鬼畜統領 メス堕ちを求めて
「と言うのが総統閣下の最後になりますな」
「さよか。チョビ髭メスになったんか…まっ適正が無かったっちゅう事でご愁傷さまと言っとこか」
「盟友の最後への感想としては素っ気ないですな統領」
「ワイの様に女子オナゴを千切っては投げ出来んと、どっちみちこの先の戦いには付いて行けん。まっ、そこまでの男やったちゅう事やね。今度あったら笑ったろ思うとる位や。オウ!歯ぁ立てんなボケェ!物覚えの悪いやっちゃな!抜いてまうど!」
貴重な人類の遺産を惜しげも無くぶち壊して作られた地下司令部。ベルリンの物とは一味違う豪奢な一室で二人の男が会話している。
1945年5月16日。ベルリンとドイツ首脳陣の消滅により欧州の戦いの舞台は別の場所に移動していた。
イタリア半島である。
驚くべき事にイタリア王国は、米国主導の半島攻略作戦であるハスキー作戦を押し留め、未だ永遠の都を保持し続けていたのだ。
統領も健在で元気一杯。逆さづりにもならず、日々四方八方からの敵と内部からの裏切り者を撃退し続けている。当然ながらその裏には日本帝国とメスブタの暗躍がある。
日本帝国とイタリアの関係は、ともすればナチス政権より早く始まっているズブズブな物であったからだ。時は1935年イタリアによるエチオピア侵攻まで遡る。
その前年、史実では破断に終わった、当時のエチオピアの皇帝ハイレ・セラシエ1世の親族、アラヤ・アベバ王子と日本の華族であった黒田雅子女子の結婚は成功しており、その縁で日本帝国に救援を求めたエチオピア帝国は多数のメスブタ義勇軍の力を持ってイタリアの侵攻を跳ね返している。
人の恋路を邪魔する奴は馬にボゴォされて昇天せよがモットーのメスブタはアドワ、アクスムの戦いで毒ガスまで使用したイタリアに手酷い打撃を与えながら後退、最終的にメイチュウの戦いでエチオピア帝国親衛隊との一大反撃により伊軍総司令官であったピエトロ・バドリオをメスに変えた(文字の通り)のである。
統領は激怒した。それはもう怒った。
「バドリオ!!!!ブチ殺したる!!!なんで土人に負けんねん!!!おいコラ日本!!何してくれんのや!!!」
そう言いながら日本大使を絞め殺さんばかりの勢いで詰めた位だ。だが何故か…何故だか、統領は矛を収めた。これはエチオピアを諦める代わり日本帝国が大幅な援助をイタリアに約束したからであると公にはされている。
事実は少し違う。統領は日本大使によるメスブタお得意の何時もの奴(肉体的説得)で襲い掛かられたのであるが、これを性的に撃退(正にイタリア男子の面目躍如である)その際、なんか色々あって(多分イタリアに星が落ちていた場合の主人公だから補正が掛かった)インペラートル種付けオジサンに統領は覚醒したのだ。
マチヅモの化身と化した統領は、大使は元より大使館員のメスブタを股間のファスケスで薙ぎ倒し日本帝国の秘密を吐かせる事に成功した。そして始まったのが日伊の蜜月である。
イタリアは秘密を黙っている事と引き換えに、余剰人口(掃いて捨てる程マフィアはいるからのぉBy統領)を日本に輸出とのバーターで大幅な技術移転とメスブタ労働力を確保したのである。
これにより今次大戦ではイタリアは粘りに粘った。メスブタ労働力の大規模放牧を行ったリビアは中央アフリカもかくやと言う密林となり連合軍の侵攻を遅らせ、これも適正があったのであろうかメスブタと自主的にパコり捲ったイタリアの男たちは、インペラートル種付けオジサン下位種であるレギオン種付けオジサンとなってシチリアに上陸した連合軍を苦しめ続けた。
無論の事であるが、所詮は少数でしかない種付けオジサンと日本から輸入されたオルゴナイト装備しか使えないメスブタでは限界があり、ジリジリと追い詰められてはいる。
しかし「未ダ我ラ都を保持セリ」
ローマは敢然と連合軍に立ちはだかっている(ボッコボコで遺跡と現在の建物の違いが分からくなっているが)。ローマが曳いてはムッソリーニ政権が陥落していないその理由は例の核の所在にあるのが大きいのが実際の所ではある。
「来るなら来てみい!ローマ奪われるくらいなら自爆したるぞ!教皇庁も道ずれや!フランス!火事場泥棒する気ならニースが吹っ飛ぶ覚悟せい!」
こう言われると連合軍としても攻め難いのが本音である。イタリアもパリを消滅させた核爆弾を所持しでいるのであれば、どこで使われるか分からないからだ。そんな訳で連合軍は索敵を重視した進軍と核が存在しそうな施設への徹底的な爆撃とで進軍速度を落としていた。
だがそのイタリアの頑張りも限界に達しようとしている。ドイツは落ち、ちょび髭もついでにメス堕ち、東欧は席巻され上下左右上空海上から敵は攻めて来ている。
統領も遂にローマを枕に討ち死にと覚悟を決めた…訳ではない。討ち死にする心算ならこんなに余裕で居られる筈もない。ていうかさっきからアンタなにしてんの?
