表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
季節外れのスノードーム〜僕が余命1年の君と出会い恋が散ったあとで〜  作者: 平井ララライ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/13

第7話:幸せ

 「おはよ〜えいた!ギターかっこいいね!」


 校門前で、咲愛が急に後ろから声を掛けてきた。


 「うぇ!」


 僕はびっくりして変な声が出た。ギターを褒められるのが一番嬉しいが、中身の色とか形、全然見えてないだろ。と心の中でツッコんだ。


 「驚きすぎ!」


 君もツッコむ。そして腹を抱えて笑う。無邪気に笑う姿が子犬みたいだ。


 「笑いすぎ!」


 僕は同じテンションで返した。今がとても幸せだ。こんなに可愛い子と付き合えるなんて。いいのだろうか⋯⋯


 すると、急に咲愛が自然に手を繋いで来た。慣れている姿に何処か悔しさを感じた。


 「教室でって言ったじゃん!」


 僕は色々と恥ずかしすぎて叫んでしまった。周りがこっちを見る。


 「そこに居たんだから仕方ないじゃ〜ん」


 君は飛ぶように玄関に向かっていった。


 「あ、待って〜」


 僕は走って咲愛を追いかけた。こんな青春は体験したことがなかった。これが青春なのか……


 これを味わっていた中学の同級生たちに見せつけてやりたい。そんなことを考えている時、後ろから冥逢の声がした。


「あ、瑛汰だ、おはよう!」


 冥逢は僕の隣を歩く。


 「お、おはよう」


 まさか、見られていただろうか。僕は戸惑いを隠せない。すると咲愛が戻ってきた。


 「あれ!?咲愛じゃん!」


 冥逢は咲愛を指さした。咲愛は手を振り笑顔を見せた。


 「やっほ〜冥逢。てか、瑛汰遅いよ!ほら行くよ」


 咲愛が僕の手を引いて、歩き出した。


 「う、うん」


 僕は汗が止まらない。すると、冥逢が追いかけてきた。


 「あれ、もしかして?2人って付き合ってるの?」


 冥逢は僕らに聞いた。首をかしげている。そんなに驚くことなのか?


 「そうだよ」


 咲愛は冥逢の問いに即答した。僕は焦って手を離す。


 「なんで手、離すの?」


 咲愛はもう一度僕の手を握った。


 「いや、は、はずかしくて……」


 初々しい姿を見せてしまった。まずい、これからずっとからかわれるだろう。


 「「かわいい〜」」


 冥逢と咲愛は声を揃えて言った。案の定、そうなってしまった。


 すると、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。


 「か〜わいい!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