眠りへの誘い
日本が平和になりますように、私は空に祈っている。
「ついでにトビが早く良くなりますように」
彼は私の膝の上で寝ている。
「なんとものんきな表情です。」
時々うなされてはいるものの、キノコの毒は大丈夫だったようだ。
木陰で休んでいる二人だが、できるだけみつかりにくい涼しい場所で休んでいた。
だけどトビとの会話がなくなると、森の中は驚くほど静かである。小鳥のさえずりが響き渡りどれだけ大きな
声で話していたか、想像できる。敵に見つからなかったのが不思議だ。
でも人との会話がなくなると急に怖くなる。
「は・はやくおきてよ・・・・・」
涙が少しにじんできた。
リパートはまだ子供である。悲観的になりやすいし、すぐ泣いてしまう。どうしてまだ年端もいかぬ弱い立場の子供である、しかしここでは言い訳にしかならない、この日本では、
リパードもそれが解っているかのように、目の水が乾くまで空を見上げていた。
リパードがどんなに泣こうが、喚こうが空は助けに来てくれない、ずっと祈っても何もしてくれない、
でもどうして空に神様がいるって昔の人たちは、考えたのだろうか、
リパードは見上げたついでに考えていた。
「昔かーなんか嫌な思い出しかないな。トビさんはどうだったのかなぁー」
昔の人から自分の昔も想像してしまったのだろう。
「昔の日本ってどうだったのかな、学校とかあったらしいけど想像できないなぁー」
「ふぁー・・・・・なんか眠くなってきた。私も少し寝よう。」
そう言って彼女も少しの眠りにつくのだった。
長くなりそうなので小分けにします