ブスと学校と世紀末Ⅲ
三階から叫んだツンデレラは校庭へと駆け下りました。
お婆さんをはじめとして、ブスたちの動きが止まります。
「あれが……関東竜胆会の跡取りか」
「けっ、美少女じゃねーか」
「ブスにしてやる!」
ブスたちの怨嗟の声が聞こえてきます。
「ぐふふ、よくぞ来たなツンデレラ」
悪役そのもののセリフを吐いたお婆さんはツンデレラの前に仁王立ちをしました。
「さあ、ワシと一緒に来るのだツンデレラ。めくるめくブスの世界へ共に旅立とうではないか」
一歩一歩、お婆さんは這い寄ります。
それはまるで妖怪のように。
お婆さんがツンデレラの目前に迫ったとき
「ふん、相変わらず頭はゴリラ並みね」
と優雅に笑う声が聞こえました。
「ここにこんなエイリアンがいたら世界の迷惑になるわ。長倉、始末しなさい」
ツンデレラの合図で関東竜胆会の精鋭たちが校庭に乱入します。十人足らずの彼らは長倉を筆頭にサブマシンガンをお婆さんに向けて連射しました。もちろん、日本政府の許可は得ています。
当のお婆さんは軽々と手刀で弾丸を叩き落とし、ブスたちに指示を出しました。
「者ども! そこな男どもを捕獲し、ムッチュムッチュするのだ! 今なら特別価格ゼロ円!」
ブスたちはイケメンぞろいの若衆に色めき立ち、チェーンソーを振り回しながら接近します。迫り方が間違っているんだよと教えてくれる人間は誰もいません。
「うわあ、ブスだ!」
「逃げろ!」
「お嬢様をお連れするんだ!」
ブスから逃げつつも長倉はツンデレラを回収して学校の敷地から撤退することに成功しました。背中から聞こえる、お婆さんの
「ぐふふへへへ」
という不気味な笑い声をなるべく無視しながら走ります。
やがて、長倉と若衆は町の商店街へと出ました。さすがにここまでは追ってこないだろうと思っていた矢先にアクシデントが起こります。
商店街は一瞬にして炎に包まれました。
こんばんは、星見です。
なんだか暑さがぶりかえしてきました。ついでに新型パソコンにもなれません。
今月中にこの話は決着させるつもりです。
ではまた次回お会いできることを祈りつつ……




