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第2の神の遣い

火の神インフェルノはある心配をしていた。[強情な神か。奴はどうしているんだろうな。土の神ライドー]






その星の西の果てにウエストホースと呼ばれる島があった。別名、獣人島と呼ばれたその島は、ならず者が横行し、賞金首や盗賊がまかり通る島だった。



植物は育たず、地平線の彼方まで砂漠が広がり、獣人達はそんな世界でくらしていた。



彼方より馬に乗り駆ける男あり。彼の名は、レオ・バレッタ。この島で保安官をやっていた。





[デ、今日はどんな奴を裁けば良いんだ。ボス][酒場に用心棒のボスコがいる。賞金1万の極悪人だ。こんな輩がいるから治安がよくならねーんだ。頼むぜ。レオ][アア。金はいつもの所にな][お前も相変わらず抜け目無いな。たまにゃーマケテくれよ。こっちは子供の養育費も…………][ボス。関係無いぜ俺は。マケテほしけりゃ俺に頼まねーこったな][わかったわかった。やってくれるな?お前しかいないんだ。皆ビビって逃げ出したよ][ハン。ママのミルクでも飲んでてくりゃ良いんだ。通信切るぜ。探知される可能性もあるからな]




馬を降り酒場に向かうレオ・バレッタ。茶色いマントに黒いテンガロンハット。顔に白髭を蓄えた男。賞金首の間では悪魔と恐れられた男。それが奴だった。




酒場の扉を開け、カウンターにつくレオ。賑やかなホールが彼の登場に静まり返る。



[マスター。酒をくれ]レオはポケットから金貨を放り、カウンターの上でクルクル回す。




バンッとカウンターの金貨を潰し、ブツブツ言いながら金貨をよーく見るマスター。



胸のポケットからボスコの写真をチラッと見せるレオ。



親指を立て、あそこだと合図するマスター。


レオはチラッと写真を見て、ボスコの前に仁王立ちする。




[用心棒のボスコだな?][ゲヘヘヘ…………だったら何だよ?保安官さんよー。この島じゃ、やりたい放題。たりめえだろ?][イヤ。俺の目の届かない所でやるには勝手だがな][野郎!ぶっころしてヤラア!]ボスコはビール瓶で殴りかかる。残像を残しテーブルに手を付き、クルッと旋回するレオ。バーンとジャンプし、マントをたなびかせ、腰から二丁拳銃を回しながら構える。パーン!パーン!ボスコの脇を銃弾がかすめ、腰を抜かす。




[ヒー!ヒー!殺すな!わかった!わかった][さあ、盗んだ金を返して貰おうか?][金?知らねーよ!]額に二丁拳銃を当てもう一度聞く。[金だ][ヒー…………ワッ………わかったよ。ホラ。見逃してくれよ。返すから]レオは茶色いきんちゃくを受けとる。きんちゃくをひっくり返し中を確認する。[ウン。丁度だ。マスター。今日は俺の奢りだ。パーッとやってくれ、これで]レオはきんちゃくをマスターに投げる。





[イヤーありがてえレオさん。皆、今日はスターの奢りだ好きにやろうぜ!]指笛や歓声が酒場を包み込む。[さすがすげーや!][レオさん。ありがとよ]ワーワー




気絶したボスコを担ぎ上げ酒場を後にするレオ・バレッタ。




[ナーニー!盗んだ金を酒場の客に奢っただとー!][そうそう。悪かったか?][レオ!何考えてるんだ!お前は!][………なーんも][ブアッカモーン!だいたいお前は………][オイオイ、また始まったぜ。ボスの雷が][まったく懲りないねーレオさんも]職場が笑いに包まれる。





そんないい加減な保安官がレオ・ギャザリスだった。






続く

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