閑話 イき者恥丘紀行 捕食空域
コンバンワ、イき者恥丘紀行のお時間です。
今回ご紹介するのは、コロコロ学名が変わる事で有名なヤマトコシフリブタオオカミ、その亜種の奇妙な生態に付いてです。
この性暴力の化身であるバチクソ危険なナマモノは、意外な事に、複雑な道具を使用する能力を持つ事が判明しており、近年、多数の亜種が存在する事が分かってきました。
本日はそんな亜種の一つである、ソラトビウミチチウシの生態と、天敵であるフライングタイガーの痴闘について御覧頂きます。
1939年以降、大陸で生息圏を爆発的に増やし始めたヤマトコシフリブタオオカミですが、本日の主役であるソラトビウミチチウシや、近縁種である陸棲ソラトビコシフリブタの行動圏は増える事はありませんでした。
特にスッゲェ速さで侵入と捕食、繁殖行動を始めるヤマトコシフリブタオオカミの群れに対し、その進撃を援護するべく海軍より派遣された、ソラトビウミチチウシはパッとしていません。
前述した、急激に過ぎる繁殖地拡大に付いて行けてない事が一つ、また生息していたチャイナソウショクコウクウブタイが、早期に97式戦闘機の配備が始まっていた、陸棲ソラトビコシフリブタに先に捕食されてしまっていた事も理由の一つです。
そんなソラトビウミチチウシですが、近年、捕食対象のチャイナリクアルキ、その大営巣地である重慶に対して継続的な繁殖行動を始め、数を増やし始めています。
この背景にはソラトビウミチチウシと陸棲ソラトビコシフリブタの元の生息地である日本帝国の事情が大きく絡んでいるのです。
専門家の意見を聞いてみましょう。
関東軍防疫給水部本部 石井生態研究所 副所長 本多トミ子博士
「不本意だけど、その発見は家の所長の功績」
そもこの世界日本帝国は工業力に余裕がある為、装備の転換が大変に早く、既に第一線からは三八式歩兵銃が姿を消している程なのですが、従来のオルゴナイト製兵器群、特に弾薬に付いては大きな不満がでていました。
オルゴナイト弾薬は対人に関しては大変に有効ではありましたが、矢張りと言うかなんと言うか現場からは対装甲・市街戦に対する威力不足が問題に上がり、また敵側が対ガス装備を充実させ始めると、その対策も検討せざるを得ない状況にあったのです。
この問題を解決したのは、御馬さん的な何かでナニされ続けた為、ナニか何処かがガッバガバにされ、新たらしい一人遊び用彼氏を色々試していた721部隊の研究所長の発見でした。
「「ヘウレーカ!私気づきました!オルゴナイト製品の気持ち良さはデカさではありません!質です!精度が良い程気持ち良い!これは大発見ですよトミ子!さあ貴方もこの温かみを感じるのです!」」
「うん、そう叫びながら所長は車椅子真っ裸ドリフト決めて来た。だから私が第一種装備の保安部に鎮圧命令を出したのは正しい判断。どう考えてもアレは何時もの乱心だった」
本田博士はそう言いいましたが、これは真実大発見でした。
その後に行われた追試は驚くべき結果をだしたのです
「あの時の所長は凄かった。死んだと思った程。そう、飛び跳ねてた。あの所長を三日も寝込ませたんだから凄い威力だった」
まあ、その手法と対象に難はありましたが。
ですが、石井所長の尊い犠牲により、精製工程を経たオルゴナイトには、驚くべき効果がある事がわかり、日本帝国は既存の弾薬を精製オルゴナイトに切り替えていく事になります。
現在、日本帝国の使用する弾薬は、この精製オルゴナイト弾頭、正式名称「劣情化強制弾頭」、通称「劣化売らん弾」に変わっています。これは取り扱いが難しく、電源が必要な怪力線兵器を補う為の処置でもあります。
これがソラトビウミチチウシ躍進の秘密なのです。
さてお話をソラトビウミチチウシに戻しましょう。
先ほどご紹介した、劣化売らん弾の登場はソラトビウミチチウシの、急激な生息地拡大の一要因ではあります、ですが、それだけでは少し足りません。
ソラトビウミチチウシもまた自身の生息地を拡大すべく、努力を重ねていたのです。
それが「十三試大型陸上攻撃機」の正式採用でした。
視聴者の皆さん「深山」の名前に聞き覚えがありますか?
