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不確定な僕ら  作者: xjw
3/10

唯って…

 加奈と手をつないで街を歩く。

 楽しかった。

 加奈も笑顔だ。

 多分、まわりから見たら、僕らは付き合っているように見えるだろう。

 加奈がアクセサリーなんかを眺めて、キャッキャ言ってる。僕も、似合うとか言って、盛り上がっていた。


 ベンチ。

 手をつないで、二人で座っている。

 ふと、加奈が真顔になった。

「なんで私、こんなことしてんだろ…」

 慌てて加奈はつないでいた手を離した。

 すると急に、僕の幸福感も消えた。なんで、あの大っ嫌いな加奈と…。

「裕二!」

 女子の声がした。

 唯だ。

「仲よさそう」

「唯。僕もわけがわからないんだ。どうして大っ嫌いな加奈と…」

「そう」

 唯は平気な顔だ。

「加奈はどう?」

「…楽しかった。裕二といて」

 え?

「じゃあ、二人で仲良くね!」

 笑顔で唯が去っていった。

「唯…」

 唯がいなくなると、心の中の不思議な感情が戻ってきた。加奈への不思議な感情…。

「ねえ、裕二…」

「なに?」

「キスしよっか?」

 僕に迷いはなかった。

「うん」

 僕らは何度もキスをした。


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