第10章 真夜中の白昼夢 (6)
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“あれ、ここは、ど――”
背中に突き刺さる久しぶり、そう感じてしまう殺気。雷祇の体は忘れる訳がなく、咄嗟にベッドの下に転げ落ちた。その次の瞬間、空を飛ぶのを忘れた筈の羽毛が飛び立つ。
「何するんですか、終演! って、あれ、僕は……」
「なんじゃ、寝惚けておるんか。そうじゃ、眠気覚ましにもう一発――」
「撃ったら殺しますよ」
最後のハートマークを付けた言葉に、銃を雷祇に向けていた終演はそっと銃口を下ろして磨き始めた。まったくと言いながら立ち上がり、見回す部屋の中。見た事があるような無いような、けれど分かる宿の一室と。
「あ、そうだ、皆を起こさないと。終演、他の――」
「皆? お前さん、本当に寝惚けておるのう。ワシ等以外に誰がおるんじゃ。まさか、妄想で彼女でも作ったんか?」
「いえ、そ、そんは、事は……」
終演の一つの言葉、妄想。それが今感じている、忘れそうになっている物が全て夢の中での出来事だったのだと、脳が体に言い聞かせ意識を支配していく。
“そうか、そう、だよな……。夢、だったんだ、どんなのか思い出せない、けど、全部、僕の夢だったんだ”
頬を両手で目一杯叩いて頭を振る。その姿を不思議そうに見つめる終演に何も言わず、いつものようにベッドの横に立掛けていた雷命を手に取り、雷祇は扉に向かって歩き出した。
「何処行くんじゃ?」
「どこって、決まってるじゃないですか。依頼を聞きに行くんですよ。終演は聞いてないでしょうから」
雷祇は扉を開けて依頼を聞きに部屋を出た。
「この子は、とても素晴らしい人生を送ってきたようですわ。触れただけで溢れてくる。あぁ、早く食べたい。けど、こんな美味しそうな子、取っとかない訳にはいきませんわ。美味しい物は、最後に食べるのが趣味なんですの」
額にキスをして雷祇を甲板に寝かせると、バナンを見詰めたままのシスターがもう一人のシスターを掴んだ。静華は片腕に抱かれたまま。
「やはり次は、聖職者を食らう事にしますわ。私達の、可愛い可愛い餌ですものね」
そのシスターを、また乳でもあげる母親のように抱いた。これで三人目。甲板には砂の塊が二つ。風に流される事無く、塊として残っている。
“にゃにやってやがる、糞幻獣め。……まあいい、天使の野郎が静華に手を出す前に決める。いや、雷祇に手を出すまで待つか? それは流石に危険か”
飛ばずに態々甲板に下りていたバナン。目的は一つ、板と板の繋ぎ目に這わして怪しいシスターに伸ばす、自分の体を沿わした鬣がバレないようにする為。それにまったく気付く様子が無いシスターは、バナンの動きだけに注目しながら、腕に眠るシスターをそっと胸に抱きしめ背中から翼を生やした。
「あぁ、この子は本当に神に見も心も捧げたのね、可愛そうに。神父という神に」
強く抱きしめられた途端に、ドンドンとシスターの体が枯れていく。水の干上がった川のようになっていくのを黙って手を出さず、バナンは静かに鬣を伸ばし続けた。
手前から探していたので、結局最後の部屋までカイヤックを見つけられずにいた。気持ちは既にやられたんじゃないかと変わっていたが、ヨウは諦めきれずに開いていない最後の扉を開いた。
「な、何だ、これ」
そこで見たのは、二つある内の手前のベッドの中心で、血の海とかしたシーツの中心で眠るカイヤック。腕にはペンが突き刺さっており、もしかしたらではなく凶器がそれなのだと知らせる。それは惨殺死体そのもの。絶望的な光景に、自分の命と、皆の命を助けられるであろう唯一の光がこんな形で見つかり力の抜けたヨウは、落胆の色を隠さず崩れ去るように座り込んだ。
「もう、やられてたのかよ……。やっぱり、オイラが、オイラが船長――」
「よ〜く寝たぁ! こんなに寝たの、久しぶりだなぁ〜!」
寝起きにも拘らず、一般人が分かる言葉を発しながら、血を噴出しながらカイヤックはベッドから降りて伸びをした。
「お、確か坊は、爺さんの助手だったかな」
憑き物が落ちたような似合わない爽やかな笑顔溢れるカイヤックが、死者が蘇る瞬間でも見て息が出来ない驚き方をしているヨウを見つけ、爽やかな笑顔を向けた。
「何だ? 何をそんなに驚いてるんだい?」
