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この艦ちょっと変態

 大英帝国宰相は、何故ここまで怒りを露にしているのであろうか?


 シンガポールが陥落し、将兵が素人物AVに出ているのだけでは説明が付かないと、そう読者諸氏もお考えではないだろうか。


 考えてない?切れるだろ、パーシヴァル中将が


 「ウェ~い!チャーチル卿見てる~!彼はもうパパで~す!ほら、お前も教えた通りに言えよ」


 「ゴメンナサイカッカ、ワタシモウソコク二カエレマセン、ワタシノコトハワスレテクダサイ(ハイライトオフでの拙い日本語)」


 「だそうで~す!君んとこの将軍はこれから種馬になりま~す!オラッ!しゃぶるぞ!もう一戦だ!」


 「No!please!please mercy!」


 「ノーマーシー!ファックユー!ファックミー!ハリースタンダップ!ベリーウェル!」


 暗転、そして悲鳴と汚い喘ぎをされれば誰だって切れる?


 うん、まあ、それはそうだけど、、、、、兎も角!チャーチル卿が怒りを露にしたのは、満天下に大英帝国陸軍が恥を晒した事だけが理由ではないとご理解して頂きたいのだ。


 何となれば世界に冠たるロイヤルネイビーの方が先に、師弟立場逆転物の撮影を強制されていたからである。時は巻き戻るが、日本陸軍がマレー半島に上陸した直ぐ後、日英海軍の師弟は激突し、大英帝国海軍は世界で初めての屈辱を味わっていたのである。


 史実に置いては、航行中の戦艦が、飛行機からの雷撃で撃沈された初の事例である「マレー沖海戦」それが屈辱の名前である。


 だがこの世界での屈辱はそんじょ其処らの屈辱ではない!


 そも屈辱でも無い!大英帝国海軍が味わったのは恥辱なのだ!


 その恥ずかしさレベル!


 「野外一人ワンワンプレイを好きな人に目撃され、懊悩して言い訳を考え眠れない夜を過ごし、意を決して会ったら、精神状態を心配した彼に温かく接され、ああ、自分には脈はなかったんだなぁと言う事実まで知ってしまった悪役令嬢!」


 もうその場で殺すか襲い掛かるしかねぇ!おまえがご主人様になるんだよ!受け取れリードを!選択肢は出ねえぞ!今から私ルートだ!幼馴染とか委員長とか先生ルートに行けると思うな!寄越せお前の童貞!これが私たちのバージンロードやガハハハッ!


 そこまでの恥辱なのである。


 では何があったかを語らせて頂こう。






  1941年12月10日 


 今まさに英国東洋艦隊主力と矛を交えんとしているのは、二隻の異形であった。


 異形である。二隻は一度見たら忘れられない姿をしていた。


 例えるならそう、イイ歳をしたオバ、、、お姉さんが振袖にデッカイ簪を付けて初詣に現れた様な物であろう。正直キツい、晴れ舞台にめい一杯お洒落して現れたから凄いキツいが、それが良いと言う人もいる。


 異形であるオバサ、、、否、お姉さんの名は扶桑、そしてその姉妹艦である山城であった。史実と違い、日本海軍はこの戦場に二隻の老嬢を引っ張りだしたのだ。


 何故だ。確かに二隻は戦艦だが、だがそれだけの存在の筈なのだ。


 今彼女たちが挑もうとしている英艦隊が有する、最新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズ、そして巡洋戦艦レパルスとは雲泥の差がある。


 まず艦齢だ。


 方や25年選手、方や2年である。レバルスとは一応戦いになるかもしれないが、人間ならいざ知らず、プリンス・オブ・ウェールズとはお肌(装甲)の差が致命的なレベルに達している。二十年海の上で酷使された老嬢が勝てる相手ではない(片方が姉妹だとしてもだ)


 そして主砲の差


 これはお肌処ではない。プリンス・オブ・ウェールズの有するMk VII 356ミリ四連装砲と扶桑、山城の45口径四一式36cm連装砲では飛距離、威力、発射速度は段違いであり、射撃管制でもレーダー装備の新鋭艦には劣る。


 僚艦のレパルスにしてもそうだ、381ミリ42口径連装砲の威力は侮る物ではない。当たれば唯ではすまない。お肌のレベルは相手に劣るが乳の差はデカイ。


 順当に行って撃ち負ける。


 殴り合いにはなるだろうが、ユトランドの様に一撃轟沈すらあり得る差である。


 速度だとて違う。方や22ノットの壁を破れない、、、破れない、、、ありゃ?随分早いぞ?それに折角こちらが主砲差を出しているのになんだいアレ?


 そう異形、異形と言っているので、読者諸氏は、異形の部分を、かの有名な違法建築艦橋とだけ認識していたかもしれない。


 だが違う、異形のレベルが違うのだ。


 二隻の姉妹、いや、日本帝国の有する艦艇の全てがド変態なのだ。


 彼女たちに主砲は「無かった」


 それこそが、これより生起するマレー沖海戦が史実と違う結果になる大要因なのである。




 

 ここで、ここまで引っ張って、語らなかった日本帝国海軍に付いて、性器の海戦が生起するまで語って行こう。


 誤字がある?