無いでしょうね。
当然ですよね。「十三試大型陸上攻撃機」、正式名称「深山」は皆さまの世界では失敗作でしたから。
ですがこの世界では違います。
ヤマトコシフリブタオオカミの急激な拡大に直面したチャイナソウショクギセイヒツジ(国民党軍)、彼らは積極的な攻勢を諦め、重慶に引きこもりっての、縦深を生かした消耗抑制に努める様になりました。
ギセイヒツジの戦力を削りたい日本帝国は、重慶を含めた都市圏への大規模爆撃を開始する必要があったのです。
そこで白羽の矢が立ったのが「深山」であり、精製オルゴナイト製の爆弾で、この二つが揃った事で初めてソラトビウミチチウシは中華の空へ生息地を広げることに成功したのです。
そしてそれは、もう一方の主役であるフライングタイガーとの戦いを意味する事でもあります。
1940年 10月 重慶
アメリカ合衆国義勇軍所属 クレア・リー・シェンノートが見た物はこの世の地獄であり、一般的なアメリカ人男性としての信仰と常識を持つ彼には許せる物ではなかった。
人、人、人、人が折り重なり倒れ伏している。
辺りには甘い、胸やけを起こしそうになるほど甘い匂いが漂い、ガスマスクを貫いて肺と脳髄を犯そうとして来る。
シェンノートはこの惨劇に顔を顰めるしかなかった。
だって甘い匂いに交じって、男だったら馴染み深い匂いがするんだもの。
賑わっていた市場は白に沈んでいた。
致死量じゃん?そう言うしかない程の(検閲)を男たちは撒き散らし、女は、脱水しないの?と疑問しか出ないを(検閲)をジョンジョバプシャーし、お股と服を濡らして果てていた。
理性が理解を拒む光景、逝き顔の通り。
キラキラとした粒子漂う秋の朝にホカホカした湯気が漂っている。
ここは正に痴情の地獄であった。
「認識を改めないといけないな」
踏みつけた白い水たまりから、急いで足を引き抜いたシェンノートは独り言ちた。
そんでそこいらの倒れている奴の背に汚れたブーツを必死に擦り付けた。許せなくはあるのだか、同時に、拒否感と、(何で俺は此処に来ちゃったんだろ)と言う後悔がどっと押し寄せていた。
所属が示す通り、彼がこの場にいるのは偶然ではない。彼、クレア・リー・シェンノートはこの大陸で日本帝国の侵略に抵抗する為に合衆国から送り込まれたのだ。
だがそれも史実の通りでもなかった。
あっと言う間のメスブタの嵐は、合衆国が義勇軍を送り込む前に大陸の沿岸を制圧してしまい、彼の到着を遅らせてしまったからだ。
だから今回のコレが初めての蛮行の目撃となり、中華民国が女に組み敷かれていると言う理由で有りながら、悲鳴を上げて助けを請う理由への心からの理解であった。
そして理解できたからこそ猛烈に国に帰りたかった。自分が望んだのは男が命を賭けるに相応しい戦場であって、売春宿の清掃係ではない。
(だが来ちまったもんはしょうがないよな。蛮行は蛮行だし、被害も出てる。被害だよな?)
そう、今、自分はこの場に立っている。
如何にも落ちない(検閲)を忌々しそうに見ながら、彼は内心でそう思う他は無かった。
1941年1月 重慶から100キロ地点上空
「皆さん!覚悟は良いですか!」
「分かってるよ!この面子で地獄に行くなんて御免だ!絶対生きて帰るぞ!」
「そう言わないでよ~。この面子なら地獄も楽しいかもよ~」
「黙ってろ!自殺願望持ち!私はお前とは絶対に御免だ!おい!貴様も何か言ってやれ」
「諦めようよ。これ絶対懲罰人事なんだから、私たち此処で死ぬんだ。兵曹のせいで」
「お前までそんな事いうな!それにだな、アレは一夜の過ちだったんだ!」
「そう言って一回だけ一回だけって何度もシてるんでしょ?基地司令の男だって知ってる癖に、ズルズル相手してればそれはバレるよぉ」
「それは、、、その、、、あいつの方がだなぁ」
「しくしく、、、私たち痴情の縺れで死ぬんだ。まだ彼とは1回しかしてないのに」
「え?なんで?なんで貴様までアイツと寝てるの?初耳なんだけど?」
「知らなかったの~?私ら全員()姉妹だよ?癒しが欲しいって泣いてるからシて上げたんだ~、ほら、司令ってば束縛キツイでしょ?だから結構それにキュンとした子が相手してるんだよ?バレたの貴方だけだけどね」
「アイツ、、、私だけだって言ってた癖に!帰ったらどう言う目に会わせて!」
「貴方達!無駄話はそこまでに、、、!!!!」
姦しいとはこの事と言った機内、エンジンの音に負けない程の会話を打ち切ったのは、幸運にも外れた一条の機銃弾の群れであった。
今月に入ってから重慶への高高度爆撃は被害を積み上げていたが、その犯人が現れたのだ。
