと」
男たちの言葉に僕は記憶の糸を手繰り寄せる。
遠ざかる意識の中、最後に大助の苦しそうな声が聞こえて……それっきり。あれからどれくらいの時が経ったのだろう。そしてここは……もしかすれば片倉陣屋なのだろうか。
僕は、あぁ頭が痛い、と思った。痛みの波が来て思わず小さく呻いてしまった僕に反応し、傍で続いていた話声がぴたりと止む。人が動いた気配がし、息を呑む僕の上から今度は声が降って来る。
「眠らされておったようじゃが、目が覚めたか」
「そなた、鷹弥と申す者か」
その声に敵意は感じられなかった。恐る恐る目を開け、僕は自分を見下ろすふたりの男を見た。まったく見慣れない。においも違う。幸村様ではない。幸村様はここにはいない。そう思うと、知らず目尻から涙が落ちた。
「何を泣く」
「これ」
ふたりは僕を見下ろして声をかける。
「僕は……僕は……」
捨てられたのです、と呟くと、ふたりは顔を見合わせて言葉を止めた。
僕はそれを最後に、言葉を忘れたようにただ、声をあげずに泣き続けた。
翌5月7日、幸村様は茶臼山に陣を布く。辺りは赤一色で、それはまるで躑躅の花が咲き誇るようだったと言う。
僕は片倉陣屋の隅で膝を抱え、すべてを拒絶し、閉じた瞼の闇の中に幸村様の背を追いかけ続けた。
「大助!行くのじゃ!」
幸村様が大助に城へ戻るように何度も言うが、大助はそれを拒否し続けている。
「私は父上と共に戦いとうございます!」
「ならぬ!そなたは城へ戻り、秀頼様にこの茶臼山までご出陣願うのじゃ!」
「大助は最期まで父上から離れませぬ!」
大将がたとえ一度だけでも前線へ赴き兵士を鼓舞すれば、士気は嫌でも高まる。敵にとて、大将の姿と血の滾る兵たちの姿で脅威を与えることが出来る。幸村様はそれらを期待して是が非でも、いまだ城から一歩も出ることのない秀頼に城から5㎞足らずのこの茶臼山まででよいから出馬を、と願っていた。しかしその任を促される大助は拒否の姿勢を崩さない。
「早う行け!行かぬか!大助!」
「嫌にございます!大助は父上のお傍を離れませぬ!」
「大助!」
「離れませぬ!父上をおひとりで死なせとうはございませぬ!!」
今となっては大助にもこの戦に勝機があるとは思えなかった。嘗ては太閤秀吉の人となりを慕って集っていた大坂方。太閤亡き今、いくらその遺児とは言え秀頼に父ほどの求心力はない。今回の戦を前に大坂城に集った牢人たちの多くは、己に辛酸を嘗めさせた徳川への鬱積を晴らさんがために戦場を駆けているようなもの。そのような大坂方にまとまれと言う方がそもそも無理な話なのだ。策を弄しても弄しても崩れ、打てる手ももはやない。こうなれば決死の覚悟で家康の首を狙うのみ。そのために幸村様は大助を城へ戻しておきたかったのだ。
城へ戻しておけば、万にひとつでも助かる可能性がある、そう読んで。
「大助」
幸村様はそれまで叫んでいた声を抑える。つられて大助も息を整える。
「父は死なぬ。家康の首を取って戻って参る」
「しかし父上……!」
「分かっておる。父が死ぬ時はそなたと共にじゃ。そなたをひとり置いては死なぬ」
「……はい」
「分かったならば急ぎ城へ向かえ。父の憂いを無くすはそなたしかおらぬ。父を助けるも……そなたしかおらぬ」
「父上……!」
大助は血が出るほどに唇を噛み締めて涙を耐え、常に共に在った父に背を向けた。その大助の遠ざかる背を見送って幸村様は、心の中で、生きよ、と願った。
幸村様は先制攻撃を仕掛けずに待ちへ出た。自らが陣を布く茶臼山の麓まで徳川勢を誘い込むことで、その背後に控える家康の本陣を手薄にしようとしたのだ。策を遂行するにはひたすらに敵をこちらへ引き付ける必要がある。
じりじりと迫る敵隊。
逸る心。
いつ鉄砲が放たれるか。いつ槍が降って来るか。瞬きさえもが後悔の元となる。風が吹けばその音は、聞き逃してはならない敵隊の物音をかき消してしまう。じっと、じっと、逃せないただ一瞬のため、ともすれば振り上げたくなる槍を握る右手を左手で抑えつけながら、幸村様は待ち続ける。
迫る側も迫られる側も、極限の緊張感の中にいた。
その時、東隣に陣を布く毛利勝永隊の一部が徳川勢の先制攻撃に反応してしまう。
「受けて立たねば末代までの恥じゃ!」
それはあまりに一瞬のことで、隊を率いる勝永でさえどうすることも出来ない。
