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水風船? あぁ、なんだスライムか

 俺が自由に動けるようになってから二日が経った。


 そして、俺は不思議と疲れない身体を使って寝ずにあちこち探索を続けていた。だけどわかった事は景色がすげー綺麗ってことと現在地がとてつもなく広い森の中って事だけ。


 軽く五十キロぐらい移動したと思うが視界に映るのは種類の分からない木々だけだった。木の上に登って辺りを見渡してみても俺の視界に映るのは緑だけ。


 こんなに広いのに俺以外の生き物の気配もしないし、寂しすぎるわ。


「さてと、こっからどうするかな。流石になんか見つけたいよなぁ〜」


 てか、この世界さぁ……、観光スポット少なくない? 

 

 せっかく動き回れるようになったのにこんな変わらない景色ばっかじゃあダメじゃない? もてなしの心が足りてなくない? 


 せめてこの世界にしかいない動物とか現れてもよくないか? いやヤバい怪物とかでてきても困るんだけどね。普通に死ぬし。


 でもよ〜、異世界だぜ? なんかこう! ドラゴンとか精霊とかいてもいいじゃんよぉ。


 ポヨンッ。


 それに異世界と言ったら仲間じゃん? 普通は五人くらいで冒険するもんじゃない? みんなで力を合わせて世界を救うものだろ? 異世界転移ってそういうものだろ?


 ポヨン。


 そして世界を救った後は王国の姫とゴールインしてあんな事やこんな事をするもんじゃん。 

 

 ポヨンッ。


 そうそうポヨンポヨンっ、ん?


「ポヨン? なんの音だ、ってなんだお前!?」

「ポヨ?」


 奇妙な音の方に振り返った俺の目の前にいたのはプルプルしているサッカーボール程の水玉。言ってしまえば完全にスライムだった。


「あぁ、なんだスライムか…………、はぁ?? !、!?」

「ポヨ!!」

「スライムぅ!? お前スライムなのぉ!?」

「ポヨポヨ!!」


 うぉ、返事してる! ってことは本物のスライムじゃん! やっぱり異世界にはいるんだよなぁ! 不思議な生物がさぁ!! 異世界最高!!! 


 でもあれかな? コレって倒さないといけないタイプのやつか? もしそうじゃないなら一人旅は寂しいから仲間になってくれたりしないか? よし、とりあえず聞いてみよう。


「あのースライムさん? 会ったばかりでなんだけど一緒に冒険でもしない?」

「ポヨ?」

「はは、突然ごめん。でも俺さ、ひと目見た時からスライムさんにシンパシーっていうの? 感じたんだよね。だから、もしよかったら……」

「ポヨ……」


 俺の真摯な言葉が通じたのかスライムさんはプルプルと震えたまま、俺の足元にやってきて触手のような手を伸ばしてくる。

 そして俺も同じように触手に向かって手を伸ばす。


「スライムさん、ありがとう。コレからよろしくね」


 こうして俺たちは熱い握手を交わす


「グォォォ!!」

「なっ!? ガァッ!!!」


 事なく。急に豹変したスライムさんの触手によって俺は腹部を殴られ数メートル吹き飛び地面を転がった。


「ゴホッ! いやいや、急に何を!? スライムさん俺を裏切ったのか!?」

「ポヨォォォ!」

「いや、めっちゃ厳つくなってますやん……」


 ゴリゴリに化け物ですやん。世界チャンピオンみたいな腕生えてますやん。元の可愛かった姿の原型無いし……。


 い、いや、まだ諦めるな! 見た目に騙されるんじゃねぇ、俺! 重要なのは一緒に旅や会話ができる事だ! それ以外はどうでもいい! もう一回真摯に接すればスライムさんもわかってくれる筈だ。


「あの? またスライムさん? もしよかったら俺と、「ポヨォ!!!!」、ブハァ!?」


 再び真摯に歩みを詰めた俺だったが、結果は地面を舐める事だった。


「ス、ライムさん……」

「ボボボヨォォォォ!!!!」

「いや、もはや別の生き物ですやん……」


 数倍に膨らんだ球体からゴリラみたいな手足と沢山の触手が生えたスライムさんがそこにいた。


 もうスライムじゃないですやん、見た目完全にそういう怪異ですやん。

 

 そうか、もう俺はスライムさんと戦うしかないのか……。

 

「スライムさん。短い間だったけど君と交わした言葉や君といた時間は最高だった、ありがとう(泣) クッ、行くぞ! うぉぉぉ!!!」

「ボッボヨォォォォ!!!」


 こうして、おれとスライムさんの激闘は始まった。



 ★ ☆ ☆ ☆ ☆



 綺麗な湖が見える草原の上で俺は何故か上がった息を整える。それと身体中が痛い。


「はぁはぁ……。強敵だったぜ、スライムさん」


 本当に強かった。岩を砕く破壊力の手足の振りの大きい攻撃、その合間を埋めるように放たれる細い触手による連打、そして何より打撃の効かない身体。


 まじでヤバかった……、スピードがそこまで無かったのは救いだった。そのおかげで隙を見て逃げ出せたしな。

 

 え? 勝ったんじゃないのか? 

 ハハッ、そんなわけないだろ! 俺の攻撃当たっても効かないの! そもそも俺は前の世界じゃ一般人ですよ? いきなり戦えってそりゃ、無理な話ですやん。 

 

 こっちにきてから何故か強くなった俺の肉体が無きゃ七回は死んでたね!! 故に! 生き残っただけでもかなり凄いわけですよ。

 

 しかし、いい場所だなここ。

 まさか逃げた先でこんな場所を見つけれるなんて思わなかったな。小さいが美しい湖と花畑。あぁ、心が安らぐなぁ〜。まさに最高の観光スポットだ。

  

 しかし、この森にはスライムさんみたいなのが他にもいるのか? だとしたら暫くはここで修行でもした方がいいな。この世界にきて俺の身体は明らかに強靭になってる。前の世界じゃできなかった事が今ならできる。俺の厨二の妄想が現実になる時が来たんだ!!!


「それじゃあさっそく始めよう」


 こうして俺の短い修行編は始まった。

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