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ノモンハンに散る菊の花 ガバ穴熊さん鋼鉄五ヶ年殺し 其の二

 遂に日ソ激突か!と言う所な訳ではあるが、ここでまた一つ余談である。


 話がポンポンと飛んで申し訳ない。


 この話のキモである不思議エネルギーであるオルゴンであるが、その本質について、読者諸氏はどうお考えで居られるだろうか?


 「いい加減な頓智気エネルギーなんだから何でもアリだろ?」


 そう雑に考えてしまっては困る!それではオルゴンの本質に迫れないのだ!


 迫りたくない?嫌でも迫って貰う!


 これまで述べて来た所では、オルゴンの影響は、物質領域の他に、精神・非物質領域にも影響を与えうる事は理解されたと読者諸氏には思われる。であるが、これまでそれは有機・無機限らず生命、もしくはそれに準ずる知的存在に限られて描写されていた(始めの邪神云々は例外であるが、あれ知的存在でしょ)


 であるが痴的とはなんであろうか?生命とは?電気信号は生命なのか?自立思考を有する機械は生命か?肉体を構成する物質に炭素と珪素で差異は?小難しい事を並べ立てて申し訳ないが、これは重要な問題なのだ。


 なぜか?


 性癖には無機物愛も機械仲良しもあるからだ!


 ドラゴンカー仲良しも立派な性癖!世の中には車の排気口に突っ込む奴もいる!造山運動は何方が受けか攻めか?神話の時代、空と大地が交わり世界は生まれた!妄想は無限大!意志の力は無限大!


 結論を言おう!オルゴンは差別をしない!オルゴンは感情のエネルギーである!愛が在ればそれでOK!俺は無機物でも食っちまう!性愛の対象であればそれは痴的になる可能性を秘めている!


  生命とは他者と交わり次代を作ろうとする意志その物!女神とその従僕たる星はそう定義する!惑星に隕石が衝突するのも広義のFOX!宇宙的受精!そこに意志が無いのであれば作る!この宇宙を生命で溢れさせ、痴的生命を生み出す事もまた先触れの仕事なのだ!


 これで筆者が何を言いたいか分かって頂けたのではないだろうか。


 分からない?


 ではこれから話しを元に戻すので、そこで発生した悲劇である


「熊さんガバ穴調教」をご覧いただきオルゴンの偉大さと宇宙的恐怖を知ってもらう事にしよう。





 ソ連極東軍第11戦車旅団所属の戦車兵ニコライ・マコビッチ少尉は嫌な予感を振り払えずにいた。それは偏に、1938年7月に起こった張鼓峰での一連の戦闘、そこで出た戦車の損害の詳細が、未だ秘匿されているからだった。そしてハルハ河を超えた第一陣の戦車兵の運命も。


  理由は分からない、調べた所でNKVDが直々に緘口令を敷いているので嗅ぎ回れば命に関わる。実の所、彼はその戦闘に参加し撃破された戦車の乗員と偶然話はできたのだが、詳しくは分からなかった。ウラジオストクの軍病院に収容された戦友はうわ言の様に「戦車が、戦車が」と言うだけで完全に精神をやられており、回収されたと言う車両もNKVDによってモスクワに送られしまっていた。


 分かった事は、モスクワに送られらた車両の警護に当たっていた人員が見たと言う、NKVDの政治委員が忌まわしい物でも見るかの様な視線を戦車に送り、決して車体に近寄ろうとしなかったと言う事だけである。日本軍の新兵器にやられたのだ?そんなそれは車体を破壊せず乗員の頭を壊す、そんな不気味な噂も真しやかに囁かれていた。


 

 1939年5月、1939年に入ってから度重なるモンゴル軍の一部と日本軍の「不法な接触」を問題視したソ連軍とモンゴル軍はこれを一掃するべく接触現場を強襲、逃げるモンゴル軍一部隊と日本軍の混成をハルハ河を超えて追撃した。


  彼らがここまで強気に出たのには訳が存在する、先年の張鼓峰での戦闘の結果、日本軍の装備は確かに非致死性の物であると確信でき、その脅威に対してもある程度は対処できたからだ。既に中国共産党から矢のような催促で支援を要請されている以上、物資だけではなく実力である程度は圧力を掛ける必要があり、その準備も整ったとの理由もある。


