表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ショートストーリー 闇の世界へようこそ

実験

作者: 梅桃さくら

梅桃さくらの闇の世界に、ようこそ。


ショートホラーの連作、第二回となります。


二回目にして、回数を数えるのが嫌になってきました・・・


「ねぇねぇ。また見てるの?」


アツコは笑いながら肩を叩く。


「えっ?なにを?」


ナミは怪訝そうにアツコを振り返る。


「何って、ショウジのことだよ。」


「ショウジ?」


アツコは呆れたようにため息をつく。


「ナミったら


無意識でもショウジを目で追っちゃうなんて、


重症だね。」


「は?」


「好きって顔に書いてあるよ。」


「ええっ!」


ナミは心底驚く。


ショウジは今年同じクラスになった男子で、


特に目立つタイプではないから、


ただのクラスメイトという認識しかなかった。


と、いままでは思っていた。


でも、


他の子に『また』見ている


と言われるくらい、


見てたなんて。


私、ショウジが好きなのかな?


ナミはショウジを振り返る。


友達と話しているショウジが


ナミの視線に気がつき、


顔を向けた。


途端、ナミの顔がカッと紅く染まった。


心臓がドキドキ鳴る。


あれ?あれ?


これってまさか?




「ちょろかったね。」


アツコが嫌な表情で笑う。


「ナミ、もうあんたにメロメロだよ。」


「ほ、本当に?」


ショウジがアツコを上目遣いで覗く。


「これでナミはあんたのもんだね。」


アツコの言葉がジワジワと胸に広がる。


やっと、やっとナミと付き合える。


今年同じクラスになった時、


一目で好きになった女の子、


ナミ。


アツコにナミが好きなら協力するよ、


と言われた時は驚いたけど、


アツコに頼んでよかった。


「ありがとう、アツコ。


これでナミと付き合えるよ。」


ショウジの言葉にアツコは眉をしかめる。


「はぁ?なに言ってるの?」


「えっ?」


アツコはショウジに、


優しい顔で近づく。


「これは実験だったでしょ?


何とも思っていない男の子を


他の人から好きなんじゃないかと言われたら


本当に好きになっちゃうかなって言う、


じっ・け・ん!」


「じ、じっけん?」


ショウジの額にどっと汗が噴き出る。


「そうよ~。


大体、ショウジが好きなのは、


ナミじゃなくてハルナじゃん!」


「ハルナ?」


ショウジは窓際で本を読んでいる


ハルナに目をやる。


その時、ハルナがふと本から顔を上げ、


視線を感じたのかショウジを見た。


ショウジの頬が紅くなった。



そんなショウジを横目でみて


アツコはつぶやく。



「ちょろい。」



他のサイトで掲載していた短編を、せっせと引っ越しています。


引っ越しが済んだら新作書きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