痛みの感覚が無いのか、自分の体の状態に気付かないカイヤック。ヨウは青ざめながらペンの刺さる腕を指差し、そこで始めて自分が血だらけになっていると知ると、「坊か?」と尋ねる。ヨウはすぐさま首を振り、どうにかこうにか「来た時から」と震える言葉を発した。
「……そうか。なら多分、雷祇だな。ヤンチャだなぁ〜」
そして、似合わない気持ち悪い喋り方と爽やかな笑い声を上げた。その声量の大きさに、動けなかったヨウが甲板に続く扉を見て、思い出したように慌てて立ち上がってカイヤックの口に飛び掛かる。
「し、静かに」
突然飛び掛られたくらいではビクともしないカイヤックは、「シー、シー」と子供をあやすように言うヨウに口を押さえられたままだったが、振り落とさないように小さく頷いた。それを見て、ゆっくりと口から手を離してヨウが滑り降りた。自分も落ち着けるためにヨウは、今さっき自分が見た事を喋り始める。その話を、綺麗なベッドのシーツを破いて簡易包帯を作り自分に巻きながら聞いていたカイヤックは、特に驚く事無く最後まで聞き終わり、イクリプスを担ぐとヨウの頭を撫でた、「頑張ったな」と。
「じゃあ、行ってみるか。坊は残ってるか?」
落ち着き払うカイヤック。その姿と一人で残るよりも付いていく方が良いとの判断で、ヨウは首を横に振り、一緒に行く事にした。
《次は、その小さい奴等にゃんてどうだ?》
三つ目の砂の塊を作り出し、次の食事を誰にしようか迷っているシスターに、バナンがシャーミとミーシャを前足で指す。今までただ見ていたバナンが、突然切り出した話に警戒をしない訳が無く、「何故です?」と聞き返されてしまう。
《食ってみれば分かる》
雷祇を最後から二番目に食べるのならば、早めに二人を食べさせたいと考えていたバナンだったが、自らも不味い事をしたと後悔したところで遅かった。シスターはバナンの言葉を怪しんで首を振る。自らの失敗も含んだ苛立ちが尻尾の揺れに表れる中、バナンの耳に飛び込む階段下の扉が開く音。
《別に、深い意味はにゃい。“さっさと食え!”ただ、年齢からすれば、一番若い二人を先に食べる方が、いいんじゃにゃいか?》
「先も言いましたが、私は美味しいそうな物や好物は最後に食べる主義ですので」
シスターの手が伸びるのは、ナダ船長の首。
「けど、例外的にこの方から食べるのも良いかもしれませんね」
「船長!」
思わず出てしまったヨウの声。だがそれが合図だったかのようにカイヤックが甲板に飛び出し、それを見たシスターが静華を見せようとバナンの方から視界を外した。その瞬間、図らずも警戒が薄れたシスターの静華とバナンの警戒。バナンは計画が崩れるよりも安全第一に、鬣を巻きつけ、抉じ開けるように腕を解いて静華を奪い返した。
“狙うは羽か”
イクリプスがカイヤックを見た瞬間に広がった翼に向かって振り下ろされる。シスターは静華を諦め、翼を小さく畳み回転して、イクリプスの軌道を避けれる場所を選んで横っ飛び。
「糞猫! 何やってやがる!」
ギリギリだった物の、掠る事無くシスターはイクリプスを避け、飛んだ勢いのまま黒い霧に覆われる空中に飛んで逃げた。
「何で捕まえてねぇんだ!」
《まずは静華の安全が何より先だ》
飛んで近づいてくるバナンとカイヤックの睨み合い。
「そうかよ。で、ありゃ何だ?」
険悪なムードが漂ってもおかしくない状況だったが、カイヤックが先に折れて流れを変える。この状況では然しもの二匹も、
《天使だ。それくらい知っていろ、無知にゃ糞人間が》
「あぁ? 知ってる訳ねぇだろ」
やはりいつもと変わりが無かった。
《これだから……。無知は嫌だにゃぁ〜》
「おいゴラ。てめぇ、何でそんな喧嘩腰なんだ。いや違った、にゃんだぁ〜?」
《その喋り方、止めろ》
「どんにゃ喋り方だ、にゃぁ?」
“これは……”
まったくの蚊帳の外に追いやられたシスター天使だったが、そこに生まれる二人の隙を見つける。気付かれないように、けれど素早く、高度を下げ二匹に飛んで向かう。手には白く輝く翼の矢が持たれ、翼自体も大砲のように細長くなっている。それに気付いていないのか、二匹の言い合いは熱を帯びる。
《貴っ様ぁ! 図に乗るにゃよ! 今すぐ打ち殺すぞ!》
「やれるもんなら、やってみろよ」
《いいぞ、やってやる。ただし――》
「嬢ちゃん、てめぇ倒してからだ」
突然二人の視線が飛んできていたシスター天使に向き、カイヤックがイクリプスを横薙ぎに繰り出す。目前まで迫っていたシスター天使は、考えてもいなかった攻撃に咄嗟に飛び上がり回避したが、イクリプスの軌道の後ろで待っていたバナンに、下に潜り込まれ鳩尾を蹴り上げられる。