「何をしておる!!あれほど挑発に乗ってはならぬと申したと言うに!!」
軍令によって統率された本来の姿ではなく寄せ集めの兵を率いるという危うさ、それがこんな時にこそ表に出る。
幸村様にしてみれば、まだあともう少し、こちら側へ引き付けておきたかった。しかしそれを悔やんでも意味はなく、悔やんでいる暇もない。こうなった以上、破れた策にこだわっていても時を無駄にするだけなのは言わずとも知れている。
勝永隊にしたところで、一瞬の迷いが生死を分けるこの極限状態の中、応戦しただけというもので終わるはずもない。それは瞬く間に隊全体での猛攻撃と転じ、あっという間に敵隊を殲滅。続けざまに大将首を取って行き、勢いづいたそのままに徳川勢の右翼に突っ込む形となる。皆どこかで、これが最後だという思いを持っていた。滾るのは今、命を賭けるは今と奮う。
けれどそんな戦いを間近で見ながらも、真田隊は幸村様の下知を待ち続ける。それこそが真田隊の強さであり、幸村様の戦人としての才。そして戦況を見極めようとしていた幸村様は、勝永隊に崩されていく徳川右翼の隙を見逃さなかった。
「我に続け――ッ!!」
カッと目を開いて槍を振り上げ、叫ぶや否や、家康の本陣めがけて自ら先陣を切って一気に山を駆け下りる。真田の赤備え3500が突き進む様はさながら紅蓮の炎のよう。もはや誰にも止められない。
「狙うは家康の首ただひとつ!!」
決死の覚悟を秘め、鬼神の如く突き進む幸村隊に気圧され、さしもの徳川勢にも逃げ惑う者が続出する。
「お、鬼が来たー!!」
「鬼に喰われるぞー!!」
誰かが叫べば、それを聞いた者のギリギリのところで踏みとどまっている恐怖が爆ぜる。
それは家康も例外ではなかった。武田を思い起こさせる赤備えに三方ヶ原の恐怖を思い出したか、本陣を捨てて真田に背を向ける。天下へ向けて翻り続けていた旗印も恐怖の記憶と同じように踏み倒され、蹂躙される。
その家康を幸村様は追いかけ、追いかけ、追いかけ……。逃げ惑う兵たちの流れに逆らって己へとそれでも向かってくる兵たちに槍を突き刺し、なぎ倒し、十余年の苦しみを解放するかのように執拗に幸村様は家康を追いかけた。
「敵に背を向けるなど!!」
このように逃げ惑う男に我が身、我が父は従うしかなかったのかと思えば、我が身までもが腹立たしい。返り血で真っ赤になりながら幸村様は、とうとうその首が、というギリギリのところまで宿敵を追いつめた。だが、槍が届きそうで届かない。そこにいるのに、首はそこにあるのに、兵が、数の多すぎる兵が、遮る。寡兵で大軍を打ち破ることこそが真田の兵法の極意とは言え、これほどまでの兵の多寡はどうしても手に負えない。
幸村様は身震いするほどの想いを堪えながら兵を退いた。
本陣の裏、安居天満宮へ入った幸村様は疲弊した兵を休ませ、負傷した兵を手当てした。全身に返り血を浴びていない者などいなかった。誰もが命を賭け、幸村様と共に家康を追い詰めたのだ。死を恐れない者ほど恐ろしいものはない。だから家康は背を向けて逃げたのだ。生きてこそ天下が取れる。天下をその手にするために時を待ち、秀吉の遺言を蔑ろにして豊臣を裏切り、策を弄してきた家康にとって、生きてこの戦いを終えなければすべてが無意味だった。すでに将軍職を秀忠に譲って10年が経過しているとは言え、秀忠は戦上手ではない。戦国の世を終わらせたあとに長けるべきは武でなく政だと秀忠を後継に選んだのだ。しかし秀忠には関ヶ原の大戦に本隊を遅参させると言う大失態の過去がある。己がここで命を失って秀忠ひとりが残ることになれば、徳川家中から崩れる恐れもある。そうなれば戦国の世は確実に戻る。姻戚である伊達を始め、この戦で徳川軍へ組み込まれている大名たちすべてが心底から徳川に臣従しているわけではない。時勢を読んでいるだけなのだ。徳川とていまだ危うい。その家康には、死をも恐れない赤備えは恐怖以外の何ものでもなかった。
同じく、幸村様とて、生きて何かを為してのちに命を終えたいと思えばこそ、兵を退いたのだ。命を終えるのはここではない、今ではないと思えばこそだ。
生きる。
幸村様は味方の兵たちを見回し、決意を新たに息を整え、顔を上げた。その時、運命の者と出会う――
「真田源次郎幸村!我は日本一の兵なり!!」
そうして、真田幸村という名を残し、幸村様は胸の六文銭と共に戦に散った。
