20 長い長い道程(2)
焦りはなくはなかったが背中やおでこ、手足から汗が出ていた。
そこまで暑くはないが、森の中は湿気が多かった。服を着ていないぶんベタつきはそこまでだったが、気持ち悪いものは気持ち悪い。
「やっと、やっと着いた~!!」
森を抜けるとそこは、幅7~8mの川が流れ対岸には鹿2匹が水を飲んでいる。
おぉ~、動物が飲むくらいなら俺でも飲めるかな?
本当だったら濾過か蒸留水にしてから飲みたいがそんなこと絶対にできないしな。器具や火魔法もないからそんなことは出来ない。
俺の声に吃驚したのか姿を見た瞬間、脱兎の如く逃げ去った。
「まぁいっか。今日の晩飯は魚で良いや!」
マッチやライター何かもないし、原始的に木の皮と枝で擦って焚き火でも頑張りますか。後ついでに松毬も拾いたいけど……無いか…………。
「途中で少しずつ取っておけば良かったな」
取ってないし地道に頑張りますか。
でも、どうやって木の皮を剥ごおっか。石は……無理か。土魔法で剣を作るにも魔力が足りない。
猫の姿で取るのも不可能だし……。
……猫?
確か屋敷を出る前、休憩場所の木が勝手に枯れたし座っていた場所の草も枯れてた。それを俺が起こした現象だったら草を枯らせるのも皮を剥ぐのも簡単になるな。
「でもそう簡単に出来たら苦労しないよね」
いつものように猫の姿に戻る時は、黒い靄猫が現れてすり寄って来ていたが、今日はどんなに呼んでもプイッとそっぽを向いて一向に近寄ってこない。
「あれ?」
何でこんなに近寄って来ないんだ?
拗ねてる?いや怒ってる……気がする。
「こいつもこんな状態じゃ諦めるか」
じゃあどうすっかな~。
「靄猫は機嫌が直るまで放置でいっか。それなら身体でも洗おっと」
助走をつけて川に飛び込んだ。
この気温だと水温も気持ちいいを通り越して寒い。体を水面から出すと微風だけでも風邪を引きそう。
「これじゃあ寒すぎて出れないぞ……」
水面からでも魚が見える。
ジィー
ピチョン!
ジィーー…………
ビチャビチャ!
見ていただけだったのに一気に逃げていった。
「そんなに勢い良く逃げんでも」
寒いのも我慢して出ますか。
「うぅ、寒い……まずは草をむしって集めて、ついでに枝もっと」
濡れたままだったが汗の不快さと比べたらましだ。
靄猫ももう少ししたら機嫌を直してくれるはずだ。そのときは猫に戻って試してみよ。
3時間ほど草むしり、枝集め、食べれそうな木の実探しをしていたら急に靄猫が出てきた。
「何かを訴えるようにこちらを見ている。アイタッ!?」
爪はたてられなかったが思いっきりネコパンチをくらった。
靄猫を良く見ると視点が木の実にいっている。
そうゆうことか。
「ほれほれ~~」
「ニャ……ニャッ!!」
「イタイッ!!」
調子にのって木の実を目の前で掴ませないようにしていたら頬を叩かれた。