「グゥ!」
《もう一発、ストレス解消!》
前回りで頭が下に来たような格好になったシスターの後頭部にさらに一撃を加え、態勢を整え待っていたカイヤックに向かって蹴り飛ばす。そのシスター天使の顔面をイクリプスが体重の乗った振りで捉え、飛んできていたよりも早いスピードでぶっ飛ばし、列車に轢かれたように力なく甲板を跳ねながら船の縁にぶつかり海に落ちていった。
「死んじゃいねぇよな。だが、動けねぇ――」
《にゃんで斬らにゃかった》
シスター天使を捉えたイクリプスは、剣身の刃ではなく剣身の側面。
「あぁ、まあ、なんだ。気にすんな、動いちゃいねぇよ」
明確に答える事無くイクリプスを肩に担ぐ、シスター天使を確かめるというよりもバナンから離れるように歩き出した。その背中にバナンが、《いい事を教えてやる》と足を止めさせる。
《天使や悪魔どもに取り入られた奴等は、もう既に死んでる。この現世では、にゃ。だからこそ動けにゃくするには、半分に裂くかコニャゴニャに潰す以外にゃい》
そしてそれを裏付けるように、耳だけを後ろに向けていたカイヤックの視界に浮かび上がってくる、びしょ濡れの鼻が潰れたシスター天使。そして、鼻の穴に指を突っ込んで形を整えながら船の縁に降り立った。
「その通りですわ」
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何やら面倒臭い事情に、カイヤックは息を吐き捨てながら頭を掻いて振り返る。
「で、死んでねぇじゃねぇか」
あまりの理解力の乏しさにバナンは呆れ、カイヤック以上に大きく息を吐いた。そんな仲が良いのか悪いのか、相性が良いのか悪いのか分からない二匹を見詰め、縁で微笑み内で蠢く想いを抱いてシスター天使は佇む。
“なぜ、平然と動いているのでしょう、この方。まさか、私の力が通用しないと……”
また始まった二匹の口喧嘩を観察していたシスター天使の視界の外れには、ヨウがナダ船長達の下に向かう姿が映る。まさか二人も動けている人間がいるとは考えていなかったシスター天使は、驚きと共に先程の声がこの少年ヨウだと納得しつつ、決して二匹から意識を切らずにヨウの動きをじっと観察する。
「大丈夫っすか、船長、船長!」
まず真っ先に船長の肩を思い切り揺すり起こそうとするが、一切目覚める様子が無い。仕方ないと他の人を起こそうとするが、こちらも効果が得られない。
「あ、ちょっと、いいっすか」
いつしか本気の罵り合いになっていたカイヤックとバナンに、ヨウが皆を起こそうと提案した。それにカイヤックは直ぐに賛同して体を掴んで起こす。まずは、
“雷祇からだな”
戦力にも、説明役にもなるであろう雷祇から。バナンはシスター天使を警戒しつつも、鬣に包んでいた静華を背中に乗せたまま起こす。そしてヨウは、恥ずかしくて触れられなかったシャーミの肩を掴んだ。
「あの、起きて――」
「オこしたいノ? ナラ、キスして」
そっと肩を掴んだだけなのに、シャーミが目を開けずに言う台詞。ヨウは何故直ぐに起きたのかという事の疑問も忘れ、身体の芯に入り込む言葉に唾を飲み込んだ。
「な、何を、言ってるん、っすか。そんな――」
「シたく、ナイ?」
開いてると分かるくらい薄く目を開け、ヨウと瞳が触れ合う。唇が怪しく蠢き光ると、吸い寄せられる虫のようにヨウの口がシャーミの唇に近づき触れ合う、
「何しやがる、雷祇」
寸前に上がったカイヤックの声に、慌てて振り返った。
「あなた、誰なんですか? というよりも、ここはどこなんです?」
少し離れて雷命を向ける雷祇と、包帯が斬られて血を流す肩から手を離し、立ち上がるカイヤック。
「何言ってる。ここは船で――」
「船の上というのは見れば分かります。けど、こんな景色は見た事がない。それに、終演も見当たらない。まあ終演だし、どこか勝手に行ったのかもしれないけど」
明らかに感じる違和感。まるで雷祇が自分の事を知らない、いや自分達の事もこの状況も、全てを知らなくなっているかのように見える態度。だがそれは、雷祇だけには止まらなかった。
「だ、誰、なんです、か?」
悲鳴と聞き間違える声を上げる静華。バナンもこの突然の事態が飲み込めずにいた。今正常に動けているのは、少なくとも三人。必死で静華を説得しようとしているバナン、イクリプスを甲板から拾い上げるカイヤック、シャーミに迫られるヨウ。
