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帝国売春ツアー、途中下車は許されない

 こうして欧州の戦火は一応の終わり告げた。独伊がばら撒き、欧州全体に定着した特定外来生物メスブタ問題や、崩壊した独伊の取り分を巡ってソ連と米国、パリまで消され後には引けないフランスがバッチバチしているが終わりは終わりだ。物語をアジア・太平洋に戻そう。  


 枢軸国の盟主は滅び、その同盟者も倒れた。残る日本帝国も死に体同然。世界の新たな秩序は連合国の手により作られ様としている。

 

 だが何事にも例外は存在する物だ。中華民国は滅びゆく帝国の道ずれとなる様に斜陽の坂を転げ落ちていた。猖獗を極めた治安戦(痴・あ~ん♡戦とも言う)は中華の大地を貪り尽くし。その止めとして龍が動いたのである。


 龍。1932年の第一次上海事件から数えるならば10年余、腐りきった体に蛮夷を大量輸血し、皇帝からして彼方からのぱうぁ~を振るい、メスブタが跳梁、そこかしこがジャングルで長江と黄河にはピンクの鰐とか巨大イルカとかが泳ぐ、スチャラカチャイニーズを体現するコズミックセックスドラゴン(雑種)。


 名は大清帝国。黄泉の淵から帰ってきた再生怪龍である。


 悲しい事ではあるが、使いまわしの宿命としてその力量は現在行われている全世界デスマッチのスター選手である米ソには遠く呼ばず、相方のハードSMプレイ実行中デスアクメ中毒(日本帝国)にも一歩も二歩も及ばない。


 しかし、そこは往年の名選手でもあるので、型落ちではあるが銃砲弾の自主生産は行え、自前で飛行機だって飛ばせる様になっている。龍の意志は国民党(中華民国)に引導を渡し、長々と続いた中華一番決定戦を終わらせる時が来たと判断したのだ。


 日本帝国はこの行動を掣肘しようとは考えていない。1945年中盤に入り、米国の攻撃により日本帝国の航路網は寸断著しい事態になっている。維持しているのは辛うじて朝鮮半島航路と言う有様になっている。


 最早、大規模な海上輸送は男子にしてもメスブタであろうが不可能なのだ(泳いででも男を求めて大陸に渡ろうとするアホは未だ多数いるが)


 となれば、国民党に必死になって男手を搔き集め抵抗(男子朝貢)をして貰っても日本に運べない。だって男が死んだら困る物。メスブタ?死なないから大丈夫。二つの帝国の意見は一致し、男子尽蒋烹(男子尽きて蒋ちゃん煮られる)の時が来たのだ。



 1945年7月26日、ハンブルクに置いて米英ソの首脳が集まり、日本帝国への無条件降伏を要求する宣言が採択された(核が爆発した付近のポツダムで会議など出来る筈も無い)。この宣言に蒋介石の名前は無い。彼は見捨てられた。


 これまでの支援を考えると余りに見限るのが早い(史実では合衆国は国民党の台湾脱出まで支援を続けていた)のであるが、それだけ国民党、引いては蒋ちゃんは追い詰められているのである。清帝国が蒋介石率いる国民党は「賊軍」と呼称し、今回、日本帝国と合同で行う重慶侵攻も「鎮定」であると内外に発表している事からもその追い詰められっぷりが分かると言う物だ。


 故に重慶陥落と国民党の最後については詳しくは語らない。確固たる事実として合衆国側の用意した輸送機により脱出を図った蒋介石は行方不明となり、公式にはインドへ移動している最中日本側に撃墜されたとなっている事だけを述べよう。


 合衆国の用意した救出部隊になぜか欧州戦線から戻った自由日本政府軍の部隊が当てられ、後日なぜか自由日本政府首班の近衛が急に結婚を発表したりしたのだが、それと蒋介石の行方に関係性は見いだせないのだ。


 「早く出せ!おい!何をして…げぇ!近衛!!!」


 「待ってましたわ蒋さま♡さっ!行きましょう!」


 等と言う会話が成された事実は存在していない。




  お幸せに!では、巻きに入ろう。この1945年7月26日でのハンブルクでの日本帝国への無条件降伏要求、いわゆる「ハンブルク宣言」であるが、此処に至るまで多数の事象が存在している。


 そもこの宣言事態も多数のすったもんだを抱えての採択であった。史実と違い欧州では核()が炸裂、チャイナは征服されて、ビルマ・インド方面の日本軍はその戦力を保っており、日本帝国にがまだまだ出すカードが存在するのからだ。


