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ナイトメア・プロトコル!   作者: α星人
第二章 エルフの里とヤバい来訪者編
8/9

邂逅! 最強美少女エルフ!!

 赤いスライムさんとの死闘を経て俺は大量の魔力を得た。、来る日も来る日も森を散策してスライムさんや巨大な鳥を倒してさらに魔力を得た。


 そして、ついに人の声が聞こえたと思えば、これだよ。


 罠からの、狙撃? イカれてんのかこの世界!! そもそも何で狙われた?


 久々に聞いた故郷の音だ。そりゃ懐かしみ覚えてワクワクしたよ。でも冷静に、いや冷静に考えなくても頭吹き飛ばされそうになるのは分からん。


 弾丸によって頬についた擦り傷から血が流れる。

 

 しかも、この程度の傷ならすぐに塞がる筈なのに……治るどころか痛い。


 確実に弾になんか細工がされてる。

 感覚的には……ってそんなこと言ってる場合じゃない。


 捉えた風切り音に高速で飛んでくる数十のドローン。銃の次はドローン……もう完全に現代だろ。


 まぁいいか。

 気にするのはあとだ。敵なら、十日間の苦難の成果を試すチャンス。


魔装剣ブレイブ・エンチャント

 

 手に持つ相棒(木の棒)に魔力が流れる。それはやがて木から一振りの剣へと形を変える。

 

 魔装剣。それは俺がこの十日間で検証と改良を重ねて編み出した魔法の剣。


 ただの木の棒とは呼ばせない。エンチャント。魔力を纏わせる事によって切れ味と耐久を限界まで引き上げた。おまけに特殊な機能も付いてる。最高の相棒だ。


「タイミングバッチリ」


 視界を埋め尽くす勢いで迫ってくるドローン軍の間から一際巨大なドローンに乗った少年が現れる。中肉中背、金髪に黒目。整っているが嫌味な笑みを貼り付けた顔。そして、何よりこの世界で初めて見るスナイパーライフル。


「よぉ」


 少年が、ドローンから飛び降りる降りる。


「お前が俺を撃ったのか?」

「そ、てか聞くまでもねぇだろ」


 そりゃそうだ。ドローン連れて手に凶器を抱えたんだからな! 

 

 少年は、俺をまるで品定めするかのように上から下へと視線を動かす。


 一通り見て満足したのか口を開いた。


「一応……テメェも転移者だろ?」


「転移者? いきなり飛ばされてきたことを言ってるなら、まぁYESだが」


 俺の回答に少年は一瞬目を見開いた。


「あ? まさか何も知らないのか? この世界のこと」


「? 逆に聞くんだけど、お前はここが何処とか、何で連れてこられたのかとか、知ってんの?」


「ハッハハ! つまり何か? 女神にも会ってないのか? 巻き込まれました系か? 流行らねぇプッハハ!!」


 いきなり意味わかんない事言って笑い出したんだが……怖すぎるだろコイツ。いや人の頭に向かって弾ブッ放した時点でサイコ確定だけどな。あとムカつく野郎ってことも。


 まぁ、今はいい。 

 今は何よりも情報が欲しいからな。転移者に女神とかなんとか、知ってることを全部聞き出す。初めは対話からだ。


「なんか知ってることあるなら教えてくれよ。ちょうど困り果ててたんだ」


「ハッ、嫌に決まってんだろ。脳みそ足りてねぇのか? 情報が欲しけりゃ、そのお粗末な棒切れで殴りかかって来いよ。ま、死ぬだけだがな」


 少年から吐き捨てられる暴言。


 うん、プラン変更ー!

 コイツ絶対に一発ぶん殴る。いや二発!!


