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COSMOS WAR  作者: イチバ
シーズン3 コスモスの花
22/30

第2話 オールト雲大宇宙会戦

<戦闘機隊、発進用意>

<各パイロットは自機に搭乗せよ>


パイロットスーツを着て、ヘルメットを被る。画面には心拍数、血圧、体温、呼吸数、血中酸素飽和度が映し出され、全て安定した数値が目に入ってきた。


「曲は聞くか?」

「ロックなやつを頼む」

「戦闘前には切れよ」

「分かってる」

「おいビショップ02!センスない曲流したらぶっ飛ばすからな!」

「はいよポーン05!」


こんな会話が最期になるかもしれない。だが、覚悟はもう決めた。


<パイロット準備完了>

<全カタパルトデッキ、解放>


滑走路灯火が緑に点灯。進路ヨシ。曲も流れている。


<進路、異常なし>

<了解。艦隊攻撃に合わせて発進させる。待機せよ>



ロンギヌス級1番艦ロンギヌス

ブリッジ


「主砲、最終調整完了」

「主砲装填完了まで、後10秒。9、8、7、6、5、4、3、2、1、来ました!」


モニターに120%という表示が浮かび上がった。ロンギヌス級の対物レーザー艦砲はこういった小さな天体を容易く破壊するものだ。破壊すると生まれる破片は隕石となり、周りにも被害が及ぶが、今回はそれを利用し他の天体基地にも被害を与えようというのだ。


「発射!」


艦長の合図で対物レーザー艦砲を発射。太いレーザーが発射されると、天体は閃光に包まれ粉砕された。

粉砕後、連邦のイゴルカ級がミサイルを次々発射。ミサイルの豪雨を作り出し、天体に命中。数多の爆発が見えた。



空母ニューヘッド

カタパルト


カタパルトオフィサーが手を発進方向へ向ける。合図だ。


「ヴィーナス、出るぞ」

<幸運を祈る>


スロットルをあげ発進。宇宙へ飛び出した。目の前に広がるのは大量の天体の集団、オールト雲だ。先程の攻撃で穴ができている。


<今回は俺も出る。チェックメイトされないよう守ってくれよ>


冗談混じりでキングが出撃。久しぶりの戦場だというのに緊張の姿は一切ない。十年戦争のエースなだけある。


<来たぞ!>


天体から大量の戦闘機のアフターバーナーの痕が見える。帝国の防衛隊だ。

セブンスターズだけでなく例の新型機がいた。


<新型に気をつけろ!>


通過するセブンスターズを見るとデザインが微妙に異なっている。さらに改造されたJ型だろう。先端にはアンテナらしきものも見えるということは、レーダーを搭載しているのだろう。リチャードには埋め込まれているが、奴らは丸見え。急造だからか意図があるのかはわからない。


<雑魚は他の隊に任せろ。我々(チェスピース)は新型を叩きつつ進むぞ>


新型は火力が桁違いに高い。持続的に艦を攻撃すれば必ず沈ませてくる。艦隊の護衛機が撃墜できるようなスピードじゃないし、コメットを振り切る高機動性は伊達ではない。ならば、出てきたところを叩くしかない。


<早い機体を探知した!新型だ!数も多い!>


あの時より数が多いとなると、量産態勢が整ったか。工事を破壊しなければ永遠と戦場に現れ続ける。

だが操縦はヘタクソだった。まだ未熟な奴らが搭乗しているのだろう。何機かは次々と撃ち墜し、爆散する。

余裕だ。だが、油断は禁物だった。


「…軍艦!フリゲートか!」


見たこともないフリゲート。新型とみた。非常に小型だ。武装もあまり強くはなさそうだが、大艦巨砲主義ではなく機関砲を載せているようにも見える。


「新型と思われるフリゲートが見えた。潜んでいるぞ」

<噂で聞いたコユキ級フリゲートだ。後方の奴らに任せよう>

「了解」


再び帝国軍機の影が見える。セブンスターズと新型だ。

俺は突っ込んでくるセブンスターズを盾にしつつ通過。通過して行ったセブンスターズはキングがすぐさま撃墜。俺は新型と早撃ちを申し込む。


<クイーン!早撃ちは俺らの方が得意だ!>

<分かった。頼んだぞ>


ルーク飛行分隊が登場。俺は進路に戻る。


<01に譲る>

「よし来た!相手になってやる新型!」


新型は真っ直ぐ高速で向かってくる。だが、ルーク02に0.1秒たりとも狂いはない。弾丸より速いレーザー砲のチャージを見極め機関銃を発射。新型は蜂の巣にされ爆発した。


