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ブス=エンカウント!

「何よ、アンタ!」

 起き上がった女性の顔を見たお爺さんは即座に

「ごほぉう?! 何じゃこのブスは!」

 と驚きの声をあげました。

 それもそのはず、白粉を顔に塗りたくっているメイド服に身を包んだ中年の女がお爺さんの目の前に現れたのですから。ツンデレラ級の美少女しか女と認めないお爺さんにとって、彼女はブス以外の何物でもありません。

「ええい、貴様のような美少女を穢す存在は認めぬ! ここで即刻鍋焼きうどんの刑に処してくれるわ!」

「黙って聞いていればブスブスとうるさいね! アンタみたいに女を顔でしか判断しない男がいるから、晩婚化と少子化が進むんじゃないかいこのクソジジイ!」

「だまらっしゃい! 年を考えるのじゃこのブスめが! 何じゃ、メイド服じゃと? この勘違いの大たわけめが!」

「やかましいッ! 日本国憲法には自由が保障されているのよ! 何着て歩いても自由じゃないのこのエロジジイ!」

「ブスに自由はないッ!」

 お爺さんの台詞に中年女性はショックを受けます。それもそのはず、ここまで口の悪いジジイに初めて出会ったのでしょう。しかも初対面の人物にブスブスと罵られれば気落ちしたくもなります。

「しかも、貴様の場合は公衆わいせつ物陳列罪にあたるわ!」

 お爺さんがずびしと指を差しながら、うなだれる中年女性に指摘するとほぼ同時に

「いたぞ、ジジイの声だ! スタングレネード投擲準備!」

 という桃太郎の声が聞こえてきました。

 これはまずいと思ったのか、お爺さんはスタコラサッサと逃げ出します。準備もない今、桃太郎と戦っても勝ち目はありません。

 桃太郎はお爺さんのいなくなった場所でブスと呼ばれた中年女性を発見しました。

 彼女を見た瞬間、桃太郎の動きが止まります。

「……」

「何よアンタ」

「ぶ……」

「ぶ?」

「ブス発見! 即刻警察に通報します! こんなゴスロリ中年メイド服なんて犯罪以外の何物でもありません!」

 こうしてブス対処に桃太郎が手間取っている間にお爺さんは逃げおおせることができました。

こんばんは、星見です。

ブスブスとひどいことを書いています。そろそろ天罰が下ってもおかしくありません。


というわけで、ブスとお爺さんとの出会いです。実はこれ、半分程度は実体験に基づいています。いや別に面と向かってブスなんて私は言ったりしてませんよ?


ではまた次回お会いできることを祈りつつ……

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