夜
私の思う夜はこうでした。
それはきっと、温かく、広く、暗く。
私がこの手、伸ばしたら闇がその手と同化する。
私とそれは共にある。
私が足を踏み出すと闇が私に纏いつく。
私を守る薄鎧。
落ち込むといつも隣を歩いてる。
私がこの手、伸ばせどもそれは掴めず消えていく。
遠く彼方へどこまでも。
私が足を踏み出せどいつもいつでも越えられぬ。
手招き送る此方へと。
遠い場所届かぬ今も何時までも。
私がこの手、伸ばせどもそれは私を覆い込む。
私の姿は闇の中。
私が足を踏み出せどそれは私を包み込む。
私の姿は五里霧中。
探せども先が見えぬはその仕業。
それはきっと、冷たく、狭く、明るく。
私が何処で為したとてそれは私に目もくれぬ。
有象と無象幾万の。
私が何を為したとてそれは私をひた隠す。
同じ装飾誰にでも。
我が言葉あなたの心掻き立てぬ。
私が何処で為したとて心があるのは狭き箱。
同じ視界がまた今日も。
私が何を為したとて結局いつものこの景色。
ただ囚われる繰り返し。
忘却の闇に沈まぬこの心。
私が何処で為したとて咎めぬ誰も触れさえも。
私を慰む月明かり。
私が何を為したとて上がらぬ歓声一つさえ。
私を求める薄明かり。
ただ一人見上げる雫落ちぬよに。
あなたを思う午前二時。
過去の思い出振り返り、至らぬ自分に咽び泣く。
寅の初めに考える。
ほつれほどけた赤い糸、未練がましく捨てられぬ。
一刻の末に夜は明ける。
記憶のあなた越えられぬ、それでもいつか喜べるよに。
朝日浴びぼそり呟く涙声きっと恋とは夜に似ている。
こんばんは。
これからいくつか同じような詩を投稿していきます。(たぶん)
私の心の中を覗いてみてください。
読了に感謝し後書きとします。
以上。