「新型なのにこんなもんか!」

<油断するなよ>


さらにさらにと敵機は飛び出してくる。一体、何個の基地が配置されているのだろうか。一飛行小隊分しかない小さな基地が四方八方にあるおかげでどこから来るかが検討もつかない。

進むごとに敵機は増えてくる。弾丸の嵐を交わしてはいるが、コメット等は天体にぶつかったり撃墜されたりと散っていくのだ。俺らが回避できているのは経験と腕や、このリチャードという新型の性能のおかげもあるが、幸運なのかもしれない。


<新型!多いぞ!>


6機の新型が急接近。さすがに一時散開をした。だが、振り切ったわけじゃない。


「クソッ!」


俺の後ろに2機も張り付いてきやがった!ヴィーナス狩りというわけか。

だが、このくらい対策はしてある。

天体に向かいヴィーナスの高機動でコーナーで差をつけ、後ろに回り撃墜。もう1機が突入して来ると、天体衝突の寸前で回避し1機を衝突させた。


「っしゃぁっ!」


一方、キングは1機に追われていた。レーザーがギリギリを通り過ぎる。


「なんて機動性だ!リチャードと同等とは…!」


突然と新型に弾丸が降り注ぎ墜落する。上からはポーン飛行小隊が現れた。ポーン飛行小隊の得意技である集団攻撃だった。


<大丈夫ですかキング>

「なんとかな…俺ももう老兵らしい」



ビショップ飛行分隊にも1機接近していた。既にこの新型はコメットを5機も撃墜しているエースである。


「こいつはまずいぞ!新型の操縦に慣れてやがる!」

<隊長機じゃないのかコイツ!?>


機体の横に描かれた傷跡のマーク。帝国の上級将校は決闘というもので体に傷をつけ威厳を見せるのだという。最初はアホらしく思っていたが、こいつを見て恐怖を覚えた。


「振り切れねぇ!02撃てるか!」

<無理だ!撃つ前に交わされる!>


この状況を理解してナイト飛行分隊の02が援助に入った。


「ナイト02!01は大丈夫なのか!?」

<ああ。あとはトドメを刺すだけだから大丈夫だ。それよりこいつを早くやっちまおう!>


3機に付かれたことを知った敵機はエアブレーキを展開し離脱した。自ら背を向けたのだ。


「何考えてんだコイツ!?」

<油断するな!でも今がチャンス!>


機関銃を放った時、敵機はコブラ機動をし3機のリチャードの後ろにつく。


「嘘だろ…?」


一気に3機撃ち墜とされると思った瞬間、ナイト01の援護射撃を喰らい両翼が破壊。そのまま天体に墜落して行った。


「助かったぜナイト01!」

<帰ったらビールを奢ってくれ>

「いくらでも奢ってやる!」


最後の1機がキングに撃たれ燃料漏れを起こした。パイロットが脱出する。


「ここじゃ助からないな…」


新型の群れを全て破壊すると、ついにオールト雲を出た。

後方にいた艦隊は何隻かが轟沈したが、空母と旗艦は無事であった。だが、何十機ものコメットと連邦の戦闘機であるAFF-5 クラークとトライアングルアタッカーが墜とされてしまった。

オールト雲を出たチェスピースと数個の小隊はワープを阻害していた宇宙前哨基地を破壊。前哨基地に駐屯していたセブンスターズとロッドも撃ち墜とし、第1総合攻撃艦隊はオールト雲を抜け、ついにオールト雲大宇宙会戦は連合国の勝利に終わったのである。

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