 そもそも頭狙って撃ってきた奴相手に対話なんざおかしかった。


 ただ今すぐに武力行使といきたいが……ドローンが厄介だな。搭載機能によっては、速度出して突っ込んでも蜂の巣の可能性がある。


 そもそも罠が一つしかないわけない。下手に動くのは悪手。クソムカつくがここはアイツのテリトリーか。せっかくカッコつけて魔法剣(木の棒)まで出したってのに!!!


 何やっても後手とか。終わりだ……泣。


「何黙って突っ立てんだよ。まさかビビってんのか?」

 

「……」


「はぁ……そう。じゃあ──死ね」


 破裂音。

 俺は罠とか何も考えずにただ横にステップを踏む。

 

 弾丸がさっきまで俺がいた地面を嘘のように抉る。


「おっ、避けた。反応いいじゃん」


 少年は少し驚いた表情を浮かべた。


 あっぶない!! 

 ドローンからの一斉射撃。小型ドローンに載ってるマシンガンとは思えない速度と威力。どうやってあの小ささで反動に耐えてんだよ。


「ほら次だ。つまねんぇから簡単に死ぬなよ」


「マジかよッ!」


 思考を掻き消す地獄の弾幕。逃げ場を完全に潰された。


 これは避けきれない。クソッ上等だ……全部纏めて剣の錆にしてやる。


 全身にエンチャントを施す。強化された視力は弾丸一つ一つを正確に捉える。そして俺に降り注ぐ弾丸にだけ魔法剣をぶつけて弾幕に穴を開ける。


「ハッおもろいじゃん、その剣!!」

「当たり前だろうが!」


 開ける視界。

 クソ野郎との距離は八メートル弱。一瞬で詰められる距離だ。直線にある地面の一度野郎が踏んでいた場所は覚えてる。そこを足場にすれば罠の心配もない。


 距離を縮めれば銃器の脅威は減る。


 いける。全力でぶちのめす!!!


「シッ──」


 弾幕の穴を抜け一瞬で少年と肉薄し、全力で剣を振るう。

 刃が届くと、思った。


 その時、少年がニヤリと悪辣な笑みを浮かべ指を鳴らした。  


「──ヤったと思ったか? 残念」

 

 その瞬間、足元の地面が光り爆ぜた。

   

「ガッ!?」


 轟音と衝撃が身体を貫き、ボールのように宙に浮き地面に叩きつけらる。


 そして叩きつけられた場所で、また爆発。


「ぐぅ!!?」


 再び吹き飛ばされる。また爆発。


 身体が地面を転がる度にドン、ドン、ドンと連鎖する爆発。


「クッソ、ッが……!?」


 視界が定まらない。回る、一瞬で上下がわからなくなる。


「はぁ……いってぇ」


 五度吹き飛ばされて、ようやく爆発が止まった。

 

 最悪だ……油断した。任意のタイミングで爆ぜる地雷。完全にやられた。


 全身が焼け爛れ、度重なる落下のおかけで骨がいくつも折れている。ただこれでもだいぶマシだ。エンチャントが無ければ爆発で即死だった。


 十日の成果だな。

 回復の為の魔力の心配はないが動けない。アイツが悠長に回復を待ってくれるとも思わない。


「よぉ腐っても転移者、タフだな。ま、そこそこ楽しめたぜ? ナイストライ笑」


 くたばりかけの俺を見下ろして、少年は歪んだ笑みを浮かべる。俺の額にハンドガンの銃口を向けながら。


「ゴホッ。オイ、クソ野郎……冥土の土産に教えろよ。何のために俺を襲ったんだ?」


「あ? んなもん魔力を手に入れる為に決まってんだろ? そこらへんの雑魚モンスター狩るより。魔力溜め込んだ人間撃つ方が効率がいい」


「なるほど、な。合理的だ。じゃあ女神っていうのは?」


「露骨な時間稼ぎに付き合う気はねぇよ」


 やっぱダメか……回復は間に合わない。万事休すか。いや最後にコイツだけでも……。


 容赦無く引き金にかかる指。


「じゃあな、クソ雑魚。来世は長生きできるといいな笑」


 高速で弾丸が射出される。


 そして、俺の額へと到達する。


 ───その刹那。

 

