21 一時的住居(1)
落ち葉や枯草などを集め、木の枝同士を死に物狂いで擦る。
「よし煙が出てきた!枯草枯草っと」
擦って火の粉が見えたら枯草の上に落とし、もう一個の枯草で蓋をしてから弱く息を吹きかける。
「おお!良い感じに火が付いた!」
河原に置き枝などで火を大きくしていく。
「これであったまれる」
移動はもうやめてここで一時的に暮らすのもありかもしれないな。
魔法の修行もしていかないと駄目だしな……。
そんな事は後にして、ここに留まるのなら雨風をしのげる寝床と食料の調達だよな。
鹿、猪……魚…………。
チラッと見ただけだったのにまた逃げられた。
身体強化して素手で捕まえるか?
強化された状態の体で捕まえるのなって簡単だろうけど、勢い余って握り潰さない可能性は無いんだよな……。
「一時的に木の実の採取、上手くいけば魚や肉を確保という事にしよう」
体が温まり髪が乾くまで【石斧】【石槍】の練習をしていた。
「乾いたけどここまで練習すると疲れる……」
刃はついてないけど練習あるのみだし何かに使えるかも……。
作れるなら靄猫に頼る必要もなかったのでわ……。
ふざけた俺も悪いが殴られ損だ~!!
手ごろな斧を持って落ち込みつつも探索を開始する。
「滝の裏には洞窟があるのはラノベで定番なんだけど。寝床探しのついでに本当にあるか見てみますか!」
滝幅は3~4m程で裏に回り込むための横道はなく、滝を正面から突っ込むしかない。
「よし、後回しで!」
魔法で横から通ることも可能だが魔力をこれ以上使うと倒れてしまう。
「薪集めついでに良いとこないか探すか」
滝がある壁に沿って進んで行き太めの枝も回収していく。
30分も歩くと疲れるし枝も持てなくなり引きかえす事にした。
「こんなに歩いて洞穴の一つもないとか……某クラフトゲームではいろんな所に洞窟あるけど異世界なのになんでない!!」
外に出ず屋敷内で過ごしていたらそういう幻想も抱いていたのもあり無駄なショックを受けていた。
確かにゲームやアニメなどは洞窟などよくあるが日本でも観光名所など以外で滅多に見ない。
「洞窟で寝泊まりする計画がおじゃんになりそうな予感が……」
いや、まだ滝の裏を見てないしそこに賭けるしかない!
「それが無理なら木の上か……」
木の上って、虫だったり変な虫の卵が付いてる事が多いからあんま上りたくない。まぁ、落ちる可能性もあるから嫌だ。
特に前者の方で!!
滝の方まで戻ってくると火は消えていた。
もう一度火をつけておき濡れて戻っても温めれるようにしておく。
「よし行くぞ!」
魔力の回復は遅いので道はまだ作れないので滝に突っ込む。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っだあ゛あ゛あ゛ああぁぁぁ!」
ギリ自分が通れるくらいの大きさの入り口の洞窟があった。
中には動物などおらず、蝙蝠すらいなかった。
「意外に綺麗だな。魔法で整えたら寝床になるか」
いったん外に出て焚火で温まることにする。




