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おっさんのごった煮短編集

今日は当たりかな

山も落ちも意味もないよ。

おっさんの休日だからね。

虚しさだけは胸一杯になれるよ。



 行き付けのSPAに行く。

 利用者の少ないサウナは今日も俺しか入ってない。

 良いところを見つけたと思う。世界的な疫病の流行で会員になってるジムは休業中、誰もいないサウナでスクワット、腕立て伏せ、腰掛けに手をおいてディップスをする。乾式サウナなのに60℃と低めなせいだろうか、本当に自分以外に利用者がいない。確かに温すぎて普通のサウナになれた身には寒すぎる気はするが、利用者がいないからウォームアップにと始めたスクワットから、トレーニングに熱が入ってしまった。

 カーフレイズにランジウォーク、サウナを出て涼んでいても、時折、一人二人と入って行くが温すぎてダメなのか、入った足でそのまま出てしまう。

 「やっぱり、普通に入るには寒いよな」

 雪の積もった露天風呂の脇で積もった雪でクールダウンしてる自分は、はたから見たら相当にクレイジーだろうと思う。ちょっと考えて、まさか筋肉ダルマがスクワットしてるせいで入って来ないのか、とも考えて見るも、ドアについている窓の外でこちらを覗く人もいない。ここのサウナ利用者が単純に少ないのだ。


 牛乳を買おうとフロント横の冷蔵機を覗く、あー今日は牛乳もコーヒー牛乳も売り切れだ。いつも残っているいちご牛乳とフルーツ牛乳とにらめっこして、仕方なしにいちご牛乳を買う。

 「久しぶりに飲むと意外とうまいな」

 そんなことを思いながら、いつも売れ残るのだから、仕入れをコーヒー牛乳と牛乳だけにすればと思ってしまう。まさかアソートでもあるんだろうかと下手な勘繰りをするも、そんな訳も無いので、単に仕入れ担当が雑なんだと結論付ける。

 色々と顧客に対してリサーチが足りないと言うか、やる気が無いな、ここは、なんて余計なお世話を働かせるが、そのお陰でサウナが貸切状態な訳で、そこは素直に有難い、経営的には死活問題な気もするが。

 フロント近くのマッサージ機で暫し休んで、トータル千円も使って無いな、なんて思いながら、自分のいた2時間弱で利用者が片手だったな、なんて考えて、やっぱりやっていけるのか、ここは、なんて考えてしまう。自分にとっては天国なので是非とも頑張って欲しい。


 そんなおっさんの勝手な感想を抱きつつも帰りがけに小腹がすいて、7時から11時まで営業なんてブラックな名前で実際には24時間年中無休というもっとブラックな便利なストアに寄り道する。

 「ブラックなんて叩いても、結論、そこを利用する俺みたいなのがいたら、潰れないよな」

 自虐的な思いになりながら、いやいや、自分も底辺、ブルーカラーさと更に自虐を挟んで入店、今度こそはパック牛乳を手にレジにいき、ホットスナックのケースに目が止まる。

 「今日は当たりかな」

 ハズレをひくとひどいんだ。

 売れ残って長時間放置されたのか、中のウインナーは油が抜けてパサパサだし、外のがわも、固くなってバケットみたいになってしまう。

 バケットは好きなんだが、それはバケットだからであって、お前にそれは求めてないのだ。

 

 少し迷ったものの買って来る。車の中で少し休憩とスマホ片手に食べ始める。

 「おっ、今日は当たりだ」

 良かった、外はふんわり柔らかく、中のウインナーも肉汁がしっかりあってプリプリしている。

 

 「やっぱ、アメリカンドックはこうじゃなきゃな」


 こんな風に私の休日が過ぎて行く。





まあ、ある意味で優雅な1日です。

仕事のことは考えないようにしてます。

まあ、連絡来て現実に戻りますが。



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― 新着の感想 ―
[一言] サウナ良いですよねぇ……最近めったに行ってない。 水風呂に使った後のなんとも言えない疲労感がたまらないです。 その後に飲む牛乳のおいしさといったら……! ホットスナックは自分で作る派のたら…
[一言] 普通の牛乳とコーヒー牛乳が売り切れてフルーツ系の牛乳が残っているシチュエーションって、確かに時折見かけますね。 私の場合、中学の購買や高校の学食の自販機などでしばしば見かけるシチュエーション…
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