 眩い閃光が駆け抜けた。


「そこまでだ。悪しき来訪者よ」


 凛とした声が響く。


 弾丸が空中で止まっていた。俺を囲うように展開される翠の光の壁によって。


「あ?」


 少年は目を見開いた。


 俺の背後から、一人の少女が現れた。


 長い銀髪と陽翠色の瞳。幼くも美しい顔立ちに長く尖った耳。


「エルフ……」

 

 その姿を見た俺は、今の状況も忘れて思ってしまった。


 眼福だ。


 本当に来れて良かった!! エルフ最高!! 異世界万歳!!!!


「チッ、めんどくせぇ」


 ドローン軍の一斉掃射。俺に撃ってきた時とは比べ物にならない弾丸の雨が少女を襲う。


「無駄だ」


 少女の持つ眩い光の盾によって弾丸の全てが弾かれ地に落ちた。


「これ以上の蛮行は決して許さない。今すぐに立ち去れ」


「さもなくば──」


 少女の瞳が、金色に輝く。


 それに共鳴するように森全体が揺れた。


「【神降】」


 圧倒的な魔力。

 途方もないほどの可視化された魔力が少女の小さな体から解き放たれる。


 それを以て一帯を一瞬にして支配した。


「……マジかよ」


 常に薄ら笑いを絶やさなかった少年の顔色が変わる。


「消えろ。この森に貴様の居場所は無い」


 少女が手を翳す。


 瞬間、立ち昇る魔力が反応し手のひらに一本の矢を作り出した。


 そして、一瞬の静寂の後。


 ──放たれた。


 絶大な魔力が込められた光の矢が、少年に向かって飛ぶ。


 俺の視界が、真っ白に染まり。


 そして、世界が揺れた。


「ッ……」


 眩い閃光。

 あまりの光量に目を瞑る。

 しかし翠の光盾に守られ衝撃は来なかった。


「逃げられましたか……まったく厄介ですね」


 少年に向けていた怒気を纏う声とは違う。落ち着いた少女の声に俺は目を開く。


 するとそこには一変した景色があった。


 いや、むしろ何も無くなっていた。光が通ったと思わしき場所全てが綺麗さっぱり消えていた。


 どんな威力だよ、おかしいだろ……これ。おれの魔法剣は泣いていい。てか泣きたい……。


「貴方、名前は?」


 あまりの差に心の中で涙を流していた俺に少女が声をかけてきた。


「え、俺? 東條刃だけど……あなたは?」


「刃……そうですか。私はベルロッティ。ベティで構いません。では案内します。早く立ってください」

 

「あ、ハイ」


 足に力を入れて立ちあがろうする──だが力が入らない。


 そうだった忘れてた。まだ足なかったわ、俺。回復にはまだしばらくかかる。


「あのー、助けてくれたのは大変有り難いのですが……おれまだ足なくてですね。少し待ってもらってもいいですか」


「はぁ………」


 思いっきりため息を吐かれた。

 確かにこんな美少女エルフさんもといベティさんを待たせるのは忍びない。本当にも申し訳ない。けど足が無いからね。うん、足ないんだよ? 優しくしてください(泣)


「仕方がありません。肩を貸しましょう」


 さっきとは別の意味で泣いていた俺。に優しく差し出されるベティさんの手。

 

 なんだと……! 天使か!? ありがとうございます!!


「あ、ありがとう。助かります」


「礼はいりません。早くしてください。夜になる前に里に行きたいので」


「ハイ! すみません!!」


 ベティさんの手を取り立ち上がる。そして肩を借りてなんとか歩き出す。


「えっ、ていうか里ってまさか……」


「? エルフの里ですが……何か?」


「………」


 ……うん! やっぱり異世界最高!!!!

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