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ぼっち(最強)の娘 学園に行く  作者: 超覚醒の豚
3/3

ワイバーン

何週間もかけて作ったのでむしろできが悪いかも

「ここか。まだ近くに匂いはあるか?」

「・・・・・」

「ないって言っているぞ」


アダムがウルに質問すると、ウルは質問に答えるどころかリウスの後ろに隠れてしまった。

ウルは人見知りが激しく、今でこそ普通に会話できるリウスでも話すのには一年ほどかかった。

まぁその一年はまだリウスが子供でほとんど話さなかったが。


なので会って当日のアダムとは会話どころか目も合わせられない。


「そうか。面倒なことだな」

そう言ってアダムは横を見た。


そこには木が何本もおられ辺りに血の渇いた跡があちこちに飛び散っていた。

しかし、それだけで他に何も残っていない。


何がどうしたのか一切わからない。


「・・・・」

「どうやらオーガの血の匂いらしいぞ」

「そんなこともわかるのか。いい鼻を持っているな」


「貴様ら、着いて来い」


そう言ってアダムは歩き出した。

「ここにはオーガとボア系の魔物しか基本生息しない。だからどちらかがこれを起こしたと考えるのが妥当だ。

しかし、ボア系はそもそも好き好んで肉は食さないうえ、オーガは獲物を丸ごと持ち帰るなんてことはしない。まぁこれは例外があるので問題ない。ただこれらは全てボア系の魔物が襲われた時の話だ。


・・・寝ているやつは起こさなくて構わない。」

寝ているウルを起こそうとしたリウスを見ることなく言った。


「こいつはどんな環境で育ったのか知らんが、このように」

リウスがわずかばかりの殺気を漏らした瞬間、ウルは飛び起きた。

「起きる」

「びっくりした」


「続けるぞ。オーガが襲われたとなるとこれを起こした奴が、オーガでもボア系でもなくなる。」

「誰?」


「ワイバーン」


「ワイバーンなら見たことある」

「ウルよ。あれは嫌な記憶だな」

「う」


実はウルたちはワイバーンを見た事がある。

アストラが訓練用にとつれてきたのだ。

しかし、全く手も足も出ないと瞬時に悟った二人はすぐさま逃げ出した。


が、当時まだ逃げることに慣れていなかった二人はワイバーンに追いかけられ死ぬ思いをしたのだった。

訓練後はアストラが引きずって戻しに行ったが。


当時よりも実力を上げたウルたちだからこそワイバーンがどれほどの脅威なのかはっきりと分かる。


「なら話が早い。さっさと追い払いに行くぞ」

さらっと恐ろしいことを言いながらアダムは歩き出した。


「恐ろしいな。容赦がない」

「う。がんばる」

そんな先生に二人は文句を言いながらついていった。

先生が自分たちをつれていこうとしているのならば、少なくとも命を落とすことはないだろう。そう考えてのことだ。



3人はかなり早いスピードで移動していた。そこいらの馬よりかは早く走れる。


「お前たちワイバーンについて何を知っている?」

走りながらそう聞かれたウル達だが、今日学園にきたばかりなので当然何も知らない。


「まず、ワイバーンについての説明だ。竜の末裔とも言われているように、非常に竜に似ている。」

「先生は竜と遭遇したことはあるのか?」

「質問は後だ。だが竜にあったことはない。しかし貴様らの国で一度だけ龍が姿を表したらしいじゃないか。

お前の親が子供の頃の話だが。これは歴史の授業で習うはずだ。唯一にして最大級の異神の侵略だ。


ところでドラゴンと言われる竜とその上位種たる龍の違い程度はわかるよな?」


「分からないぞ。ウルは知っているのか?」

「・・・・」

「そうか。ウルも分からないのか。それで、違いはなんなのだ?」


「違いは人の言葉を話せるかどうかと言われている。実際、今いる神獣は全員話せるらしい。竜にはまだ人の言葉を理解できるほどの知能がないのだろう。


本題に戻る。まずワイバーンの住処だが、山の上などの高いところだと言われている。今向かっているのはここから近い山だ。

 そして餌を食べるとき以外は基本そこにいるらしいな。」


「竜の里は?」


突然、ウルが質問した。

初めてウルの声を聞いたアダムは一瞬驚いたがすぐにこう答えた。


「竜の里?なんだそれは?」

「ウル。我もそれは初めて聞いたぞ。またお父さんの話か?」

「父の話?どう言うことだ」

アダムだけが会話についていけなさそうなのでリウスが説明した。


ウルの父親、アストラはいろんなところに一人で冒険してきたらしい。

その時に体験したことを夜、リウスやウルが寝るまで話していた。

その一つに竜の里があるのだ。


全ての竜の生まれる場所と言われたらしい。

父も竜に乗っていたら着いたと言っていたため場所までは分からないのだろう。


「竜に乗るだと?!」

声にあまり抑揚のないアダムが声をあらげた。


「すごいの?リウス?」

「それくらいあの人ならやっていそうだがな。なんせワイバーンを片手で引っ張ってきた人だしな」


アダムが頭を抱えた。この子達の常識はまだ残っているのか?まさか全ての大人がそのくらいできると思ってしまっているのか?

心配になったアダムは確認したくなった。


「貴様らのいうアストラは化け物だからな。それと俺を一緒にするなよ」


すると二人はキョトンとした。


「・・・・・? 当たり前であろう。アダム先生は良くて母上くらいであろう。

それより強い父上と母上が協力して戦っても何食わぬ顔であしらっていたのがアストラだぞ?

比べるまでもない」

「う。パパはすごい」


予想外の答えを聞いたアダムは安心したようなバカにされたような複雑な気持ちになった。

(しかし、こいつの母親は戦姫とまで言われていたはずだ。ならば褒めているのか?)


「なるほど、よくわかった。何かワイバーンに着いて質問はないか?」

「・・・・」

「我もウルもないぞ」

「ならいい。さっさと目的地に着くため速度を上げる。着いてこい」


そう言ってアダム達はさらに早く移動し始めた




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