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テスタメント  作者: 竜丸
11/82

第2章 涙を流す森 (6)

     12



 “一体何が、起こったんだ……”

 森に響いた音とほぼ同時に聞こえてきたのは、何かの鳴く声。その声を聞いた途端に、大きな影が僕の前から消えた。何が起こったのか見ようとしても、体中が痛くて崖の窪みから体を動かす事が出来そうもない。



 “あ、危なかった……。こんな事を隠してるとは、正直思わなかった”

 深く切れ、血が溢れ出している左の頬を親指で1度撫ぜながら、尻餅の状態から立ち上がった。

「チィ!! て、てめぇら!!!」

 カイヤックが睨み付けた先にいたのは、カイヤックと共に屋敷に行ったあの3人組み。ブートに、サイ、ジヨ。そしてその3人の手には、銃が握られている。サイは元々拳銃を武器として使っているため両手に、後の2人は片手に一丁ずつ。

 “こんな剣、確かに人間が作れる代物じゃない。真ん中が空洞になってる剣に、その空洞に物の見事に嵌る剣。マジで人外の者が作ったのかもな。それに、アンタにしたら上出来だ、こんな事を隠し通してたんだからな”

 腕をクロスし、片膝を付いている状態のカイヤックを見ながらウェルスは歩き出す。そのウェルスに気づいて、カイヤックも立ち上がろうとしたが、ここでまた一発の銃声が聞こえ、それに反応して飛んできた弾丸をカイヤックは斬り捨てた。

「てめぇら、どういうつもりだ!! ウェルスにそそのかされたか!!」





 先程の銃声は4発。2発はカイヤックの右の肘と膝を貫通し、1発はウェルスを斬り裂こうとしていた剣に当たった。その弾が剣の軌道をずらし、ウェルスも右に避けた事で、ウェルスの左の頬が深く切れていたのだ。そして、もう1発は……





 カイヤックの言葉を聞いて3人が声を揃えて笑い、その中の1人、サイが目を剥きながらカイヤックに向かって言葉を発した。いつものように機嫌を伺うような態度ではなく、膝をついているカイヤックを見下すような態度で。

「違うって。俺達はウェルスのやる事になんて興味ない。まあ、今回の仕事は報酬が凄いらしいが、そんな事よりも俺達がしたかったのは、今目の前にひざなずいてるあんたを殺す事だ。正直、最初はそんなにやる気がなかったんだ、なぁ?」

 「あぁ」とジヨが続ける。

「オイラ達はアンタが怖かったからさぁ、最初は断ったんだけど話を聞くうちに、こりゃイケるって思って受けたんだわ」

「そうそう、アンタの性格上、この作戦なら必ず成功するって事で受けたんだ」

 ブートも同じ様に続けた。

「けど、自分達の手で殺せる予定じゃなかっただけに、自分達の手で跪かせ、これから殺せると思うと、快感が全身を走るな、サイ、ジヨ」

 それに2人は頷いて答えた。

「調子乗ってんじゃねぇぞ!! てめぇらごときが!!」

 立ち上がろうとしたカイヤックに、3人が一斉に引き金を引いた。その弾全てを斬り払うと、すぐさま3人が同時に引き金を引く。

「流っ石、見えてちゃ当たりゃしない」

「けど、いつまで持つのかな?」

「まあ、鬼じゃねぇんだし、いつかは当たるさ。あ! でも確か、雪が降り続くどっかの地方の村々を潰し、村人全員を殺して回った惨殺鬼の名前も、カイヤックだったような……」

「いや、それはないだろ。だって、俺達の前じゃ虫1匹殺しはしなかったんだぜ」

「まあ、どっちにしろ今日で終わりだ。けど、殺す時はウェルスも入れなきゃな。俺達とは違う怨みがあるようだったし」

 3人が余裕な表情で引き金を引き続ける。その弾を斬り払いながらも、ウェルスがどこに行こうとしているのかが、カイヤックは気になっていた。そのウェルスは、3人に足止めされているカイヤックの背中を見ながら、どこかに向かって歩き出していた。



 “あそこに倒れてるのって、小さい方なのか?”

