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迫りくるブス包囲網

 桃太郎は無事に上層階に通じるエレベーターを発見し、それに乗り込みました。

 お供のダイゴロウ、ポアロも一緒です。

 人間爆弾ならぬサル爆弾に使えそうなので、食中毒を起こしているホームズも担いでいきます。

 桃太郎は一番高い階層、17階と書かれたボタンを押しました。

 これで所々に構えているブスたちを突破して、最上階まで行けるはずです。もし仮に最上階にツンデレラがいなくとも、一階から関東竜胆会と警官隊の支援を受けてブスたちを挟撃できます。

 桃太郎はそこまで考えて、最上階へと降り立とうとしていました。

 が

 エレベーターの扉が開いた瞬間

「ウェルカムトゥーザクレイジーブスタイム!」

「このブスだらけの世界へようこそ!」

「時代はブス!」

 ブスたちの大群がエレベーターの入口を取り囲んでいるではないですか。

 まるで悪夢です。

 いや、正真正銘掛け値なしの悪夢です。

 セーラー服にブレザー、ゴスロリと何を勘違いしたのか、とてつもなく似合っていない服装ばかりです。吐き気を催した桃太郎は刀を抜こうとするも、力が入らず抜刀できません。

「ぐふふ、調教して私たちの虜に……」

 絶対ならないと思いますが、ブスたちの毒牙がへたり込んだ桃太郎に迫ります。

 ダイゴロウとポアロはブスたちの毒気にあてられて行動不能に陥っています。

 ホームズはブスたちに何故かタコ殴りにされていました。

 そんな時です。

 床を突き破って、何者かが登場したのは。

「英雄ジジバトラス参上! ワシのツンデレラはどこじゃ?」

 お爺さんです。

 ふんどし一丁の怪生物。

 頭には女性の下着。

 変態の王の中の王。

 そこにはいつもと変わらぬお爺さんがいました。

「ぬう、ブスしかおらぬではないか。何じゃ、ワシに対してこのもてなし! 刎頸に値するぞ!」

 桃太郎は素早く頭を回転させます。

 ここでお爺さんを利用しない手はありません。

「お爺さん! ここのブスたちがツンデレラの美貌を羨んで監禁してるんだ! 僕と一緒に助けに行こうよ!」

「何? 貴様らブスがツンデレラに触れるだけでも死刑ものじゃ。良い、桃太郎よ。ここはワシが引き受けた。とっとと体制を立て直すのじゃ」

 こうして、桃太郎はお爺さんと連合してブス討伐とツンデレラ救出作戦を行うことになりました。

 もちろん桃太郎は事が済んだらお爺さんを始末する気満々なのですが。

こんにちは、星見です。

相変わらず最低なタイトルですね。世の中の女性を敵に回しているかのようなタイトルです。


それはさておき、そろそろ異説鬼退治Ⅴも終盤です。というか、そろそろ終わらせないと次のが出せません。


というわけで、また次回お会いできることを祈りつつ……

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