色々
サチとユウナにツクヨミは勝手にタクトの部屋に侵入していた。
カギはツクヨミがタクトから拝借していた。
しかも、ポケットから勝手に。
タクトはまだ食堂で食事中とのこと。
3人はタクトのベッドに座って話し始めた。
「サチちゃんはそのハリセンをどうやって仕入れているの?」
「これは自分で作っていますよ。ユウナさんも作ってみますか?レシピ送りますよ?」
「あ、じゃぁ、お願い」
「・・・・・・・・・」
2人の会話をツクヨミが無言で聞く。
相変わらず無口な女の子です。
そんなツクヨミを見てユウナはインベントリを扱う。
そして、取り出したのは、なんと白色のふわっとしたワンピースだ。
それにヘアピン。
ツクヨミは首をかしげる。
サチはユウナの企みがわかったのか、にやりと微笑む。
そして、手をわきわきさせながらツクヨミに近づく。
ツクヨミは後ずさるが、背後には壁で逃げれない。
そのまま掴まってしまい、2人に服を脱がされる。
そして、ワンピースを無理やり着せられ、前髪をヘアピンで留められる。
綺麗な顔と瞳があらわになる。
ユウナは手をあごに当ててつぶやく。
「思ったとおりね」
キランとか目の端が光った気がします。
「これほどまでとは・・・・あなどれないわ・・・・」
サチが手にカメラを持っていた。
それで何度も撮影する。
タクトのベッドに座り込むツクヨミ。
少し頬が赤い。
照れているのでしょうか。
「あら?カギがない?」
「どこかに落としたさ?」
「そんなことはないんだが・・・」
廊下からタクトたちの声が聞こえてきた。
サチは急いで扉のカギをそっと閉めた。
次の途端がちゃがちゃとドアノブがまわされる。
間一髪だった。
「カギは閉まってるから部屋からは持ち出してるもんな」
「めんどくせぇ。蹴破っちまえ!」
ラグナがドアを思いっきり蹴る。
すると、カギの部分が折れて、扉が倒れる。
そして、目の前に居る3人を見て、3人は硬直した。
「あら?なぜ俺の部屋に?」
「おほほ、なんででしょうかねぇサチさん?」
「え、ええ。なんでこんなところにいるのでしょうか。ねぇ?」
「お前ら・・・・って・・・・・もしかしてそこに居るのってツクヨミ?」
ラグナが指を指す。
そこには普段見れないふわふわワンピースに身を包んだツクヨミがいた。
しかも、前髪はヘアピンで留められていて顔が思いっきり見えている。
ツクヨミの顔が一気に赤くなる。
そして、
「にゃぁあぁあああああああ!」
という奇声をあげて、部屋をものすごい勢いで飛び出していった。
あまりの勢いにロイもラグナも何もできなかった。
「な、なんだったのさ?」
「わからん。てか、あいつ『緋眼』発動してなかったか?」
「してた」
「してました」
「そこまで恥ずかしかったのか・・・・・?」
「あれ?タクトはどこいったさ?」
「そういえば」
4人はあたりを見回した。
たしかにタクトは居なかった。
「あの・・・・これ・・・」
サチがカメラを見せてきた。
そのデジタル画面を見る。
「「「あ」」」
3人は「あ」という短い声を出す。
そこには胸倉を掴まれて壁に顔面をぶつける寸前のタクトが写っていた。
それを見てロイはつぶやいた。
「これは連れ去られたさ」
タクトとツクヨミはなぜか煙突の上に居た。
あまりの恥ずかしさにツクヨミは暴走。
煙突を走って駆け上がったのだ。
タクトは顔面をいろんなところにぶつけられていた。
ところどころ赤く腫れている。
ツクヨミは姿を見られないようにか、いつものポジションに居た。
これならタクトに見られることはないだろう。
「あのーツクヨミ。なんでそんな格好を?」
「・・・・・サチ、ユウナ。無理やり」
「それはサチとユウナが無理やり着せたと解釈していいのか?」
こくりと首を縦に振る。
タクトの首も縦に振られる。
「えっと・・・・・・」
タクトは頭の中で選択肢を出す。
1:何も言わない。
2:かわいいと言う。
3:似合っていないと言う。
答えは2だ。
タクトは2を選んだ。
「えっと、かわいいと思うけど」
その瞬間、キュッと腕に力が入って首が絞まる。
いきなりのことにタクトはうっとなる。
「ほ、本当に?」
ツクヨミが聞いてくる。
タクトは無言で頭を縦に何度も振る。
すると、タクトの頭から離れて煙突に立つ。
丁度、満月と重なり、藍色の髪がキラキラと光って見えた。
あまりの美しさに、タクトは魅入ってしまった。
ツクヨミはそのままタクトの膝の上に乗る。
その体はものすごく小さかった。
こんな小さな体で、タクトを守ったのだ。
それを思うと、タクトは胸が熱くなった。
そのままぎゅっと抱きしめようとした。
その時、
「こらー!タクトー!ツクヨミー!降りてきなさい!」
下からサチの声が聞こえた。
見ると、4人が下で待機していた。
ツクヨミは立ち上がると、反対側からスルスルと降りていった。
タクトはそのまま飛び降りた。
そして、そのまま船に突き刺さる。
「なにやってるさ」
「いつものことだろう」
そういいながら引っこ抜く。
ツクヨミはいつの間にか着替えていた。
何事もなかったかのようにいつものように乗る。
「相変わらず気に入られてるな」
ラグナはつぶやく。
そんな2人を見て、サチとユウナはタクトの腕をとる。
そのまま腕を組む。
「えっと、あの、歩きにくいのだが」
「いいの。歩きにくくても」
「えっと」
「少しは私たちに付き合いなさい」
「え?え?」
タクトはそのまま連れ去られていく。
残された2人は月を見て言う。
「青春さ」
「青春だな」
月はそんな2人を寂しく照らし続けた。




