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27 ディエット(2)


 どうしようか……。


「あとディエットでは入国審査無しで入れるんだ」

「こんなおっきな街なのに!?」

「そうだぜ。なんか、人が来すぎて手間になったんだっけか?」

「説明するならちゃんとしろ」


 ここでは鮮度がいのちの物を扱っていたりするので、それならば入国審査など取っ払い、市内は夜も含め兵を倍にして巡回しているとのこと。

 下手に犯罪等したら、軽いものでも奴隷落ちか極刑となっている。


「え、軽くても極刑ですか……」

「そう、だからこの街にいたくないっていう奴も多い」

「たしかよく飲みに行ってたジリアンも出てったな」

「ジリアンさんは何されたんですか?」

「彼女じゃなく連れがバカやって奴隷落ちしたんだ」


 呆れた様子で話してるが何したのその連れは?


「ジリアンは連れと付き合ってたんだがよ。なんと彼女の目の前で給仕の子にセクハラしてジリアンに訴えらてたんだよ」


 バカだろ?と心底可笑しそうにニーナが話す。

 確かにバカだ酔っていたとしても余りにも馬鹿すぎる。


「で、今も鉱山にでも行ってるだろ」


 冒険者が奴隷となると、基本的に鉱山奴隷もしくは見世物の剣闘士最悪の場合は貴族が買っている魔獣(ペット)の餌だ。部位欠損など身体的異常がある者は、有事の際に囮や人体実験、治験にされる。


「ついたついた!」

「先ずは御飯にしよう」


 門を潜ると門番がこちらを見た気がした。

 フルフェイスだったのでこちらは分からなかった。



   ◇◇◇



 大通りは屋台多く、焼き鳥っぽいのからおかずクレープみたいな物まであった。

 キョロキョロと見ながら付いていくと冒険者の格好の人がいる大衆食堂に入った。


「!?」

「どうした?」


 え、いや、どうしたって。

 犬がいた。

 そう犬だ。

 だが動物の犬ではない。

 違いは四足歩行していて、手が五本指だ。それに喋っている。


「ああ、亜人か。いや、この言い方はダメだったな。彼らは犬族だったはずだ」

「え?狼族だろ」


 この二つの種族は間違えやすく、間違えて呼ぶと切れてくる。


「面倒になるからそれは置いといて、オバチャン僕は今日のおすすめで!」

「じゃあ私は『熊の手グツグツ煮込み』で!」

「誰がオバチャンだい!あたしゃババアじゃないよ!」


 まだ50歳過ぎてないわ!と文句を言いながら、それで、あんたは何にすんだいと顎でしゃくりながら聞いてきた。

 いや、年相応なんだが。

 持ち合わせは今のところ無いのでどうしようとか思っていると。


「僕達が連れてきたんだ遠慮しなくていい」


 それならと思いエイブリットと同じものを頼んだ。

 ちらっとメニューを見てもどんなものかが分からなかった。


「すみません。ご馳走になってしまって」

「こっちもお願いしたいことがあるから良いんだよ」

「お願い?」


 無理なことじゃなければ良いが……。

 お願いというのは森での事を黙ってて欲しいということだった。申し訳なさそうにしながら話していたが俺としては下手に揉めたくないので了承した。

 それと、冒険者登録のとき拒否られないように推薦してれようにお願いした。


「推薦なんかしなくてもあの森に数ヵ月過ごせてたら通ると思うけどな」


 眉根を寄せながらニーナが言っているが森で過ごしたという証拠がない。

 エイブリットは、隠密とニーナとの戦闘を見てもEランクはあると言ってくれた。


「本日のおすすめ『鳥の香草焼き』と『熊の手グツグツ煮込み』お持ちしました!」


 そうこうしていると今度は本当に若い給仕の人が運んできた。


「ランダム性があっていろいろ楽しめるからおすすめは止められないな!」

「こっちのもわけるから鳥もくれ!」


 紅い瞳を輝かせて鳥をねだっているが熊の方も美味しそうで、仕方ないよいう風にしながら給仕の人に取り皿を持ってきて貰うようにお願いしていた。

 一旦食事に集中した。

 ニコニコしながら食べるニーナと目を細て美味しそうにエイブリットが食べていた。


 二人はササっと食べ終え、今後の話をしていた。


「まずギルドで報告と待機、その後は各自備品の補充と装備の点検だな」

「待機?」

「忘れたのか?ダメだった時の推薦だ」


 諦めてるのか怒りもせず、呆れながら教えてあげていた。

 御飯はまだまだかかりそうだったので今一番気になっている事を聞くことにした。


「すみません。なぜ犬族の方が居られるのでしょうか?」

「それは――」


 邪魔が入る前に給仕の子に食後のお茶と菓子を頼みニーナの口を塞いでいた。

 亜人というのは獣や昆虫、爬虫類、魚など多岐にわたり、人と違う者達のことを示す言葉だ。

 魔物寄りの見た目をしているから人間からは疎まれていたり差別されている。俺のような猫人族や耳長族(エルフ)鉱人族(ドワーフ)など見た目が秀でていたり、有益な物を作れたりする種族はその限りではない。


 それでも嫌ってくる奴はいる。

 サラとか……。

 

