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お料理始めました 〜家に押しかけるカノジョの食欲を満たす話〜  作者: 天使 かえで
カノジョの恋心を見てく裏メニュー

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裏メニュー 2品目

「お腹空いたよ、穂積くん。」


 日もすっかり落ちた夕飯時。今日も当然のように穂積くんの家にいる。

 夕方のニュースを観ながらくつろいでいる。


「晩御飯、何にするの?」

「今日も食べていかれるんですね。今夜は親子丼です。」

「え? 親子丼!? 食べたい!食べたい!」


 穂積くんは聞くまでもなくちゃんと用意してくれている。今夜も美味しいご飯が食べられると思うと嬉しくなる。


 どんな風に作るのか考えている様子で視線が冷蔵庫の中をぐるっとしている。


「チキンナゲットを使った親子丼ですが良いですか?」


「何それ、初めて聞いた。穂積くんが作ってくれたものなら何でも良いよ!」


 今夜は彼のアレンジ料理のようだ。出来るのが今から楽しみだ。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 トントンとまな板に包丁が当たる音がする。玉ねぎを切っている。

 

 卵を溶いていく音がリズミカルで心地いい。


 火にかけたフライパンに水や調味料を入れている。その後、切った玉ねぎも入れたようだ。


 次第に私のいるところまで温められた醤油の香りが届いてくる。お砂糖と合わさってちょっと甘じょっぱい感じで私好みの味付けみたいだ。


 煮込んでる間に電子レンジでナゲットを解凍している。1分くらいかけていたナゲットを電子レンジから取り出しフライパンに入れていく。


 すかさず溶き卵を鍋に回し入れている。全体に卵が入ったら少し様子を見てから仕上げの卵を入れている。全て入れたら火を消し蓋を閉じた。


 丼を2つ用意し炊きたてのご飯をよそっている。離れて見ていてもホカホカのふっくらした美味しそうなご飯だ。


 ご飯の上に丁寧に具材を盛り付けている。硬すぎず、ちょうど良い火の通り具合の卵だ。


 最後に青のりを一振。鮮やかな緑と香りが食欲をそそる。


「美味しそうな香りー! もう出来たの?」


「ちょうど出来ましたよ。アツアツのうちに食べましょう。」


 丼と一緒に味噌汁も用意してあり、テーブルに並べてくれた。


「じゃあ、食べましょうか。」

「そうね♪」


 そう言うとふたりは同じタイミングで手を合わせる。


「「いただきます」」


 お互いの顔を見て小さく笑い合った。


 出来立ての親子丼を一口食べる。いつもながらすごく美味しい。私の好みに合わせて作ってくれる。

 隣で食べる穂積くんも大きい口してパクパク食べている。それを見て私は嬉しくなる。


「穂積くん。慌てなくても大丈夫だよ。」


 すごい早さで食べている彼の頬にご飯粒がついてるのを見つけた。


「ほっぺにご飯粒つけて、穂積くんかわいいっ!」


「可愛いなんて……」


 頬についてたご飯を取ってあげたら少し照れた様子で微笑んでいる。

 普段はしっかりものなのにこういうちょっと子供っぽいところがあるのも可愛らしい。


 彼は何か言いたそうにしていたが、そのまま少し赤い顔して親子丼を食べていた。


可愛くて好きすぎるな。


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