一羽
…めんどくさい。
「今日こそ、キミに勝って彼女を解放する。」
相変わらずウザイ、しかもチノは奴隷から解放されたら学校に通えないばかりか路頭に迷う。
この勇者様は取りあえず正しくはあるが如何せん世界を知らない。
まぁこの世界から出たことが無いから仕方ないと言えば仕方ない。
…だからやらないって。
勇者だけあって倒しても倒してもパワーアップして復活する。…殺さない限り…。
あと…何回負ければ気が済むのか?
あと何回おばさんに謝られれば良いのやら「余計なお世話です。私は今の立場で満足してます。」
チノは頭が良いので大体どうなるか分かっているし。
チノの家は貧しかったからチノを売るしかなかった
俺が買った当初貧しかったから髪はボサボサだし服はボロボロだし臭いしで大変だった可愛くなると確信しなきゃ買ってない。買ってすぐ風呂に入れ髪をとかして何とか見れるようにしたのだ。
まぁチノはいつ犯されるかと怯えてたけど今では棄てられたくないのか自分からすり寄って来るぐらいになったが
「校門で何をしている!他の生徒の迷惑だろう。」
ケンタウロスの人とオークの人がきていた「オハヨウ、レイジ。」
…おはようございます、先輩。
このオークは一つ上のケイロン先輩のパーティーメンバーで盾役の人で前に模擬戦を申し込まれて戦ったのでやたら好意的だ
しかもこの人やたら硬いオークは太っているように見えるが実際は筋肉質でバンプアップをすると筋肉が盛り上がっておなかの出っ張りが無くなる。
昔は服などにサイズを自動で合わせてくれる付加魔法なんて無かったのでバンプアップするたびに服を消耗するため腰簑一丁だったが清涼剤等が地球からもたらされ結果彼らはやたらと社会的になった。
とはいえ結構金が清涼剤で飛ぶらしい。
ちなみに先輩がよく清涼剤の買い込みのために良く溜め息を吐いているが…。
「いつものッスよ先輩。」いつもこの幼なじみは俺に喧嘩を売ってくる。
チノを買ってからずっと他の世界で買った奴隷は一応生活の保証をする限り黙認されているのに
…そう、いつものように勇者に絡まれてます。
「バッカスもレイジも行きなさい。陽菜君君は風紀委員まで来なさい。あれほど私闘は禁止と言ったろう」
「ボクには魔道に堕ちた幼なじみを救う義務が…」
「ワレワレニマカセテイケ」
「ありがとさんっした。」
…バッカスが失礼しました。ヴォルレント先輩
「キニシテイナイ」
そう言いながら勇者パーティーの攻撃をすべて防ぎ切っていた
本当に人間が出来てるなこのオーク。
さすがは鉄壁と言われるだけはある。オークを馬鹿にしている奴はみんな先輩と話して見ればいい。世界が変わるから。
「ヴォルレント先輩は相変わらず後輩に優しいですね。」
「そうだねー前ダンジョンでモンスターに囲まれたとき助けてくれたしー」
そんな事を話すチノ達と別れ校舎に入る
「や~先輩は人気だね~」
…妬ける?
まぁコイツもモテるんだが…。
ファンクラブが有るらしいし
ムカつくので言わないがコイツは不良みたいだがカッコは良いのだ…
「まぁ少しな…、ケイロン先輩もファンクラブ有るらしいしなー」
だからお前も有るって
そうこうしているうちに教室に着いた
1-3と書かれているドアをバッカスが開け…
「やあやあおはよう。レイジと野蛮人」
「誰が野蛮人だって腐れエルフ。」
また始まった。
この二人は喧嘩しないといられないのかねバッカスもエルウィンも俺のパーティーだがどういう訳か良く喧嘩する。
じゃれ合っているだけかもしれないが…。俺のパーティーは基本的に変わり者が多いバッカスは竜人なのに龍騎士に成れないしエルウィンは精霊と交信出来ない。
マリアベルはセレスティアなのに生まれつき真黒の羽。
ナイトは黒魔導師だし、シルヴィアは吸血鬼の癖に血を見ると気絶するしな…。
俺は剣聖だしぱっと見は普通なのだが一番おかしい。
一度転生しているからな…
「レイジか…また勇者に絡まれていたようだな…。」…おはようナイト今朝から大変だよ。
「何時になったらあの勇者はレイジに勝てないと理解するのか…自分が敗北すると予言された邪神を倒した英雄に…」
もちろん誤解がある…解かないけど…俺は倒した邪神を信望している連中にこの世界に喚ばれたのだ。
妊娠中の母を使って…。
ゆえにステータスがバグってる具体的に言うと桁が一つ二つ違うのだ。
HPなんて6ケタある。
STR等も5ケタだ。
負けない所か生半可な攻撃なんてダメージにすらならない。
幻想と現実が混ざったこの世界では剣をしっかり当てないとダメージにならない癖に木刀でさえ攻撃力があれば物を切れる。俺で言えば鉄パイプでビルが切れるのに剣を掠らせるぐらいではよい剣を使ってもビルが切れないのだ。まぁどんなに頑張ってもビルは普通切れないが…
一応クラスは剣聖だったりする、小さい頃俺を此方に呼び母さんを泣かせた奴らを皆殺しにしてやるために修行していたら手に入れていたクラスでこれは世界に一人しかなれないユニーククラスらしい。
どういう仕組みかは知らないが最も強い剣士が選ばれるみたいだ。
そのクラスが有ったおかげで邪神を倒しても英雄扱いで終わっている。
こっちの方が書きやすい。