一瞬の静けさのあと巻き起こった風は、赤い血のにおいを乗せて天高く昇って行った。
大坂城の秀頼はとうとう一度も出陣することなく、燃え盛る炎の中に消えた。
幸村様によって城へと戻された大助は、落城の際、そなたはまだ若い、生き延びよ、落ち延びよ、と勧める者たちへ頑なな拒絶を示した。徳川がここまで辿り着いたということは、共に、と誓い合った父はすでに生きてはおるまい。大助にはそれが分かった。ならば死出の旅路を供するまで。常に共に在った父をひとりでは逝かせたくない。その思いだけ。
「我は真田源次郎幸村の倅なり!!」
大助はそう誇り高く叫んで自らに刃を突き立てた。
赤い炎がすぐ、その遺骸をくるんで轟いたと言う。
――片倉陣屋へ送られたあの夜に涙を流したあと、僕はひとことも言葉を発さなかった。何かを言葉にすれば涙が零れる。零れ始めれば止まらない。そう思えば口を閉ざすしかなかった。
ところが、この戦で大きな手柄を立てた伊達はすぐにでも奥州へ戻ると言う。だが奥州は遠い。連れて行かれてしまえば二度とここへ戻って来ることはないだろう。幸村様と過ごしたあの九度山へも二度と戻れないに違いない。幸村様からの下命だとして無理やりにここへ身柄を預けられた僕。あの教室へ戻れないならばせめて僕は九度山へ戻りたい。奥州じゃなく九度山へ、あの真田の屋敷へ……!
「あの……」
それは小さな小さな声にしかならなかった。それでも、ずっと僕の傍で控えていたひとりがすぐに気付いてくれる。
「おお、ようやく口を開いたか」
その人は僕が言葉を発したことに驚きつつも、しばし待て、と言って姿を消した。しばらくして、重長様じゃ、という声が聞こえたと思ったら、片倉重長その人の姿が現れる。
「そなたに何ぞあればこの重長を呼ぶように申し伝えておったのじゃ。話を聞かせてもらわねばと思うてな」
重長様は言って僕の前に座る。
「他の姫らと違うて、そなたは幸村公の子ではないそうじゃの。しかし幸村公はそなたのことをいたく気にされておったようじゃ」
僕は、鬼の小十郎というふたつ名からはかけ離れた重長様の纏う雰囲気に目を奪われていた。これが幸村様が僕を託した人なのだと思うと不思議な気さえする。戦場で対峙した時はこんな雰囲気であったはずがない。それは幸村様とて同じこと。命のやり取りをする中で、相手が自分の何かを託すに値する人物かどうかを読む。それは凄まじいまでの洞察力の為せる業なのではないかと思った。
けれど僕は同時に気になった。幸村様は僕を捨てたはず。なのに僕のことを気にしていたって何だ。
「そなた、この重長に何故そのようなことが分かるのかという顔じゃな、それは」
「……いえ」
心の内の葛藤を見透かされたようでうつむく僕に重長様は、鷹弥とやら、と呼んだ。
「もしや、そなたは何も知らされておらぬのか?」
重長様は僕の様子に何か行き違いのあることを感じて大きくため息を吐き、僕の肩に手を置いた。それは思ったより大きくて重かったが、優しくもあった。
「文があった。子らの安堵を願う文の他に、そなたのことを書き連ねた長い文が」
「え……」
僕は顔を上げた。
「幸村公はの、そなたを助けたかったのじゃ。そなたを死なせとうないと思われたのじゃ。そなたを如何様にしてでも助けとうて、敵であるにもかかわらず我が元へ送られた。あのまま豊臣方にそなたを残しておっては、そなたは誰とも分かられぬまま朽ちて行くだけであったはず。それを幸村公はよしとせなんだ。万にひとつに賭けたのじゃ。その気持ちがそなたに分かってもらえぬとなれば、幸村公は草葉の陰で嘆いておられようぞ」
「そんな……」
「敵であるこの重長を頼るとは、武人の矜持というものを超えた何ぞを私は幸村公に見た。そなたはまこと果報者よ」
重長様の笑みは優しくて、幸村様を思い出す。僕の中から感情が溢れて止まらない。僕は声をあげて泣いた。思えばそれは、幸村様がその命を散らしてから初めてのことだった。
ひとしきり泣いたあと、僕は、それまで黙って待っていてくれた重長様に伝えた。
「お願いがあります」
「……申してみよ」
僕は重長様から目を逸らさずに告げた。九度山に連れて行ってください、と。
「それは、幸村公が十余年を過ごされた紀州の九度山のことか?」
「はい」
