コーデル・ハル氏の憂鬱
こうして近衛首相は最後のフラグを立てに渡米した。
この渡米と日本帝国が開戦を決意した(様に見える)理由。
それは大半の読者諸氏には取っては、既に「何時もの」扱いであろう、米国国務長官コーデル・ハル氏が日本帝国に突き付けた要求文書、通称ハルノートにある。
史実であれば、日本帝国のやり過ぎに切れた米国による、いい加減にせいよ!これ以上暴れるならどうなっても知らんぞ、大人しゅうしろや!のお気持ち一杯の残念ながら当然の要求であるこの文書だが、この世界ではどの様な変化をしているのであろうか?
それを語るには、まず1940年に入ってからの日米関係を語らねばならないだろう。
1940年、米国に於ける対日感情の悪化と、米国社会の風紀向上運動は激化の一途を辿っていた。1939年の日本人渡航制限と風俗関係者一斉取り締まり、その報復として開始された激烈な経済攻勢がその要因である。
日本帝国の行った報復措置、後の歴史に言うエロスの輸出、別名「破廉恥大戦争」である。
考えても見て欲しい、如何な米国の善男善女が、メスブタ放逐と良きアメリカの復興を訴えた所で、大半の男はスケベで愚かな物なのだから需要は存在する。
少し前まで禁止されていた酒と違い、エロは輸出も製造も容易く、長期保存も出来る物なのだ。これを帝国は、これまでメスブタ達が培い、米国内に残っていた表・裏世界のコネクションを通じて流し込んだのである。
これを主導したのは満鉄調査部を中核とした陸軍特務であり、長年エロ産業で中華を侵食してきた彼女らの手腕は確かなものであった。
無修正ハメ取り写真集、近年成長著しいエロ漫画、8ミリポルノ、レコードASMR、帝国にあるエロコンテンツの合法・違法流通が1940年から1941年末まで米国の青少年を襲ったのだ。
米国政府はこれに対して一般流通の方は即座に禁止・回収したが、違法流通はそうは行かなかった。何しろ国家機関がケツを持っている。奴らは米国国内で摘発されれば拠点をメキシコに移し、密輸を敢行して来るのだ。
更に厄介な事に、メキシコ政府に圧力を掛けて取り締らせ様にも、中毒になる訳でもなく、金も稼げる違法エロ産業から手を引く人間は少ない。この為、米国は元を絶つ必要に駆られていた。
読者諸氏には、たかがエロ本でと笑えるであろうが、米国としては笑い事ではないのだ。
ロリ、熟女、BBC 、NTR、ショタおね、動物仲良し、近親、レイプ物(女優が喜んでいるので今いち不人気)、ハードSM(頑丈なメスブタによるガチ)、あらゆるコスプレ物と本物の学校・兵営・病院・教会に神社に寺で行われるシチュエーションプレイ(本職が出演)女性の数だけ存在する腐敗予備軍へ男の娘も投入され、青少年の心と股間に襲いかかる!
イけ若人!妄想せよ女体!1日5回!君ならできる!
エロだけは超先進的な帝国の手により、1940年代に生きる人々に遥か未来の性癖が殴り込んで来た。それは捨てられていたエロ本を初めて見た小学生の衝撃を超える物であろう事は想像に難くない。
例えるなら、形振り構わない史実令和日本が戦争仕掛けて来て、10式戦車とドローンが本土に侵入、太平洋艦隊は軒並み対艦ミサイルの乱れ撃ちで沈み、オマケにワシントンに核を決められ、ルーズベルト大統領の尻に、玩具の恐竜ねじ込まれた位の脳髄へのインパクトであった。
これがどれ程、米国人口の半分(腐敗してしまったのは除く)の怒りを買ったかは、態々述べるまでも無いだろう。過去数十年に渡る太平洋の向こうのメスブタたちの存在は、今や目覚めようとしている巨人をして文化文物を汚染し、奇妙な政治的土壌を形成するまでに至っていたのだ。
アメリカ合衆国。
その内実はどうであれ自由と民主主義の砦であった国家には、性に対して非常に潔癖、いや嫌悪を覚える人間すらいる。悪名高き禁酒法時代に、適法・違法を問わず性産業の実に6割をメスブタが独占し、男たちがブタに跨り、またブタで覚醒を迎えていたのを目撃した者たちだ。
国家、民族レベルでのNTRを女性たちはかまされ、嫉妬の炎で己を、そして合衆国を焦がすまでにいたっていた。
読者諸氏も良く考えて頂きたい。もしも現代日本のお隣に常夏の楽園が出現し、そこから各種取り揃えたエロエロエルフさんが大量に流入、芸能、性産業を独占、諸氏のお隣や会社、学校などに越して来て「大好き!交尾しよ♡」と言われて耐えられるか?
