口内炎萌え
どんなに世間的に素晴らしい外見と才能を持っていて、周りにもてはやされても、自分にとって魅力的な異性か好かれなくては、意味がありません。
※ただしイケメンに限る。
を覆す、条件
※ただし口内炎持ちに限る。
「えー、それでは朝のHRをはじめます。出席とるから返事してくれ――――――――――――――」
退屈な授業、退屈な毎日、繰り返される1週間の連続、反吐が出る。。
毎日なにもしなくても過ぎていくなら、何かする必要はない。そうだろ?結局意味なんてないんだから。
特に塾にいったりとか、予習復習をしたこともないが、成績は常に学年トップ5。
理系は公式だけテストが始まる10分前に教科書を眺めて覚える、文系は初めからできることしかテストにでない。文章問題なんて、答えが書いてあるようなもんだ。
運動も、筋トレなんてもってのほか、もちろんなにかの種目に興味をもって集中したことなどないが、イメージしただけでできる。
なんでみんなできないんだ・・・決められたフォームをとるだけだろ。
身長181cm
体重74kg
適度についた筋肉(もちろん天然のヤセマッチョ)
丸く横にひろい大きな瞳
シャープにまとまった高い鼻
小顔
彼に与えられてないものなどなかった。
おぉ神よ、私の幸福をその他の者に与えてやってくれよ。
つまんねーつまんねーつまんねー。。
「おいおい、のび太、今日も不機嫌だな。なにが気に入らないんだ?テストの結果もよし、バスケ部と陸上部も順調に進んでんじゃん。」
んーっと、こいつはたしかクラスメイトD。名前は知らない。
「・・・・いや、なんかつまんねーなって思って。」
「ははっ、なんだそりゃ?嫌味か?そういえば4組のマドンナゆかちゃんがのび太のことすきらしいぜ。」
「ふーん。で?」
「なんだよその反応。あのゆかちゃんだぜ?うちのクラスの大半の女の子ものび太に惚れてるし。」
笑ってんだか怒ってんだかわかんない表情で俺に話しかけるクラスメイトD。ヘラヘラヘラヘラ。
「俺が興味ない女に好かれても面倒なだけなんだよ。4組のマドンナとかいうのも俺がマドンナと決めたんじゃない。他の男が勝手に決めただけだ。まったく魅力を感じないね。」
「つまんねーやつ。喉から口がでるくらい付き合いたいと思ってるやつが4人はいる女なのによ。」
「4人いようが100人いようがまったく俺にとっての魅力は変わらないの。」
「ふーん。じゃあ俺が狙っちゃおうかな(テヘッ」
好きにしろ。あーつまんね。つまんね。
「それでは、今日は転入生を紹介する。東京からご両親の都合で引っ越してきたマキシマム☆マツコさんだ。」
「はじめまして皆様、マキシマム☆マツコといいます。どうぞよろしく。」
ドガーン、雷が僕の中に落ちた。しんだ。そして自力で蘇生した。
美しい、芸術作品だ、後光がみえる・・・・
白く透き通った肌、絹のようなさらっさらの黒髪セミロング、ナチュラルメイクなのに、はっきりとしていて、でもどこか主張しすぎていない顔立ち・・・完璧だ。
みつけた、俺の天使。神様今までごめんなさい。僕を高スペックにつくってくれてありがとう。
この学校内、いや市内、いや県内なら、間違いなく俺が一番いい男だ。間違いない。外歩いてて見たことないもん俺よりいい男。狙う。頂く。最高。
そして、授業が終わり、昼休み。当然人だかりができているmyエンジェル、マツコたん。うは、右斜め43度も美しい・・・・
「ねえねえデラックスさんって彼氏いるの?」
はいブスF、よくやった。いい質問だ。
「いえいえ、いませんよ。なかなか好みの男性にめぐりあえなくて。」
それは俺です。あなたの好みの男性が近くにいますよ。
「そうなんだ!でもデラックスさんならモテるから男なんてよりどりみどりでしょ。どんな人がタイプなの?」
ブスF、今までブスFとか(心の中で)呼んでごめんなさい。あとで名前確認します。最高の質問だ。お前俺の心の化身?