「何故じゃ。……いや、尋ねるまでもないの。……殿に急ぎ申し上げてみる故、しばし待っておれ」
重長様は席を立った。
ひとり残されて、僕はさっきの話を思い出す。幸村様に捨てられたわけじゃないのだという事実が、どれほど僕を救ったか。足手まといになれば見捨てる、そう言われ、僕もそれはそうしてくれと言ってあった。けれど本当にそうされたかと思うとつらくてつらくて仕方がなくて、どうしてどうしてという思いが大きくなるばかり。でも違っていた。まったく違っていた。幸村様は僕を見捨てたんじゃない、見捨てられなかったんだ。真田の子でもない僕のことなど見捨ててしまえば楽だったろうに、己の矜持をかなぐり捨てるような手を使ってまで僕を守ろうとしてくれた。
見捨てたのは僕の方だ。結局、何も出来なかった。知っていたのに。全部知っていたのに、すべては己で選んだ故のこと、なんていう幸村様の言葉を隠れ蓑にして、僕は幸村様を見殺しにしたんだ……。
「片倉へ託された者ならば片倉が決めるがよい」
政宗公は重長様に伺いをたてられ、そう即答したそうだ。
「片倉が奥州へ連れて参ると申せばこの政宗もそうしようし、片倉が九度山へと申すならそうさせよう」
政宗公の片倉家への信頼は並ではない。それは幼少期より常に付き従う景綱公が築いたものではあるのだろうが。
「故に、そなたを九度山へ連れて参ることは出来る。じゃが、私は殿のお傍を離れられぬ故、黒脛巾をひとりつけることに致す」
黒脛巾……政宗公直属の忍集団。政宗公以外には景綱公しかその存在を知る者はいないと言うが、今は病に臥せる景綱公が政宗公の傍を守れない以上、重長様にそれが譲られているということか。
「あれが必ず無事にそなたを九度山へ送り届けよう。着いてからのちのことは、着いてから考えればよい。そう黒脛巾にも命じておる故、余計なことは考えずともよい」
そう言ってくれる重長様に僕は尋ねた。危険を冒してまで幸村様の願いを聞き届けてくれたこの人以外にそれを教えてくれる人はいないだろうから。
「九度山を発つ際、幸村様は僕に、生きよと命じられました。ですが、足手まといになるようなら見捨てるとも言われました。その幸村様がこうまでして僕を助けようとしてくれたのはなぜなのですか。僕は……僕は幸村様のために何も出来なかったのに……!」
『端から死ぬ気でおるならここへ残れ。生きる気でおらねば連れては行けぬ。命を粗末にする者は連れて行かぬ。何かを為すために命を賭ける者のみ連れて参る』
幸村様は幸村様の為すべきことに命を賭けた。僕は幸村様が何かを為すための礎になりたいと思った。命はそのために賭けるのだと思った。だから一緒に大坂まで来た。それでも僕は、幸村様のために何をすることも出来ずに終わった。そんな僕をしかし幸村様は助けた。どうしてなのか、分からない。
すると重長様は笑って返した。
「我が伊達の殿はの、命を失うを恐れるは恥じゃが、命を無駄にするは愚か者じゃと申される。具足とて、元より死ぬ気であれば必要なかろう。生きて戻ろうと思うが故、身に着ける。命を賭けると命を粗末にするとは同じではない。命は惜しむものなのじゃ。幸村公はそなたの命を守ることで己の生き様を示されたのであろうな」
あぁ、と思った。幸村様はきっと、重長様や政宗公に自分と同じものを感じたに違いない。命の重みを知り、死ぬことではなく生きることを大事とする。命は賭けるが無駄にはしない。
『我は我の為すべきことを見つけたり』
幸村様の小さな呟きを思い出す。
「時が経てば経つほど動きにくくなるやもしれぬ。発つなら一刻も早う発て」
政宗公の助言に従い、僕は黒脛巾に連れられてすぐに大坂を発った。
黒脛巾に守られているとは言え、九度山への道程は楽なものではなかった。世の中の混乱は収まりを見せず、落ち武者狩りなどもいたるところで横行していた。山賊の類にもたびたび出くわし、そのたびに黒脛巾が切り抜けてくれた。今回の大坂の陣で天下を完全に手中に収めた家康も、結局は、そういう世の乱れを収め、歪みを正し、誰もが穏やかに過ごせる国を作りたくて奮闘してきたのだと考えれば、今は少しでも早く国の隅々にまでそれが叶う日を願うしかないのだろう。
戦ののちに長きに渡って続くはずの平安を求めて、人は皆戦って来たのだから。
『ワレハヒノモトイチノツワモノナリ』
それは、目に見えぬものまでも。