耐えられると言うお方、貴方は嘘つきだと、ご批判を覚悟で筆者は言わせて頂く。貴方が何歳で有ろうと種々のコンプレックスがあろうと、愛してくれヤらせてくれる存在よ?
しかも養ってくれるオマケ付きでだよ?
コロリと行くだろ?行かない訳はない!断言する!、、、ガチムチとかクマ系が好きな方はごめんさい
兎も角、性的少数者でなければこの誘惑には勝てまい!そして渡航制限がないとなれば、筆者も含めて愚かな男子諸君はパライソさ行く筈だ!
この世界の合衆国の男子にしてもそうなのだ。
現実として南国の楽園は存在し、あらゆるニーズに答えるメスブタがブヒブヒしている弧状列島が太平洋の向こうに浮かんでいる。
読者諸氏が、この世界の合衆国に居住する、生物学的女性として存在しているとしたら、これを許せるか?
許せまい?
邪痴暴虐の女ヶ島を浄化するか、せめて封印したいだろう。
かの島からあらゆる手段で上陸せんと試みて来る淫魔の群れ、これを塞き止めてくれる者に国家の代表になって欲しいだろう。
政治家と言う、民意(票田)に敏感な生物がコレを無視できる訳はない。
だから公約に風紀の引き締めを掲げ、そして勝利した。
酒を禁止にするのは全国民から反感を覚えられるが、エロを迫害しても人口の半分には支持され、妻帯者は妻に見張られ声を上げられない。金持ちは影で好き放題できるから反対しない、宗教界は右に同じ。
誰も反対しない、誰の懐も痛まない素晴らしい政策。
「皆さん、エロしたいなら結婚しなさい。結婚して家庭を持ち勤勉に働きなさい」
そう言えば良い
そして、メスブタを迫害し、エロを弾圧し、石持て追えば支持率ウハウハ
しかも非難する相手は現在進行形で馬鹿の極みをしている侵略国家なのだ。非難する事に問題が?圧力を掛ける事に何の問題があるのだ?
戦争になったら?
相手は女しかいない軍隊擬きで、非致死性兵器を頑なに使っているんだよ?負けるか普通、しかもチャイナであれだけやらかしている。何処にその余裕が?
そんな楽観論も出ている。だからこそ彼らは、おいたの過ぎた帝国に分からせてやる為の行動に出たのだ。
これが現在の米国であり、ハル国務長官が突き付ける要求を携えて帝国在米大使館を訪れた理由である。
1941年11月26日 日本帝国在米大使館
「今日はどうしたのハルにゃん?」
「真面目に聞いて頂きたいミス野村。それと膝の上から降りて頂きたい」
「は~い」
米国国務長官コーデル・ハルは、精神を摩耗させながら、やり難い事夥しい相手に真面目にする様に言葉を絞り出した。
「どしたん?話聞こか?」
「ミス野村。再度言わせて頂くがこれは本当に真面目な話なのです。日本大使として振舞って頂きたい」
「私とハルにゃんの仲だよ?そんな畏まらなくても良いでしょ?」
「駄目だ!駄目なんだよヨシチャン!ホント~に真面目な話なんだ!お願いだから大使として聞いてくれ!」
「え~!、、、、分かりました。承りましょうハル閣下」
そして、懇願とも言える言葉に、漸く相手は国家の利益を代弁する交渉者としての顔で応じた。
「ふぅ」
やっとか、そう言う思いでハルは下を向いて大きな安堵のため息を付く。
(やっと始められる。)
そう思い、顔を上げたハルは、交渉相手、日本大使である野村よしみの顔を見る。
灰色の髪色と、抱けば折れてしまいそうな細い体躯と手足の幼子の様な女。その顔は何時もの悪戯っ子の様な笑みは浮かべてはいないが、そのルビーの瞳は確かに笑っていた。
「矢張り、何時も様にしますかな閣下?」
「結構です」
(はぁ、やり難い。何で俺は此奴の誘惑に負けたのだ?事が漏れたら唯では済まないと言うのに)
大使の顔をしつつも此方を揶揄う様に言う野村、それを断りながらも、ハルは内心で後悔を続けていた。
コーデル・ハルと野村よしみとの間には肉体関係があった。
それも酷く濃厚な物が
ハルはロリの暗黒面に堕ちた犠牲者であった。日米間がギクシャクする中、頻繁に会談していたハルは、野村の魔性の魅力に憑りつかれてしまったのだ。
一国の外務を司る事は多大な心労を被る物だ。それもアメリカ合衆国と言う巨人であるならば猶更である。
ハルは癒しが欲しかった、それも古女房ではなく若い癒しが。
もし、野村と出会わなければハルはそれを心に押し込め、職務を全うして生を終えたであろう。だがこの世界では、野村よしみと言う女がいた。