「どうなってやがる、糞猫」
飲み込めない事態にカイヤックが聞いたが、バナンは《知るか糞人間!》と大きな声を上げて答えを返した。ただ、その声で背中に乗る静華の体がさらに震え出し、このままでは不味いとバナンが慌てて甲板に下ろして、とても優しく穏やかな言葉で宥めに入った。誰一人として理解できている者が居なさそうに見える甲板の上で、最も緊張感が高まりそうな二人の間に始まる会話。
「チィ! おい、雷祇。お前――」
「気になったんですけど、どうして僕の名前を知ってるんですか?」
警戒対象を、一通り見回して翼の生えたシスターを見た筈なのに、雷祇はカイヤックに絞ったのか雷命を構える。
「おい、いい加減にしろよ。知ってるも何も――」
「無駄ですわ。その子は、今夢を見ています。心の軋まない、日常だった時の夢を」
イクリプスを構えずにいるカイヤックに、シスター天使が掛けた言葉。それに反応したのはカイヤックのみ。雷祇もカイヤックの視線を辿ってはみたようだが、視界の先に何も確認出来なかったらしく、「何なんですか?」と哀れみと警戒心が入り雑じった瞳でカイヤックを見た。
「何って、聞えなかったのか、今の言葉?」
「幻聴でも聞えるんですか?」
本当に聞えている素振りのない雷祇に、カイヤックが「あそこに居るのも分からねぇか?」とシスター天使を指差す。無駄な行動だと知るシスター天使は雷祇に向かって軽く微笑み、雷祇もそちらを見る。確実に瞳には映っているのに、雷祇は「何も」とカイヤックを睨みつける。
「おい糞、う゛ぅ〜」
バナンは怯えて座り込む静華に対応するので一杯一杯。
「はぁ゛〜。どうするかな」
やる気満々の雷祇を前に、イクリプスを担いだまま黒い塊の空を見上げる。
“なぜ、この人とあの子供は目覚めているのか。やはり、あの二人の力……”
視線の先では、起こされていないのに目覚めたミーシャと共にヨウに迫るシャーミの二人。他の人間はまだ目覚めていない。
「で、答えてもらえませんか、僕がどうしてここに居るのか」
「あ〜、星の守護本部に行くんだ」
「……何でです?」
「嬢ちゃんを連れて行くからな」
「……あんな子知らないんですが」
「お前ぇは好きだと思うんだが」
「……見た事もないのにどうして言えるんです?」
「三ヶ月くらい一緒に居りゃ分かんだろ」
「……だから、僕は終演と依頼を受けてたんですが?」
一向に進む気配のないやり取りに、元々口が上手くないカイヤックの苛立ちが頂点に達した。
「むぇんどくせぇえ! あのなぁ、俺と雷祇と嬢ちゃんは三ヶ月一緒に旅してんだ! 爺さんは一ヶ月ほど前に別れた! あの糞猫も二ヶ月近くかそれ以上一緒に居んだ! お前ぇが忘れたかも知れねぇが、そりゃ事実だ! 分かったか!」
自分の感情を抑えきれずに爆発させる目の前の大人に呆れつつ、雷祇は雷命を低く構えた。
「僕は基本的に、戦うのは好きじゃありません。けど、本当の事を言ってくれない以上、仕方ないです」
「何遍も同じ事言わせんなよ」
担いでいただけのイクリプスの柄に、指がしっかりと吸い付く。二人の間に立ち込める靄は、戦い始めの赤い靄。
「いきますよ」
呟いた言葉は空中に置き去りされ、雷祇の体が先にカイヤックの間合いに踏み込む。
“早ぇ!”
見た事もない速さに、イクリプスを肩から体の前に引き落とすだけになる。風巻き起こる動きの派手さと大きさにも冷静に、イクリプスの太陽の陽射しの一本に乗り、カイヤックの隙だらけの体に攻撃を加えよと、刃の裏を覗き込む雷祇。
「え?」
だが、そこにあったのは、顔を出すのが分かっていたかのように繰り出されていた巨大な拳。まともに食らえばただでは済まない事は一目瞭然。だが、完全に避け切るのは不可能なタイミング。
「目ぇ覚ませ!」
言葉の想いを乗せた拳が雷祇の顔面を捉えた。そう、捉えたのだが。
“あのタイミングで、後ろに飛びやがったのか?”
雷祇の体が吹き飛ばされ、三メートル程飛んだ場所で着地した。立ち上がるよりも先にカイヤックに顔を向ける顔には、傷一つない。
“この人、強い”
“こりゃ、俺の知ってる雷祇の戦い方じゃ、いや、戦い方は同じだ。一ヶ月やってきたから分かる。違うとすれば、反応、速度、身体能力”
雷祇はカイヤックの動きに注意を払いながらも、ゆっくりと立ち上がり雷命を構えた。