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COSMOS WAR  作者: イチバ
シーズン2 チェックメイト・カンパニー
9/20

シーズン2 第1話 チェスピース

コスモス歴1920年末期…



「発進!」


空母のカタパルトからチェスピースの戦闘機、TF-51B コメットが発進。ヴィーナス含め16機全てが戦場へ向かった。

セブンスターズD型が次々と接近。先遣隊の連邦の戦闘機部隊は壊滅したようだ。


<まだ連邦の新型機は数が足りない。今のうちにスコアを伸ばすぞ!>


ルーク飛行分隊のコメット2機がヘッドオンアタックを仕掛け、14機のセブンスターズを撃破していく。

その間を駆け抜けていくナイト飛行分隊。奥から来るセブンスターズF型からミサイルが放たれ、ロックオンをされた。今まで高価だったためにヴィーナスといった特殊な機体にしか搭載されていなかった熱源探知型誘導空対空ミサイル。帝国はその量産化に成功していた。コストが安い分、性能も劣るが、この時代ではそれも脅威だ。

ミサイルが接近。ナイト飛行分隊の1機はセブンスターズの隊列に突っ込んでいく。そのまま1機のセブンスターズに追尾していたミサイルをなすりつけ爆散させた。そのままスロットルを0にしフラップを展開。セブンスターズの隊列に機首を向けて等速直線運動のような動きを披露し、機関砲を放つと隊列を組んでいた7機を全て掃討した。

俺も参戦し確実に命中させ撃墜していく。


「一般パイロットで…あんな戦闘テクニックを…」

<どうだヴィーナスのパイロット。俺らの技術は?>

「凄いなんてもんじゃないですよ…」

<そりゃそうだ。ほとんどが十年戦争の宇宙で活躍してきたメンバーだ。そこら辺のパイロットとは違う>


セブンスターズは次々と撤退していった。


<よし。全機に告ぐ。任務通り惑星へ向かうぞ>



一方、地上の惑星では地獄が作られていた。


「走れ!」


砲弾が近くに命中。クレーターがさらに広がる。

森林は枯れて、人と薬莢は山積みになっていた。


「棺桶だ!」

「逃すな!」


RRPW-6が機関砲を放ちつつ帝国兵士を中に入れ出発する。


「急げ!中に入れ!」

「馬鹿者!負傷者は置いていけ!」


地上は地獄が広がっていた。それは宇宙からも分かるほどであった。


滑走路にチェスピースの機体達が着陸する。


「急いでくれ!」


整備員が給油し爆弾を搭載していく。


<第9航空戦闘機中隊の諸君。よく来てくれた。命令は伝えられていると思うが、変更点をこれから伝える>

「変更点?」

<帝国は本来の作戦を中断し退却を開始中だ。帝国軍前哨基地の爆撃後、撤退中の部隊を叩き潰していただきたい。帝国の新型の輸送機も確認した。撃墜すればデータが手に入る。絶対に逃がさないでくれ>

「こちら1-1了解。チェスピースにお任せあれ」


準備完了後、次々と飛び立っていく。


<ヴィーナスのパイロット。聞こえるな?>

「はい」

<情報によれば敵にエースがいる。お前にエースは任せるぞ>

「了解です隊長」


地獄の真上を低空飛行で通過し、前哨基地に爆弾を投下。対空砲と共に吹き飛んだ。地上にいた友軍は歓声をあげる。


<敵機接近!雲を切り抜けてきやがった!>


接近してくるのはセブンスターズF2型。


<いつバレたかは知らんが交戦する!だがヒジョップ飛行小隊は敵の逃げ場を探してくれ!>

<了解>

<了解>


セブンスターズF2型の先端にはアンテナのようなものが搭載されている。レーダーだ。間違いない。


「隊長!こいつらレーダーが付いてます!隠れても無駄です!」

<なら応戦するまでだ!>


ゼブんスターズから放たれる機関砲の弾はいつもより発射レートが早い気がした。どうやら全体的に強化されたらしい。

しかし、そんなものチェスピースには関係なかった。いつもの変態的な操縦で背後を容易く取り撃ち墜とす。


<赤いマーク!エースだ>


接近してきたのは帝国のエース、レッドジェントルマンだ。


「見つけたぞ!ヴィーナスとやら!」



ルールツ帝国

再編成帝国参謀本部

同 会議室


第二次天の川・アンドロメダ戦線で敗戦した帝国は皇帝による命令で参謀本部関係者の司令官の再編成が行われた。天の川・アンドロメダ戦線とマゼラン雲戦線担当の司令官は、ほとんどが左遷され新たな人物へと変わっている。

これにより、数名の司令官が報復として皇帝の暗殺を計画したが、密告により親衛隊に射殺され計画は行われなかった。故に、皇帝は今でもご存命である。


「アウグスト君。天の川戦線の戦況を報告せよ」


アウグスト・フォン・ボック。持病で2週間前まで病室にいたが、改善したため復帰。現在は天の川戦線の司令官である。


「連邦による物量作戦が実施され、現在はマグダ共和国にて戦闘中です。足止めはできていませんが、時間稼ぎとしては順調です」

「時間稼ぎとはいえ、止められるわけではなかろう。作戦はどうするのか?」

「それには、私、アウグストとマゼラン雲戦線新司令官、グンター・フォン・ジョッフルがご説明させていただきます」

「申せ」

「はい、閣下。作戦全体は私がご説明します」


グンターが立ち上がり味方と敵の磁石を動かす。


「まず、天の川戦線に向かわせた第一、第二太陽系艦隊は防衛線を構築。補給のために一時撤退し、補給完了後、マゼラン雲戦線に配置。新型であるシルバーバレットⅡ級を使用しマゼラン大連合軍の防衛線を破壊。応援が来るまでにできる限り侵攻します。応援が到着後、防衛線を構築。再び太陽系艦隊を補給に戻らせ、天の川戦線へ配置を戻します」


太陽系艦隊が多忙になることは間違いなかったが、今は天の川戦線を止めなくてはならない。これに便乗しマゼラン大連合軍の侵攻も阻止しなくてはならない。膠着状態が続いている今が、帝国にとって有利にもなる。最悪なのは、マゼラン大連合と連邦の侵攻を同時に相手する二正面作戦を行わなくてはいけなくなることである。帝国はそれをとにかく恐れていた。


「良かろう。だが、失敗は許されんぞ」

「もちろんです皇帝陛下。我々が新たな帝国を築いて見せましょう」

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