 これで良いのだ、だってバカが展開するのだから。


  さて、時は悪名高き「プレスギャング」が施行された所まで遡る。泣き喚く男子を各地の港から引きずり込んだ後、帝国海軍は単純な事に気づいたのだ。


 船に積んだ男子の居住スペース、そして可愛い可愛い犠牲者が消費する生活物資の不足である。


 たりめぇだろ!だ。


 日本帝国で一番有名な艦である長門であれば、その定員は1314名であり、この全てが男を引っ張り込んだら寝るスペースさえ無くなるのは道理でしかない。


 この無理を通す為、大ぴっらな海賊行為の解禁がなされた、上海での戦い以降、帝国海軍の船はその行動半径を、半分以上失っていた事は、海軍に取っては公然の秘密であった。


 読者諸氏は、ドイツ海君の誇るUボートに付いて、一家言持たれている事であろうから、アレの出航直前の状態を思い出して頂きたい。


 其処に新鮮な空気と生活感、充満するメスブタの甘~香り、そして有ったであろう、未来の女子高的ズボラさを足して欲しい。


 乾された下着、彼方此方に食料と資材の箱、長期航海になっちゃって、突如産気付いたのが産んじゃった赤んぼの鳴き声、吊るしっぱなしのハンモックで遮りもせず盛る古兵ブタと、自棄酒決める新兵のギンバエ祭りで五月蠅いやら臭いやら。


 とても人間の生活する場とは思えない。大型艦艇は街が動いているのと同じと言うが、これではスラムであるスラム。日本海軍は師匠であるロイヤルネイビーから受け継いだスマートさを、何処かに放っぽってしまったのだ。


 これは問題となり、綱紀粛正といきたのであるが、それはそれで問題が続出した。なんでかと言えば、士官はキッチリ今まで通りの上品暮らしだから。艦長室まで荷物は積まれていたが、彼女らは相変わらず、生演奏でディナーを決めていた。


 この不平等への怒りが爆発したのが、1937年末に起こった「陸奥爆発事件」である。海賊擬きを師匠に持つ者達は海賊流に自由を求めて暴発した。


 「「テメェら!反乱の時間だ!圧政を敷く者をマストに吊るせ!」」


 事の始まりは、史実に輪を掛けて行われた中華侵略祭り、これに日頃の全てを忘れて陸軍に協力した海軍は、大陸沿岸制圧に陸奥まで動員していた。無論これは臨検により他国船舶を襲う為である。


 この時、とある大型船舶(事件の詳細は闇に葬られた為、詳細は分からないが英国船籍であろうと言われている)を臨検した陸奥で発生したのが「陸奥爆発事件」である。


 大陸沿岸での長期任務の為、日照りを起こしていた陸奥乗員は、大型船舶乗員にヒデェ事したのであるがこれにあり付けたのはほぼ士官であり、これまでの小規模臨検でも殆どの男は士官が持って行ってしまっていた。


 黙っていられないのはあぶれ者である。とある兵曹長が主導した暴動は、普段から勤務上動けない機関科要員まで巻き込んで拡大、「「男を出せ!」」と艦内を暴れまわり、弾薬庫に立て籠った連中がオルゴナイト炸薬に誤って火をつけた為、暴走する陸奥の手で外に放りだされたのだ。


 幸い、メスブタの頑丈さと、近くを通り掛かった漁船により全員救助されたのであるが、海軍は事の深刻さに長く頭を抱える事になった。


 これを解決したのが、陸軍による怪力線照射装置の採用であった。海軍はこの新兵器の全面採用により問題の解決を図る事になる。


 「これ採用して、砲塔全廃ね。それより生活だよ生活、これからの海軍はQOLを大事にしよう。それとね、海軍軍人が艦に嫌がられて放り出されたなんて吹聴したら殺すぞ☆」


 何処かの終身元帥の鶴の一声もあり、事は爆速で進んだ。割を食ったのは大和型である。既存艦艇の改装に予算を取られた為、彼女たちの建造は取り消された。


 悲報・大和姉妹この世界では存在すらしない。だがそのお陰もあり、日本帝国の艦船、特に戦艦は他国にはあり得ない進化を遂げたのだ。


 第一に速力。砲塔を全廃した事で軽くなり、彼女らは早くなった。今回の主役でる扶桑姉妹は27ノットまで出せる高速戦艦へと変わる程だ。


 第二に生活と航続距離の増加だ。なんと言う事でしょう!これまでのスラム街が嘘の様な清潔ぶりです!陸軍に押し付けた砲塔の代わりにそこにあるのは「男ぶち犯しゾーン」です!


 繰り返します!「男ブチ犯しゾーン」です!


 空いたスペースには生活空間、牢獄、物資集積庫、プレイ道具が並び、今日も元気な悲鳴が聞こえます!これで乗員の分だけ男を監禁できますね!


 最後に攻撃能力。どの国にも、そして有る筈だった未来の世界でも、未だ実現していない光学光線兵器を日本海軍は有する事になったのだ。


 これまで世界の海軍は出来うる限り、高重量で高速の物体を射出する事に拘ってきた。素早く連続で物体を敵に激突させる事が勝利のカギだからだ。日本帝国海軍はその努力と戦いから一抜けする。


 亜音速?音速?そんなレベルに自分達はいない。


 光速だ。光の速さ、 299792458 m/sの攻撃が艦を飛行機を襲うのだ。


 そして第一の犠牲者は



 「目標!敵先頭艦!しょーしゃヨーイ」


 (ごめんなさい大和さん、宇宙に行くのは私たちよ)


 何処かでそんな声が聞こえた気がした。


 

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