「うーん。恥ずかしいんだよね、みんなに言うと笑われちゃうし・・・」
「何々、教えてよ、知りたい!俺デラックスさんの好みしりたい!」
はいブサイクH、お前のことじゃないことはたしかだが、礼を言おう。
「あのね・・・///」
モジモジしながら頬を紅くそめている。何。なんなの。かわいすぎだろ。例えるならチワワ171頭分のかわいさ成分抽出。
「私・・・口内炎が多い男性が好きなの//」
ざわざわ・・・・ざわざわ・・・。静まり返るクラス。
え。それって好みのタイプとかなの。ああ、まあ筋肉質が好きとか、ね、男らしいよね筋肉。目がかわいい人が好きとか、うん。わかるよその気持ち。いろいろいいところあるもんね。
え。口内炎って・・・あると何かいいことあるっけ。
「あ、俺口内炎6つあるよ。最近寝不足と野菜不足でさ、痛くてたまらないんだ。」
クラスメイトDだ。普通って感じ。
「む・・・・むっつもですかぁ!!!!!」
いきなりハイテンションになるマツコ☆デラックス=マイスウィートハニー。
「みせていただいてもよろしいでしょうか(ハァハァ」
「ああ、うん。いいけど。ほら、痛てて。」
そういって上唇を人差し指でめくり上げる。うわあ、痛そう。
「も・・・・も・・・・萌えぇぇぇぇぇぇえええぇぇぇぇえええええ!!!!!!素晴らしいです!!今まで最高口内炎保持者は4つでした!それを二つも上回るなんて・・・。痛がる姿、最高にかわゆです!写メとってもいいですか?待ち受けにします///」
そういってあわてて鞄から携帯をとりだすビューティフォーガール。女子達は少しひいてる。
しかし。だが、しかし。キ、、、キンモー(笑)とは思えないクラス男子達だった。
くそったれぇぇぇえええええ!!なんで俺は規則正しい生活なんかしちまったんだ・・・・。
え、まって、でもあれじゃん。俺って完璧じゃん。口内炎以外は。だから口内炎なくてもいいぐらいの人間じゃね。そうじゃね。よっしゃ、はなしかけよ。
「デラックスさんって面白いね(イケメンスマイル)。今度遊びに行こうよ。」
ざわめく雌豚ども。散れ、家畜が。
「あなたも口内炎があるんですか?」
目を輝かせながら、こちらを見ている。やばい、倒れそうだ、視線を浴び続けるとどうにかなりそう。
「いや・・・その。。口内炎はないんだけど、他のことは大抵できるよ、勉強とか運動とか教えられるし!あ、俺モデルのバイトやってるから金もあるよ!もちろんデード代は俺持ち。いきたいとこない?」
どうだ。こんなこといって付いてこなかった女はいない。結構緊張したが、エンジェルのためなら・・・
「いえ、私口内炎がない男性には異性として興味がないんです。申し訳ありませんが、他をあたってください。あ、口内炎6つある方、お名前とアドレスを教えていただいてもいいでしょうか?///」
ドカーン、雷が落ちた。蘇生できなかった。俺が振られた上に、あいつに負けただと・・・俺よりいいところなんてないだろうが!!くそぅ、くそおおお!
そして彼女から告白、口内炎6つ持ちと付き合いはじめた。そのころ俺は野菜をいっさい抜き、睡眠時間をサイコロできめ、不規則な生活を心がけた。ファーストフードやコンビニ飯、お菓子もくいまくった。
おかげで、太った。体重112kg。だけど口内炎ができない。
「のび太君最近かっこよくないよね。」
「太りすぎだよ、あれじゃイケメンがだいなし。」
「いつもポテチ片手にもってるし(笑)」
「キンモー。ドン引きだよ。私結構好きだったのに。。」
「陸上もタイムおちまくってるし、バスケなんて前半でもう動けないぐらい疲れてるしね。」
「うけるよねー。しかも理由が失恋による激太りらしいよ。」
「なにそれ?!ってことはイケメンの状態をふった人がいるの?」
「ほら、転入生のマツコ☆デラックスさん。」
「あぁ、なるほど。なんか全然かっこよくない人と付き合ってるよね。」
「骨川くんよ。何がいいんだかわかんないよね。私だったら絶対のび太えらぶ。あ、昔ののび太ね、いまのピザのび太は勘弁よ。」
「ひどーい(クスクス。」
スネ夫はその後も不規則な生活を続け、口内炎4~8個をキープ。
18になったら結婚するといっている。デラックス家は超お金持ちらしく、そこの婿に入るらしい。仕事はしなくていいだとか。人間国宝クラスの嫁はいつも旦那にメロメロ。
俺はというと、部活の成績も太ったことによっておち、勉強の成績も不規則な生活で脳が働かず落ち、見た目もひどくなり、一切もてなくなった。
あぁ、神様・・・・なんて残酷な方なんだ。身長もイケメンも頭の良さもいらない・・・どんなに不規則にしても口内炎ができない体質をかえてくれ・・・・・。
なんかいきおいで書きました。1時間半ぐらいで執筆。読み返してもくだらないです。ごめんなさいでした。