24 冬越し(2)
朝起きると思ったより痛かった。
「ベットが恋しい…」
肩を回すとコキコキ音が鳴り、ついでに全身も伸ばす。
猫のように伸ばすのが前世の癖だった。
高校の修学旅行の時同じ部屋の奴に見られ笑われた後、クラス中に拡散されたのは今でも忘れない。
まあ、俺もやり返しとしてガムテで両方の脛毛をむしり取ってやったけどな。
「村でもいいから見つけないとな」
身支度を整えつつ外の様子も確認していく思っていたよりも積もっていなかった。
「これなら狩りに行けそうだな」
今日は魔法練習せずに、狩りに出る。
冬越しのためもあるが最近ちょっとばかし物足りないと、感じ始めたからである。
それなら1日の半分を狩りに使い、残りを薪集めち燻製に使う。魔法練習は寝る時に魔力を使い切って気絶するように寝るようにする、これなら時間を効率的に使えると時は思っていた。
「ッ!?」
狩り開始30分で熊と遭遇した。
うわぁ……厄介な奴に遭遇したな。
隠密で気配を消したが臭いまでは消しきれない。
熊も何かいると疑ってるのか辺りを見回している。
下手したらこの距離でも気付かれてそうだしな。
一応、先制攻撃ができるから上手く仕留めれそうだけど……。
逃げるのと仕留めるで天秤が揺れてるが、このまま戻っても臭いで後をつけられたら熊の晩御飯にされてしまう。
そこまで行くと仕留める以外ない。
安全の為そして今日の晩御飯のために!!
気付かれないように剣とナイフそして砂を作る。
準備が整うと身体強化をしてからナイフを足に投擲すると命中した。
呻くような声を上げると突進してきた所を砂をまき散らして視界を奪い仕留めようとした。
「マジか!!」
ギリギリ避けれたがあと一歩遅ければ横にあった木のように薙ぎ倒されていた。
横目に映った光景に生唾を飲む音がやけに大きく聞こえた。
「屋敷の森にいた熊と速度違くない……」
屋敷の森にいた熊も狂暴で倒せず逃げていたがここまで早くも破壊力もなかった。
「これは逃げるが正解だったかも」
だが熊は一切目をそらさずこちらを睨み続けている。
後悔先に立たず、そんな言葉が頭の中に浮かぶが一向にいい考えが浮かばないでいた。
「……当たって砕けてみますかっ!!」
背中に手を隠してナイフをもう一度作り投擲を試みたがやはり一回受けた攻撃であったので簡単に避けられた。
だが熊もさっきを同じ突進してきた。
これなら!
すぐに砂を作り、今度はタイミングよくまき散らすことに成功し、熊の視界を奪えた。
後は速さを活かして攻撃していき何とか倒せた。
「はぁ…はぁ……やっと倒せた……」
こいつ本当に熊か?
異常な強さしてたぞ……。
疑問に思いつつも解体していくと首辺りに青い宝石の様な物が付いていた。
「なんだこれ?」
薄っすらと魔力を感じて持って帰ることにした。
「熊はさすがに量が多い……」
肉や皮、骨などを持って帰るのに身体強化を使っても時間がかかった。
その代わり肉を大量に手に入れたおかげで保存食にする分が増え冬越しの不安が少し解消された。
それでも狩りはやめずに続けた。
◇◇◇
お昼過ぎには鹿2頭、猪1頭、兎10匹を狩ることができた。
「いったんこれで良し!」
今ある分で燻製を作っていき予備の薪を集めていく。
その時に見かけた山菜も集めて行くが8対2割合で集まった。
「キノコもたまに見かけるけど毒物の可能性が高いからパスするしかないか」
キノコは生息地が違うと。種類も変わってくるから安易に食べない方がいいと屋敷の本で見た覚えがある。
「皮の乾燥させないといけないしいったん戻るか」
戻るとやる事をテキパキとやっていき魔法練習に入る。
春までの辛抱。