 話がそれた、なぜ嫌われも者の亜人が街にいたのか、簡単な話、出稼ぎや里に飽きた者、里にいれなくなった者達だ。

 そしてここは身分証が不要。

 なので亜人にとって良い稼ぎ場になってるらしい。


 真っ当に働けば捕まる事なんて無いだろうからな。

 食事も終わり、ギルドの規則や要注意人物も聞いておくことも忘れない。


「規則っつっても受付嬢が言ってることま守っとけばいいし、注意する奴は冒険者全員だな」

「全員だがFランクの若い奴はそこまでじゃない」

「あいつらはどっちかってーと初々しい感じなんだよ!」


 懐かし~!というさまはおっさんみたいで見た目とのギャップが酷い。

 黙ってれば美人なんだけどな。


 必要なことは聞いたので後は登録だ。

 今更だがオークションの関係者がいる可能性も考えて帽子にしてい土を服に繋げフードにかえておく。


「エイブリットさんお帰りなさい」

「ただいま、報告とこの子の冒険者登録を頼みたい」


 ギルドは以外と清潔で冒険者の数も多かった。

 紙が貼られてる所には以外と少なく、昼間なのにビール片手に飲んだくれている者の方が断然多かった。

 ニーナもその一員なのかお昼を食べたというのにまた食べて飲んでいた。紅い瞳をキラキラさせ、ビール最高!!と片手を突き上げていた。

 周りも同調し片手を上げて最高!!と言って騒いでいる。


「ちょっと待っていてくれ」


 受付嬢に一言入れて、鬼のような形相でニーナのもとに向かって行った。


「じ、じゃあ報告もまだかかりそうだし登録だけしときましょうか」

「はい」


 騒いでいる方を見てあれにはなるまいと心から誓い返事をした。

 登録と言っても簡単で名前、年齢、性別を書くのと誓約書にサインするだけで終わる。その後は簡単だ実技だ。


「そこの扉をまっすぐ行ったら試験管がいるから頑張ってね!」

「頑張ります!」


 こんな見た目だからか、敬語とかではなくフレンドリーに話しかけてくれるのは地味にありがたい。

 相手が言葉遣いにキッチリしていたら俺も緊張してしまう。


「お!今回の受験者はチビッ子か」


 金髪をかき上げている男が癪にさわる言い方で聞いてきた。

 確かに高身長イケメンなのは認めるがチビッ子呼ばはりは癇にさわる。


「はい……よろしくお願いします」


 ムッとしながらも挨拶だけはしておく。


「じゃあかかってきな」


 地面に触れ短剣を作り出している最中に、試験官の左右と後ろ、そして自分の真下にも魔法を待機させておく。

 靄猫のときは詠唱無しでも使えたので、人間のときにも使えるように、コツコツ練習したおかげでいろいろ出来るようになっている。


「ん?魔法使いか?」


 開始の合図は無さそうだったので俺の先制攻撃が試合の開始となった。

 後ろ左右に待機させていた【石杭(ストーンパイル)】を発動させる。


「ッ!いいね、そうこなくっちゃなぁ!!」


 避けてから杭を蹴ったのを見た瞬間杭から爆発したような音ともに粉砕していた。


「おいおい、俺はここだぞ?」


 左から肩を叩かれてニヤニヤしながら話しかけてきた。


「そんな驚くなよ。ここじゃ俺みたいな奴ざらにいるんだぞ?」


 速すぎるな。

 俺、狩ってるのほとんど動物だから対人戦苦手なんだよ。

 それにこいつに勝てないと今日の飯はないしな……。

 あとニヤニヤすんなや。


「わかったわ!怖くなっちまったんだろ?それなら回れ右して帰んな」


 男は俯きながら考え事をしていたリナに話しかけていたが全て無視されている。

 相手を人間と思わず動物だと思い、狩りをする感覚で挑む。


「よし!」

「帰んなら反対だぜ」


 まっすぐ進む俺を怪訝な表情で見てきたが、油断しているのがまるわかりだ。

 身体強化をしておき突っ込むタイミングで仕込んでいた【陥没(ケーブン)】の魔法を発動させる。


「諦めないのかよッ!」


 突っ込んできたときには呆れた感じだが次に魔法をもろに受けてしまい一瞬だが体勢を崩してしまう。


「自分の真下にまで仕込んでたのか」


 身体強化で急接近し、足の腱を切る。

 流石に行動不能にされるのはまずいと思ったのか鞘から抜かずにガードした。一時的に距離を取るためと目眩ましで短剣に魔力を過剰に注ぎ爆発させた。


「ゲホゲホッ!爆破とかアホやろが!」


 少しの痺れが残るが今度は石で短剣と小さいナイフを2本作る。

 隠密で気配を消し、移動途中で声の方にナイフを投げ少しズレ、ナイフの後を追うように突っ込み斬りかかる。


「危なすぎんだろ」


 ナイフを弾いてから突っ込んだ俺を合気道のように投げられ、首もとに剣を突きつけられた。


「負けました」


 立ち上がった後一枚の紙を渡され、受付のねーちゃん達に見せろよ、とだけ言い戻っていってしまった。俺もその言葉に従い、紙を渡すと待つようにいわれた。

 だがそれよりもあの男の武器や技術の事で一杯だった。

 西洋風に似せてるが形は刀だった。


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