 大きい方が、地面に倒れている小さい方の右の顔を舐めているのが見えた。体は相変わらず全身が痛んで、動かす事が出来ない。その2匹の姿も、少し確認しただけで、また窪みに凭れ掛かったその時。僕の横から、小さな声が聞こえてきたのは。

「雷祇、さん。だ、大丈夫、ですか……」

 窪みから声のした方を見ると、崖に沿って、這いながらゆっくりと僕の方に向かって来ている静華さんの姿が見えた。

「駄目ですよ静華さん、隠れていないと」

 無理やり明るい、平気だという声を出したが、すぐに嘘だとバレたらしく、静華さんの綺麗な顔が不安で歪む。

「私は、平気です。それよりも、雷祇さんの方が―」

「僕は大丈夫ですよ。結構頑丈に出来てるんです、僕の体」

 それでもゆっくりと僕の方に這ってくるので、僕は無理やり体を動かして静華さんを迎えに行く。この時、痛みで声を出さないようにしながら。そして、這っている静華さんの腕を取って立たしてあげると、目が真っ赤になっていた。多分、音だけの世界で、さっきの出来事が相当怖かったんだと思う。僕はそんな静華さんの手を取って、2匹の魔獣を確認しつつ少し離れた木の後ろに歩いて、思ってた場所に着くと静華さんの手を持ったまま崩れるように座り込んでしまった。それに驚いた静華さんだったが、「大丈夫です」という僕の声に、静華さんも僕の後ろに座った。静華さんに向けた顔を2匹の魔獣に戻すと、大きい方が少し離れた後、小さい方が起き上がったのでどうやら大丈夫なようだ。

「いいね、家族愛」

 その2匹に声を掛けたのは、ウェルスという男だった。そしてその男は座っている。小さな何かの頭の上に。

「少し椅子には低いと思ったら、これ、お前達の兄弟の頭か。いや、すまんすまん」

 そう言いながら立ち上がると、思い切りその頭を蹴り飛ばした。その行動を見て、大きい方が怒りで吠えた。

     グゥオォーーーン!!!



 少し後ろが気になって振り返ろうにも、3人の攻撃が止まないので、中々そうする事が出来ない。が、ウェルスが何か言いながら走り、そのウェルスの後を追う魔獣の姿も見えた。そして、理由は分からないが、ウェルスがしようとしている事が向かっている場所で分かり、大きな声を上げる。

「ま、止まれデケェの! そっちは―」

 頬を弾丸が掠め、慌てて前に向き直る。まだ未だに、片膝を付いている状態からは体勢を変えれずにいるカイヤック。

「よそ見するなよな」

「そうそう、こっち集中で」



 “怒らせて、逃げ切れるわけないと思うけど”

 僕の目には、ウェルスという男は無謀な様にしか見えなかった。だって、魔獣よりも速く走れる人間なんてそうはいないから。けど、ウェルスという男は一箇所を目指しながら走っている様だった。



「そうだ! こっちに来い!! お前の両親を殺したのも、あの頭の持ち主を殺したのも、全部俺が仕組んだのさ!」

 ウェルスが走りながらそう言うと、大きな魔獣はさらに速さを増して追いかける。

 “来い! 来い!! 来い!!!”

