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抱きしめられた尊敬の気持ち
結婚した警察官は機動隊。男らしく頼りになる優しい、良き旦那さんと一男一女を授かり平凡な時を過ごしていました。
家の近くに大阪大学の寮がありました。
その寮に、当時の学生運動をしている人たちが、寮にたむろしていて、そのうちの一人とおしゃべりするようになりました。
その時わたしは30歳。
彼たちは”女の人は専業主婦ではなく、社会に出て活躍するべき”だと言ってて、私の中ではとても新鮮なことでありました。
長女の家庭教師をその方にお願いして、家に出入りするようになりました。
旦那さんは仕事柄二日に一回しか家には帰って来ず、そのうちにいろんな話をするようになり、彼に対する尊敬の気持ちが大きくなりました。
彼の口癖は、
”このままでいいの?”
”ほんとにこのままでいいの?”
と言われてて、自分で考えるようになったある日。
彼が忘れ物をして帰ったある日、夜それを撮りにきた時に玄関先でお酒を飲んでたせいもありますが、きつく抱きしめられました。
今まで生きてきた人生の中で自分は今まで何を考えて生きてきたんだろうと思うようになりました。