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ブスのブスによるブスのための密会

 大江戸、江東区の一角にある廃ビルの地下室にて。

「世界の美少女、美女に正義の鉄槌を!」

 ケバい化粧をした一人の女が大勢の女たちの前に立ち、演説をし始めました。

「男どもはッ! 女を外見でしか見ていない! 私たちがモテないのは、美少女や美女がいるからだッ! 奴らは敵! ついでに女を外見でしか見ない男どもも敵! モテ女滅すべしッ!」

 大勢の女たちは最初は静かに聞いていましたが、やがて

「「「そうだ、そうだ! 美女は成敗すべし!」」」

 とケバい女に同調し始めます。

「よってここに、美少女と美女をブチのめす同盟『ブケファロス』を結成するッ!」

 その宣言が終わると同時に、大きな喝采があがりました。


 ちょうどそのころ。

 お爺さんは警官隊から逃げて、大江戸江東区商店街にたどり着いていました。もうすでに桃太郎にも連絡がいっており、すぐに桃太郎とその下僕たち、関東竜胆会による包囲網が敷かれることでしょう。

「おのれ、クソジジイ。どこに逃げた?」

 お爺さんのすぐ後ろから桃太郎の声が聞こえます。

 ここで見つかればツインテ娘エロエロ計画が水の泡です。アホなネーミングとか突っ込んではいけません。これがお爺さんの思考回路なのですから。

「桃太郎め、ワシがあまりにもイケメンで主役の座を脅かしかねぬとみてきおったな。ぐふふ、しかしそうは八百屋が下ろさぬ。ワシを待つ美少女がたくさんおるのじゃからの」

 八百屋ではなく問屋ですと突っ込む人間はいません。代わりに

「へへへ、変態です! ふんどし一丁のテロリスト級の変態がここに! もしもし、ICPOですか? はい、ゴル〇呼んでください!」

 と大騒ぎになりました。

「ぐへへ、ワシの人気ぶりにも困ったものじゃの」

 お爺さんは会話をまったく理解せず、ふんどし一丁で商店街を闊歩しています。桃太郎に追われていることはすっかり忘れていました。

「あ! お爺さん発見!」

 桃太郎は視界にお爺さんを捉えました。

「フォーメーションβ展開! サウンドサプレッサ装着!」

 桃太郎の台詞に物騒な単語が並びます。

「クラッシュ&キル!」

 桃太郎、お爺さんを殺す気です。いや、まああれだけのことがあればお爺さんを抹殺したくなってもおかしくはないのですが。

 桃太郎の指示の後すぐに、関東竜胆会の組員が颯爽と現れ、嵐のような銃撃が周囲を埋め尽くします。ええ、念のために言っておきますがここは日本の首都にある商店街です。世紀末ではありません。

 逃げ惑う一般の人々を無視して桃太郎は続けます。

「対地ミサイル装填ッ! ……え? ミサイルがまだ届かない? 仕方ないです。ホームズを爆弾代わりにしてください。逃げたらバナナで釣ればいいだけの話です。みたらし団子でも可です」

 桃太郎が指名手配される日も近いかもしれません。いつからこんなに極悪な子に育ってしまったのでしょうか。

「桃太郎や、このワシを仕留めるにはまだ青いようじゃの」

 華麗に銃弾の雨を躱して逃げていくお爺さん。

 商店街を抜けた先にある十字路でお爺さんはどすんと誰かにぶつかって尻もちをつきました。エロ本を見ながら走っていたせいです。

 相手が女性だと分かるや否やお爺さんはすっくと立ち上がり、地面にうつぶせに倒れている女性に

「おお、マドモアゼル。このキングオブナイト、サージジイがあなたを天上の楽園へ誘って差し上げようぞ」

 とかなり変わった口説き文句を口にしました。

 しかし、お爺さんはその台詞を口にしたことを後悔することになります。

こんばんは、星見です。

女性から金属バットで夜討ちをしかけられてもおかしくないタイトルです。いえ、悪意はないんですよ多分。


というわけで『ブケファロス』登場です。どうやって命名したか? イスカンダルの愛馬からではありません。企業秘密ということで。


ではまた次回お会いできることを祈りつつ……

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