13 薬草採取(2)
「よいしょっと!」
木を数十分かけてよじ登り、やっとついたが枝や葉っぱが邪魔で見えにくかった。
登った意味がない……。
「……降りるか」
気落ちしながら降りていると蛇が落ちてきた。
注意散漫していたこともあって蛇に気付かず落ちてしまった。
「イッターー!!」
魔力で肉体強化を施していなかったのと、変な体勢で落ちてしまった。
これは多分足の骨が折れたかもな……。
ガサッと音が後ろで聞こえ聞こえ振り向くと、この世界には似つかわしくない迷彩柄の服を着た男が二人いた。
「ッ!?」
「ちょうど落ちてきたな」
聴覚には自信があったのだがこの男たちは出てくるとき以外は全くの無音で気配すら気が付かなかった。
「こいつが例の猫人族には見えないがな」
「どんくさそうではありますが上玉ですよ」
待て、何でこいつが俺の耳のことを知ってるんだ……。
俺が耳をさらしたのは森と草原、スラムみたいな廃墟内、風呂そして資料室だ。
全部見られててもおかしくはないな……。
自分の迂闊さを呪うレベルの行動しかとっていない自分に出ない涙を心の中で流す。
「後七、八年したら俺好みになるかもしれないが、それを待つくらいなら売り払って大金に変えるほうが良いだろ?」
「確かに猫人族で幼女だったら幼女趣味の貴族にはレアものとして大金を出して買うでしょうね」
こっちにもロリコンっているもんなんだな。
「早速連れてくか」
「うっす!」
身体強化して脛辺りを殴るが相手も身体強化が出来るようで蹴り返される。
軽く蹴ってくれたおかげで肩が脱臼で済んだが本気で蹴られていたら恐ろしい。
「アイタッ!何で叩くんですか!!」
叩かれた音は痛そうだが、痛そうには聞こえない声で言う。
「お前の蹴りでこいつが傷物になったらどうすんだ」
「おっと軽くっ蹴ったつもりなんすけどね」
リーダーっぽい奴がドスの利いた声で言うが下っ端はヘラヘラとした態度で受け流し、近づいてくる。
「じゃあお前は寝てなよ」
その声とともに首に衝撃をくらい意識が落ちる。
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