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19 長い長い道程(1)

「そういえば……」


 魔導書に【土衣】【岩石衣】【鉱物衣】【宝石衣】の四つ魔法がある。その効果は魔力を使用して対象の土や岩、鉱物、宝石を纏、使用魔力量が違う。魔力の消費量で硬度が決まり、魔力操作で形状を変化できる。


「これなら服代わりになるかも!」


 早速試してみることにする。


「土よ纏え、想いし形に、想いし力に【土衣(ソールコスチューム)】!!」


 土が体を纏、服の形をなそうとしたところでボロボロに崩れていった。そして魔力が枯渇状態となり立っていられなくなり、倒れそのまま意識を失ってしまった。


「ッ!!」


 意識を取り戻すや否やあたりを確認する。

 空は暗く月が出ていることから夜になっていた。

 前は暗い中では猫になるしかならなかったが、なぜか猫のときと同様の明るさで前が見え、前よりも鮮明になり目が良くなっていた。


「まぁ、見えないより見えるほうがいいか」


 オークション会場でご飯を食べてから、今まで何も食べていなかったので、多少どころではなく体を動かすのが精一杯までお腹を空かせていた。通常よりやや遅い足取りで木の実を探すと、思っていたよりも早く見つける事が出来たが体力的にきつい。


「これってトウグミじゃないかな?」


 トウグミは渋味がほとんどなく甘みがあり、上面に銀白色の星模様があるのが特徴の木の実で、こっちに転生してきたときに数人の騎士達と共に山に入ったときに教えてもらったものだ。

 今はそんなことを考えるよりまずは食べることだ。


「アマ~~~~イ❤」


 性転換してから甘いものが凄く美味しく感じるようになっているが、男のときだったらこれ一個で十分と言っていただろう。今は何百個でもいけるようになってるがな!!

 大体、50個も食べたら酔ったような気持ち悪さに襲われた。


「ちょっと食べすぎたかも……」


 渋味が強い物も関係なくバクバク食べていたせいだが、普通は一人でそこまで食べないので、食べすぎというのもある。

 その場で少し唸った後、また服を作る練習しようと思ったが、他の食べ物を食べたい欲求に勝てず、また当てもなく森を歩き出した。


 嗅覚強化と聴覚強化が人型で使えるのが不思議だが基本は魔力を一部分に集中させているに過ぎない。猫のときは少し違い、常時発動してるので魔力などは一切関係ない。

 川の流れる音がうっすらと聞こえてくる。それに匂いも弱いので距離は結構離れているだろう。でも水があるなら水分補給も簡単に出来るし、上手くいけば食糧調達も出きる。そう考えると目指さないわけない。


「体泥だらけで気持ち悪いし早く行こ」


 気持ち悪い体を走らせ、そこに身体強化を使いスピードを上げて川に向かう。

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