 全力で走りながらも、ウェルスはナチュラル・プリズンに向かって走っていた。そんな事を知るはずもない大きな魔獣は、ウェルスを噛み殺す事しか頭になく、ウェルスの事しか見ていない。ウェルスもウェルスで、後ろを見ている余裕などなく、必死で前だけを見て走っている。ナチュラル・プリズンに少し踏み入った時には、すぐ背中に大きな魔獣の息を感じたが、それでも前だけを見て走り、何とかナチュラル・プリズンの終わりの付近にまで来た時、頭の付近に影を感じたので、その影を避けるように滑り込んだ。そのウェルスの体ギリギリの部分を、大きな爪が地面を削った。それを確認してすぐにウェルスは立ち上がった。その目に映ったのは、ナチュラル・プリズンに絡め取られながらも、自分を噛み殺そうとして暴れまわっている魔獣の姿。その姿を見ながら体に付いた汚れを払い、魔獣の爪や牙が届かない様にナチュラル・プリズンの中に入った。そして、暴れる大きな魔獣の体の中心辺りに来た時、ウェルスは大きな魔獣の横腹に触れながら話し出した。

「お前たちの体って便利なんだよな。日には焼かれるのに、火には焼かれない。大人になってからだけ日には焼かれるんだよな。まあ、お前ぐらいの大きさは、日にも焼かれないんだろうが。心配しなくてもいい、この木は1日掛けて血を啜るから、お前が死ぬ事はない。それに、この木を焼いて助けてやるからな。まあただ、お前にはもうちょっと暴走してもらわなきゃいけないから、お前の弟か妹か分からん兄弟を今から殺す。ただ殺すだけじゃ面白くもないから、俺が解体しながら殺して見せてやるよ」



     13



 魔獣は言葉を理解する。そして、その事で感情という愚かな物を持ち合わせるようになってしまった生物。先程のウェルスの言葉を理解した大きな魔獣は、ナチュラル・プリズンを抜け出そうと必死に幹を噛み、伸びてくる触手を噛み、根自体から引き抜こうと前後に体を揺らすが、フォレスト・ディスペアの力を持ってしても、自然の牢獄から抜け出すことが出来ない。そのもがく姿を見ながら、ウェルスはナチュラル・プリズンを抜ける時、残念そうに大きな魔獣に声を掛けた。

「無駄、無駄。お前でも無理だ。だから大人しく見てろ。お前の弟か妹が、解体されていく姿をな」



 “一体、何をするつもりだ?”

 おかしな竹薮に捕まった大きい方の横をゆっくりと歩き、おかしな竹薮から出てると小さい方を見下しながら、ウェルスと呼ばれた男が2本の剣を鞘から抜いた。そのウェルスに、小さい方は全身の毛を立てて懸命に威嚇している。

 “まさか、あの小さい方を殺すつもり?”

 その発想が頭に浮かんで急いで立ち上がろうとしたが、僕の考えを体が拒否する。

「何するつもりだ」

 僕のその声に、少し視線をこちらに向けてまたすぐに小さな方に視線を戻したウェルスと呼ばれた男。

「決まっているだろ。今からこいつを殺すのさ」

 小さい方は、言葉が理解できているのか分からなかったが、それでも威嚇し続けている。

「止めろよ! 何でそんな事―」

 驚いた顔を僕の方に向けた後、突然大きな声で笑い出した。

「お前、そんなにされたのに庇うのか、こいつらを。随分不思議な奴だ。そんなお前に、特別に何故殺すか教えてやろう。あのデカイ奴は、町を襲ってる時に殺すんだ。何故だか分かるか? 答えは簡単だ。町を襲ってる時にデカイのを殺せば、俺達は町の英雄になる。すると、俺達の生活は一生安泰だ。これにも理由があって―」

 僕に体を向けてまで喋りだしていたウェルスと呼ばれた男には、隙しかなかったように僕も見えた。そして、それは小さい方も思ったらしく、気配を消しながら後ろに回りこんで、背中に向かって飛び掛った。