 日本帝国解体では米国と意見の一致を見ても、ヤケクソでインドに殴り込まれたくないのが本音の英国、米国にもっとも~っと疲弊して欲しいソ連、何とか両者から戦力(肉盾、ミルクタンクとも言う)を絞り出したい米国とそれぞれ思惑が違うのである。


 一番の問題は枢軸の核()の存在だ。もし、もしもであるが、ドイツの核開発の技術が日本に渡っている場合、このまま手を拱いていると日本は核()を投入し兼ねない。これは由々しき問題であった。


 事此処に至り、英国代表のチャーチルは「業腹であるが」と念を押した上で、日本帝国の降伏条件を緩める事を提案。それでも無条件降伏に拘るのであれば、日本降伏後の占領政策に噛ませろと嘯き、ソ連の筆髭は(もっと対立しろ)と思いながら、アメリカが更なる支援と戦後の日本分割に同意するならソ連は協力の用意があると甘く囁く。


 この二つの提案を聞いたトルーマンは(足元見やがってこいつ等ぁ!!!!)とハラワタが煮えくり返る思いだった。彼らが求めるのは今次大戦で日本が示した頓智気技術である事は明白だからだ。


 死人こそ出て居ないが三年余に渡り世界に恥を宣伝された上、トンデモナイ損害を出され続けた米国に取って列島を独占せねば太平洋での戦いは割に会わぬ出来事の連続で、悪い事に列島にはそれだけの損を帳消しに出来るかもしれない物が存在している。


 考えても欲しい。無尽蔵かと思える人口、あの狭い列島での爆発的な資源と農業生産、もう認めるしかない環境改変事象、これを独占出来たのであればどれ程の富が手に入るのか?


 アラスカとモハビ砂漠が農地に変わったら?これまた無尽蔵かと思える石油埋蔵地帯を独占できたら?現にアメリカ産業界はソロバンを弾き始めているし、スポンサーたちは利益配分の陳情で五月蠅い事この上ない。


 それを毛ほどでもこいつ等には渡したくない。ボーイズが木乃伊になりケツを掘られ、どんなに取り締まっても連日マスコミに陸海の痴態を報道され威信が地に落ちているのは合衆国なのだ。世界の笑い者にされて上に利益まで奪われたくは無い!!!絶対にNOだ!


 シベリアが大農地になる?インドとエジプトが利益を叩き出し二枚舌が植民地を手放さない未来?私たちは何の為に痴女に付き合って来たと思ってるんだ!!!認められる筈がない!!


 (クソ!!!だが…だが良いだろう。その代わり、お前らも笑い者になってもらう!!お前たちも道ずれだ!!女体に埋もれて窒息しろ!!合衆国の総力を挙げてお前らの痴態を報道してやるからな!!覚悟しとけ!!それに…余り我々を舐めるなよ?我々が居なかったらお前たちはとっくにチョビ髭の奴隷だと思い出して貰う)


 「良いでしょう。日本の無条件降伏は今次大戦を終わらせる為に絶対に必要な事なのです。ご協力のお約束が頂けるのであれば、我が国は如何なる譲歩も厭いません。ただし…絶対に最後まで付き合って戴きますぞ?」


 「勿論です(突き過ぎたか…本気だなこいつ等。ふむ…キュウシュウ島位なら取れるかもしれん。インドとは釣り合わんがアイルランドを農地に変えられるなら増派もアリだな…)」


 「そう言う事であれば人民の力を結集し、我々は貴国の友誼に報いる用意があります。(ホッカイドウだ。アソコさえ取れれば良い。馬鹿め、マカク共の富が何処から来ているのか気づいてないと見える)」


 三者三様の思惑。こうして日本帝国に無条件降伏を求める宣言は採択されたのである。



 故にサイパン、硫黄島、沖縄、日本本土上空、満州・朝鮮に雪崩れ込んだ鋼鉄の津波、数多の痴が流され、若者たちが海に大地に吐精する事態は続いていた。無数の機雷による航路封鎖、焼夷弾による都市戦略爆撃、そして3発の核(本物)それでも日本帝国は白旗を上げる事は無く、日本本土上陸作戦は実行に移された。



 1946年の暑い季節 松代大本営


 「そして全てが終る」


 ラジオから流れる頭の悪くなる放送音声、日本本土進攻作戦総司令官であったダグラス・マッカーサーの歳に似合わぬ検閲音、耐えがたきを耐え忍び難きを忍び世界を双肩に乗せる人は渋い顔でそう呟かれた。

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