プロローグ
その日僕が見つけたのは自分だった。
僕はその日、いつも1人になれる近所の公園に夜一人で来ていた。
僕はその公園の一本杉の下でいつも一人で一夜を過ごす。
僕には居場所がなかった。
居場所を与えてくれる家族や友達もいない僕は唯一の居場所であるこの一本杉のそばでよく寝ている。この杉の木は僕と同じ孤独の匂いがしてとても意心地がいい。
僕はいつも通り今日も一本杉に来ていた。
しかし、先客がいた。僕はその先客に驚いてしまった。そこに居たのは紛れもなく、いや間違えるはずなどない。生まれてから今まで1番この目で見てきた人。
そう、自分がそこで寝ていた。
僕は自分に声をかける怖さより、好奇心の方が優り声をかけてみる。
「君、なんでこんなところで寝てるの?なんでそんなに僕に似ているの?」
僕が声をかけるともう1人の僕は目を開け起き上がりこちらを見つめる。しかし何も言わない。
「あの、もしかして未来から来た僕とか?……なわけないかそんなこと」
僕のこんな言葉にも何も反応せずただただ黙ってこちらを見つめる。
僕は少し怖くなった。
もう1人の僕、彼の目は確かに僕だけど僕の目ではない。そんな気がした。
僕は怖くなり別の場所に行こうとすると彼が声を出した。
「ターゲット、如月裕太…抹消する」
僕は突然話し始めたそれが怖くなり走って逃げる。
しかし、それは僕よりも早い速度で追ってくる。
僕は捕まりそして……首を切られた。首を切られた数秒ほんの僅かに意識のある僕は最後に目にしたのは…。
次の日目を覚ますと自分のベッドの上にいた。
昨日見たのは夢だったのだろうか?昨日のことをよく覚えていない。
いつもの公園に行きそこで何かを見つけたのは覚えているが何を見つけたのかは思い出せない。
まるで記憶に鍵がかかっているみたいな。思い出そうとする度にすごい頭痛がする。
一体なんだったのだろう。僕は思い出せず考えるのを諦めた。
思い出せないのはきっと大したことがないからなのだ。
僕はベッドからおり家の階段をおり下へ行く。
いつも通り家は散らかっており両親はもう仕事へ行ったのか家にいない。
仕事に行ったのならば…。
僕は支度し学校へ向かう。向かう途中気になりいつもの公園に行ったが特に異変などはなくいつも通りだった。
公園を後にしようとした僕はベンチに座っている人が読んでいる新聞の記事に少し興味が湧いた。
『都内 大量自殺 突如起きた不審死・・・新たな伝染病か』
都内で大量自殺。少しこのことを他人事な感じがしなかった。
僕が住んでいるのは神奈川だから伝染病なら都内に1番近いここもいずれ伝染病が広まるかもしれない。
いやだなー。
そんなことを考えながら学校へ向かった。
「うぇっ……ふぐっ!」
学校で僕はトイレで殴られている。
僕は学校でいじめられていた。原因は多分僕の家庭にあると思う。
僕をいじめているのは僕の幼なじみのゲンくんとその友達。
昔は仲良かったのに……。
するとゲンくんの友達の1人がこんなことを言い出した。
「お前なんで学校来てんの?みんな迷惑してんだよ」
「なぁ、知ってるか?都内のやつ」
「ああ、知ってるぜ、みんな首を切って死んだってやつだろ?」
そのニュースは僕も今朝見た。
みんな首を切られてそこら中に転がっていたらしい。
「あれさ、最初は殺人に見えたんだけどもし殺人だったら犯行時刻と死体の場所がおかしくなるんだって」
「どういうことだ?」
「たくさんの死人は一晩で全員死んだんだって。で、その死体は都内の各地に転がっていたんだって。もし殺人だと一晩でしかも誰にも見られずに殺すのは無理だろうって」
「でも、人殺しが独りじゃなかったら?」
「うん、その線も考えたらしいんだけどその可能性も低いらしい。それより見た人がいるらしい」
「何を?」
「自分で首を切る人を。それより皆手には刃物を持っていたらしいし」
そんな話をしている。
僕はゲンくんに顔を踏まれていて身動きが取れないため聞くことしか出来なかった。
するとゲンくんがとんでもないことを言い出す。
「じゃあ、お前も自分で首を切っても…おかしくねぇよな!」
「うっ……」
僕は声も出せなかった。
「うっ!うぁぁぁぁぁぁ!」
目の前にはゲンくんとその友達2人の死体が転がっている。
ゲンくんの手にはつのナイフを持っていた……。
気が向いたら続き書こうかな。
楽しんでください。