「俺が気づかんとでも思ったか?」

 その言葉は、どう考えても僕に向かっての言葉だった。もしかしたら僕の顔に表れていたのかもしれない、小さい方の動きが。飛び掛ってきていた小さい方を軽くかわし、小さい方の右側に回りこむと前足を払ってバランスを崩させ、肘を血が流れている右の目に打ちつけた。それで小さな呻き声を上げた小さい方の顔を蹴って、よろめく足取りの小さい方の顔を、高く上げた足を思いっきり落として、地面に小さい方を崩した。地面に横になった小さな顔を踏みつけながら、僕に向かって話を続けてきた。

「すまないな、少し邪魔が入った。それでだ、確か、俺の生活が安泰する理由だったな。それは、大地主を脅す事が1つ。この依頼をしたのは奴だからな、十分脅せるさ。それに、奴が町長になったら、町も儲かるから十分な金を巻き上げれる。次に、町からの感謝の気持ちの金だ。もちろん、その金を払わない奴は殺すさ。そんな事当たり前だろ、俺達が命を助けてやったんだからな。命を助けてやって、一生稼げるようにしてやったんだ。だから、助けてもらった奴は一生金は貰わなきゃな。最後に、この森の珍しい動植物を売れば、それは莫大な金になる。この森は、戦争以前から変わってない数少ない森だからな。その全てを俺達がいただく。どうだ、この3つがあれば、一生どころじゃない金が入るんだ。分かったか?」



 こう喋り終わると、小さな魔獣の頭から足を退け、少し距離を置いて小さな魔獣を招く様に指を動かした。

「来いよ、チビちゃん。お前の大事な親を殺したのは、この俺だぜ」

 この言葉に反応したのか、怒ったように吠えると、ウェルスに向かって小さい魔獣が走り出し、ある程度の距離まで近づくと、首目掛けて飛び掛った。が、ウェルスはその攻撃をあっさりと右側にかわすと、小さな魔獣の横を駆け抜けながら、フランベルジェで綺麗に両耳を切り裂き、小さな魔獣の横で止まるとその小さな魔獣に跨り、露になった両耳の穴に2本の剣を突き立て中を抉るように掻き回し、小さな魔獣の聴覚を絶った。

     クゥワーーン

 大きな苦痛の鳴き声を上げると、その声を聞いた大きな魔獣の動きが激しく変わった。そんな大きな魔獣を気にする事無く、小さな魔獣の後ろに飛び降りると、自分を捜す小さな魔獣の姿を見ながら、逃げないようにジャマダハルで腰の辺りを突き刺し、尻尾にフランベルジェを押し当てると、肉を切るように動かして尻尾を切り落とした。

「あぁ、これで聴覚を失って、舵も効かなくなったな」

 そう言いながら距離をとるウェルスだったが、思わぬところに先程蹴った頭があり後ろにつまづいた。小さな魔獣は振り返ると、バランスを崩して後ろに扱け出しているウェルスの姿を目にした。それを見た途端に方向転換をしながら走り出していた、演技だとは知らずに。

「いい加減成長しなきゃな」

 そう言うと、左手を体の後ろに付き、右足を後ろに下げてすぐに体制を整え素早く前屈みになり、飛び掛ってきている小さな魔獣の前足目掛けて立ち上がり様に斬りつけた。距離的にどう考えても自分の攻撃が当たらないと考え、小さな魔獣は前足を縮めたが、左の前足は指の部分を、右の前足は地面に着く部分を全て切り落とされ、両耳に続いて無くした前足の痛みに、思わず弱々しい鳴き声を上げた。その姿を心の中で、“まるで犬だな”と思いながら、小さな魔獣から少し距離を置いた。



「やめろよ……」

 “雷祇、さん?”

 雷祇が何かを呟いたように聞こえた静華は、何を言っているのか聞こうと雷祇に近づこうとした。

 “駄目よ静華! それ以上近づいたら”

 その時静華の頭の中に、突然ギムンの声が響く。

 “どうして、ですか……”

 そう聞いたものの、静華は感じ取っていた、雷祇の変化を。

 “あなたも気づいているはずよ。彼は、あなたとは似て非なる力を持っている事を。その力を、彼は扱いきれないわ”



「どうした、もう終わりか?」

 小さい方が苦しそうに呻く姿に口元に手を当てながら、笑いを堪えながらウェルスはそう話しかけた。

     グウォォォーーー!!!