合衆国に実際に滞在している日本人はロリ体型が多い。これは帝国本土の需要の問題であるが、その結果として米国男子は幼女趣味に陥る物が多く出ていた。
ハルもその一人である。
「良いよ、おいで」
何度目かの会談でそう言われた時、ハルの理性は決壊し、細い、自分の手で抱きしめるには繊細に過ぎる腰を強く抱き(検閲 詳しくは18禁版)のである。
それ以来、私的会談と言う態で忙しい中、二人は睦あって、、否、ハルが一方的にバブっていた。
(検閲)
その後の恋人プレイも良い。
「ハルにゃん」「ヨシチャン」と呼び合う度に若さが取り戻される様であった。
分かっていた事だが、そんな事ばかりしていた相手と交渉を行うのは本当にやり難い。相手は(検閲)プレイはして貰うのでは無かったと後悔している。
だがやらねばならない。
嫌われるだろう、であるが、一時の夢より、自分は国家を取る。
今更な感は自分でも分かってはいる。
「こちらをご覧下さい。貴国の一連の侵略行為に対しての我が国からの要求であります。」
「拝見いたします。ですが侵略とは失礼ながら随分なお言葉ですな。我が国の行動は空く迄、正統な支那の政府である清帝国から求められたものですぞ?」
「詭弁は辞めて頂けますかな。ハッキリと言わせて頂きますが、我が国はこれ以上貴国の行動を看過できないとご理解頂きたい」
棘の突き出した会話である。外交の場ではジャブにもならないが、恋人同士のする会話では決してない。私人としてハルは(ごめんねぇ~!!嫌いにならないで~)と心中で叫んでいた。
暫しの沈黙、野村は静かにハルの突き付けた要求文書を呼んでいる。
室内に籠る甘い匂いが香辛料の香りに変わった事をハルは気づけなかった。
「これは余りに過大な要求では?」
文章から顔を上げた野村はそう一言だけ言う。その顔は平静を装っているが、部屋に満ちる香りがその動揺を表していた。
動揺の理由、それは明らかに文書の内容にあった。
大半の内容は現在の帝国でも受け入れられる。帝国はあらゆる戦略資源に不自由はしていない。
だが
「インドシナからの撤兵は私見ながら言わせて頂きますが、受け入れられるでしょう。ですが支那からの撤兵と清政府の否認はいただけませんな。繰り返させて頂きますが、清政府は正当な国家であり、我が国の皇族が婚姻を結ばれた言わば親族でもあります。その支援を止めろとは、、」
「そうですか、結構です。それならば我が国は貴国に対して強い態度で臨ませて頂く」
「此処に書いてある禁輸措置ですかな?」
「それ以上とご理解頂きたい」
「承りました。本国に伝えさせて頂きます」
「お早く願います。私も私見ではありますが、言わせて頂くと、我が国の有権者は我慢の限界を迎えていると思って頂きたい。そして少なくともその半分は直接的な行動を是認するでしょう」
「ご忠告感謝致します閣下、これで終わりですかな?」
「はい、国務長官としての要件はこれで終ったと理解されて結構です」
「そうですか、、、、、もう今日のハルにゃん怖い!私びっくりしたよもう!」
「ごめんねヨシチャン、これも仕事なんだ」
「まあ、仕事なら仕方ないよね。うん!許してあげる」
「ありがとうヨシチャン。こんな事になってしまったけど、国がどう言おうと君は私が守るよ」
「くふふ、カッコ良い事言うねハルにゃん。でもさぁ、本音は甘える相手を放したくないだけじぁやないの?私のおっぱい吸ってる時のハルにゃん、甘えんぼさんだからね~、何時もの様にママって呼んで良いんだよ?会談の時間は大目に取ってあるんだからゆっくり甘えていきなよ」
「うんヨシミママ!、、、本当にごめんね、アレが私の仕事なんだ。分かって欲しい」
「それは今さっき聞いたよ。つらかったねハルにゃん良い子、良い子」
「ママぁ」
先ほどまで纏っていた国務長官の殻と男の威厳を脱ぎ捨てバブるハル。それを受け止めた野村は、ハルをあやしながらも、先ほどの米国の要求をどう本国に伝えるか、自分の腕の中でオギャる男からどう本音を聞きだすか計算を巡らしていた。
そしてオギャるハルの方も冷静な政治家の部分で、自分から情報が抜かれる事、遠くない将来、二人の間に別れが訪れるかもしれない事を感じていたが(検閲)と共にその思考は飛んで行くのであった。