これまで深山の能力を生かした爆撃は、大規模ガス攻撃と言う事もあり、陸攻で行わる爆撃に比べ、対空砲のまぐれ当りでもない限り撃墜される事は無かったのあるが、それもこの犯人の登場までであり、深山の喪失を恐れた上は攻撃を控えてざるを得なし事態に追い込まれていた。
それでも今回攻撃が実施され、しかもそれは前例の無い低高度爆撃なのであるから、機内の一同が懲罰人事で始末されると思うのも無理はない。それ程にメスブタの男の取り合いは苛烈なのだ。
だがそれは誤解だ。
彼女たちは下手人を釣り出す為に送り込まれていた。
同 上空
「相変わらずデカイな。だがそうノロノロと飛んでるならタダの的だ!落ちろドンガメ!」
空を悠々と飛ぶ深山目掛けて、シェンノートは自機を操作しつつ声を上げた。
引き金が押し込まれ、搭乗するP-36から火箭が放たれる。12.7ミリから放たれた弾丸が次々に巨人機に命中するが、図体がデカい奴めはそいう簡単には落とせずお返しが飛んでくる。
「くそ!だから新型を持って来いと言ったんだ!」
悲鳴を上げ続ける蒋介石の要請により、史実に輪をかけて急がれた今回の義勇軍派遣は、その歪みをモロに受けていた。シェンノート自身が操縦桿を握っている事と搭乗しているのがP-36とであるのがその証左である。
余りに急がれた為、兵の練成にも時間が掛けられず、この様な旧型で出撃する羽目に彼は陥っていたのだ。
「もう一発!」
だがそれも相手が爆撃機だけならば許容はできる。
練成途上の兵であろうと大口径の機銃が一門しかないP-36であろうと、高速で袋叩きにすれば落とせるのだ。その証拠にこれまでの戦闘で既に三機の巨人機が中華の大地に叩き付けられている。
その事実に気を取り直したシェンノートは旋回しつつ再攻撃を掛けようとした時、異変は起こった。
コックピットを覆う防弾ガラスに飛び散る粉塵と凄まじい衝撃。
それは真上から来た攻撃だった。
「?????!!!!」
思わず上を見上げる彼、そしてそれは太陽の方からやって来た。
再度の衝撃、7.7ミリ機銃が正確にコックピットに撃ちこまれる。
そして乱戦。
これまで巨人機を袋叩きにしていた筈の味方が次々と食いつかれていく。
「野郎!こんな玩具で勝ったつもりか!」
その事にシェンノートは逆に闘志を掻き立てられた。痛くも痒くも無い攻撃、まだ飛べるのだ、遊ばれてなるものか!
だがその闘志も、無線から流れ出た味方の悲鳴を聞き水を掛けられた様に萎んでしまう事になる。と言うか闘志が疑問に変わったと言う所だろう。
「助けて下さい大佐ぁ!ケツに!ケツに!んほぉ!!!!」
「止めろぉ!服が千切れぇえええええええ」
「ベルトが急に締め付けて、、、、うあぁ!めり込む!俺の息子に何か入って!うあやぁあああ」
それは確かに悲鳴であった。
でもね毛色はちょっと違うの。
男がンホゥされる悲鳴なんだなぁこれが。
操縦席を突き破って現れた、機械油に塗れの鉄の塊。
ウネウネと動きながら侵入してくる固定ベルト。
グルグル回る計器とエンジン回転に合わせてフットバーが絡みつき、機体に人体を引き込ん行く。
男たちは機械の性暴力に晒されていた。
「???????????、、、!」
その声を聴いたシェンノートは迷うことなくキャノピーを開け機外に飛び出した。
それは直観だった。
犯されると言う原始の恐怖、メス堕ちの怪しい囁き、それが敵機を前にして彼の勇気と闘志を魂消えさせていた。
だが遅かった。
急速な落下感、迫る地面、開く落下傘、悔しくはあるがやれ安心と思ったその時。
無人の筈の愛機が口を開けていた。
「ひっ!」
それはまるで、いや確実に狙ってシェンノートを受け止める為にやってきたのだ。
ジタバタと空中で藻掻く彼を無数の鉄と革とジェラルミンの触手が優しく受け止めた。
「「「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」」」
空に無数の声が響いた。
男たちを散らせた機体。
零式艦上戦闘機。
その伝説、最初の一ページが幕を上げたのだ。
こうして空の生存競争は続いていくのです。
ソラトビウミチチウシの戦いもまだまだこれから、我々、取材班も更に素晴らしい映像を皆さまにお届けする為取材を続けて行きたいと思います。
本日のイき者恥丘紀行はどうでしたか?
次回は東南アジアに生息する、ニマイジタコウチャクルイとダレガオバサンダイホウケンチクの脅威の対決に付いてご紹介させて頂きます。
では皆さんサヨウナラ!