 それを見て、大きい方がウェルスを威嚇するように吠えた。が、態と体を震わして、大きな魔獣を見ながら「おぉ、怖いねぇ〜」と言った。この時も、小さな魔獣に背を向けており、隙を見せたと思った小さな魔獣がバランスを崩しながらも飛び掛ろうとした。

「だから、お前に見せる隙は、態と作ってるんだよ!」

 後ろを確認しながら、フランベルジェの柄を回し刃を後ろに向けて、小さな魔獣の左目目掛けて突き刺した。少し付いていた勢いで眼球深くに突き刺さったフランベルジェを、ウェルスは容赦なく捻りながら押し込む。そこには魔獣としての誇りなどまだ持ち合わせていなかった魔獣が、悲鳴を上げながらただただ惨たらしく殺されていく姿があった。ある程度フランベルジェを押し込んだら、今度は一気にを引き抜く。元は目があった場所から溢れ出した血で分かる、小さな魔獣は視覚も失ったのだと。顔はすでに血で染まり、前足や腰、尻尾の場所から流れる血も止まる様子はない。それでも尚倒れない小さな魔獣は、相手を確認する事が出来る知覚で唯一残った嗅覚を頼りに、ウェルスの場所を探している。そんな事をしている小さな魔獣に分かるように左手を鼻の前に突き出した。その臭いを嗅ぎ取って、小さな魔獣は噛み付いたが、ジャマダハルを口につっかえ棒の押し込んだ。その事に気づくはずがなく、小さな魔獣は思い切り口を閉めた。フランベルジェを地面に突き立てジャマダハルから手を離すと、その閉めた口に上から全体重を掛けるウェルス。苦痛に暴れながらも、前足のバランスを欠く小さな魔獣は地面に押し倒され、上顎にジャマダハルが深く、深く突き刺さっていく。身を裂く音の次には、骨を砕く音、そして、その2つが聞こえなくなった時、上顎と共に鼻を切り取られた。その上顎を切り取ったジャマダハルと、地面に突き立てたフランベルジェを手に取って歩き出したウェルスの後ろで、この世を知る術を全て失った小さな魔獣は息絶える事無くまた立ち上がる。この事に気づいて後ろを振り返ったウェルスは、流石に少し驚いたようで思わず身構えたが、小さな魔獣はウェルスに向かうのではなく、フラフラと、強い風が吹けば今にも倒れそうになりながら、ナチュラル・プリズンで暴れていた大きな魔獣に近づき、小さな魔獣よりも大きな後ろ足に触れると止まり、まるで安心したように地面に倒れるとそのまま息絶えた。その小さな魔獣の最後の行動を、暴れる事無く見つめていた大きな魔獣は人の様に泣いた。目から涙を零し、森中に響き渡るような声を立てて、ただただ鳴いた。

「いいねぇ〜、家族愛ってやつは。クク」

 肩を震わし笑い出そうとしたウェルスに、膝を付き銃弾を切り払いながらカイヤックの怒号が飛ぶ。

「てめぇ! てめぇは何処まで腐ってやがる!!」

 その言葉に、1つバカにするような笑いを入れて笑顔を作って答えた。

「フッ、何処までも」

 その言葉を言った後に、カイヤックに向かって歩き出すウェルス。

「さぁ、どう殺されたい? 魔獣はまだ怒りが沸くには時間が掛かるようだから、まずアンタから―」

「貴様!!! なぜ、なぜあんな殺し方をしたんだ!!!」

 ウェルスが声のした方を見ると、そこには雷祇が立ち上がりこちらを睨みつけている姿があった。

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