「何ってナニや、男が大一番の前にする事ちゅうたら一つやろうが。ホレの飲まんかいアホンダラ!!」
「はて?私は何か言いましたかな?」
「あんさんやない。なーんか聞こえたんや」
「そうですか。しかし、それぐらいで許してあげたらどうです?私、元同輩として可哀そうになってきましたよ」
「あんさんは悠々自適の身や気にする事あらへん。それにお国は無事で息子はんは、いずれ世界の王様や。それに比べてコイツはどうやコイツは!どっしり構え取ったらあんじょうしてやったん言うに、逃げくさりおって。そんなんやから玉も竿も無くすんやぞ!どうやワイの皇帝液の味は?後でたっぷり可愛がってやるさかい覚悟しとくやな!連れてけ!」
検閲であった。統領は検閲まで自慢のファスケスをぶち込んで皇帝液(自称)を検閲していた。少女の名はヴィットーリオ・エマヌエーレ3世、そこに以前のお髭の伊達男の姿は見いだせない巻き毛ロールになり果てた者は連行されていく。
栄光のローマが灰燼に帰して行く事と、これ以上統領に着いていけば自分の身も危ないと判断した王は、密かに英国エージェントと接触、救出に来た米軍コマンドと脱出を図ったのであるが会えなく御用となり女体化、この度統領のカキタレにされたのである。
因みにバドリオは三人目を妊娠中である。統領は元オスをメス堕ちさせる快感に目覚めていた。クララさんはこの世界では統領と逆さづりにはならないのだ。
「さ~て、スッキリしたとこでそろそろ行こか?馬鹿共のハナを明かしたる!絶対にローマはくれてやん!」
「国家の指導者として、後悔とかお有でないので?」
「そんなもん無い!最後に勝てばいいんや!マキャベリもそう言うてる!チョビ髭のボケがワイの壮大な計画をワヤにしやがったんやから代替できるなら何でもワイは乗る!それがワイ!浪速ローマの漢ベニート・ムッソリーニや!パパっと終わらせてチョビ髭ハメたろうやないか!待っとれよ元チョビ髭!検閲の刑にしたる!ガハハ!息子がいきり立つのぉ!」
「お元気ですなぁ」
「そう言うあんさんは元気ないなぁ。ワイらの上役なんやさかい、あのボケ程でなくとも、もうちぃと威厳っちゅうか威張ってもええんちゃうか?髭にも遠慮しておおっぴらに動けんかったんやろ?いっそ殴って言う事聞かせてまえばよかったんちゃう?ワイがあんさんならガツーンと…」
「そう言うのは生に合わないんですよ。現役時代は周りがああしろこうしろと喧しくて肩ばかり凝って懲り懲りだ。この立場になってやっと息子と自然に会話ができる様になったんですよ?まあ、父上には怠けすぎだと言われてしまいましたが」
「さいでっか。まあええやろ。ワイら束になっても勝てんのは事実なんやから」
「そうそう。見た目に拘ってはいけませんよ統領」
「見た目言うたら、あんさん、ええ加減にその服脱いだらどうや?縁起悪いでその恰好」
「失礼。急いで来たもので。確かに統領の言う通り縁起が悪い。確かに「絶滅」させましたからな。第三帝国を」
そう言うとこれまで統領と会話していた男、SSの士官制服を身に付けた彼は、これまで被っていた物、髑髏の印が光る制帽を投げ捨ててて、髪を撫でつけた。瞬きの間、彼が身に纏っているのは彼の好みに合わせた英国スーツスタイルであった。
「これでこちらもスッキリ」
「その方がええわ。なんでイタリア風にせんのか不満やけどな」
「好みの問題でして。では行きましょうか統領」
「せやな。盛大に吹っ飛ばしたるぞアメ公!精々歯噛みせいや!」
そう言い交わしながら、二人の男、イタリア王国宰相ベニート・ムッソリーニとSS義勇連隊始め、数多の肩書で欧州にて暗躍を続けていた男、大正と言う短い治世を過ごした王は連れ立って歩き去った。
1945年5月16日
ローマ消滅。パリ、ベルリンに続き永遠の都までもが核の炎()の中に消えた。世界を混乱の渦に巻き込んだ枢軸の要も残り一つ。
全世界の敵意が日本帝国に向けられる。