 彼らとしてはモンゴル軍の綱紀粛正は言い訳に過ぎず、ここで日本軍を叩いて置きたいのだ。そしてあわよくば異常気象の発生するこの暖かな土地を確保もしたい。


 だからこそ万全の準備を整えてはある。モンゴル軍騎馬部隊にもガスマスクは至急しているし、極東軍の機甲戦力は増強されたお陰で、今回はBT-7を主力とする16両戦車を含む大部隊での渡河作戦であった。


 それが壊滅した。理由はそれこそ分からない。如何にか脱出できた指揮官のイヴェンコフ大佐によれば、陣地に襲撃を掛けたきた日本軍が有していたのは軽戦車のみであり、機甲戦力の有利を生かして逆襲に出た所、次々に擱座し、その事に混乱していた所、忽ち日本軍に踊り込まれたというのだ。


  この報告に6月5日に、渡河作戦の失敗に更迭された軍司令に変わり着任したゲオルギー・ジューコフは慌てなかった。寧ろ興味すらもっていたと言った方が正しい。


 日本軍の装備に関しては彼女ら自身が各国に丸裸同然に公開しており、何処にそれ程の新兵器を隠していたのか不思議でもあるが、その脆弱性、事に非致死性兵器を頑なに使うと豪語している事から心配はしていなかったのである。


 無論彼であるから油断はしていない。唯如何にガス兵器に類似した兵器を使おうと、事前調査の結果と中国での戦闘を見る限り、こちらに比類する程の兵力は維持できていないとの真っ当な判断が彼にはあった。


 であるのでハルハ河渡河作戦が失敗した後も続いていた小規模衝突を拡大し、当初の目論見の通り、大規模攻撃に踏み切ったのだ。戦車兵ニコライ・マコビッチ少尉が投入されたのは7月2日、日本軍戦車第4連隊との本格的な戦車戦であるバルシャガル高地夜襲であった。


 


 「また当たった、良く当ててくる!だがそれだけだ」


 次々と乗車しているBTー7に着弾する敵軽戦車の砲弾、だがそれは当たるたびに砕け照明弾の光に照らされてキラキラと粉塵を巻き上げる。


 (クソッ!鬱陶しい事この上ない!なんでガスマスクを付けて戦車に乗らねばならんのだ!)


 着弾の衝撃の中、少尉は毒づく、日本軍の兵器が非致死性とは言いながら毒ガスであると言う事は理解している。実際、装面の遅れたモンゴル兵が股間を抑えて崩れ落ちる所と、彼の放心した顔が先ほどから頭に焼き付いて離れない。


 (なんで気持ちよさげでやり切った顔なんだよ!男のイき顔なんて見たくねぇよ)


 だからと言って頭では理解しても感情では理解はしかねる。こっちが必死に戦争しているのに向こうはお遊びで戦争している気がする。それと単純にむかつく、車内の空気も緩んでいる。


 「装填遅いぞ!ミーシャ!何してる!」


 「そんな事言っても!こっちは兼任なんですぜ!」


 そうは言いつつもニヤニヤしているのはガスマスク越しからでも分かる砲手のミハイル軍曹、彼も緊張感と言う物が欠けているとしか思えない。


 「仕方ないでしょ少尉殿!相手は半裸の女ですよ!真面目にやる方が馬鹿ですよ!」


 運転手席からもそんな声、相手は運転のポポフ伍長だ。彼の顔もどうせニヤついているのだろう。


 どうせ死なないし負けても殺されない、寧ろやれる。この考えはソ連極東軍を蝕む悪疫の正体で、戦闘中にも関わらず緊張感を欠いている理由であり、それは事実だ。そう事実であるから厄介なのだ。


 「お!あれ見て下さいよ少尉!あいつ等戦闘中なのにやってやがる!スゲェなマカク!」


 「真面目にやれ!貴様の言う通り、いまは戦闘中だ!」


 照準中にペリスコープから見えたのであろう、戦車が入り乱れる戦闘中にも関わらずマカクが腰を振り始めたのだ。馬鹿か!死んでしまえエロ猿共!


 「10時方向!至近だ!撃たんか馬鹿者!」


 「へいへい、ほらよ!貫通!ありゃすげえや全員生きて飛び出してきた!しぶといねぇ向こう」


 (クソ!だがまあ此方が優勢な用だ、戦車戦ではだが、、、早く救援に行かんと陣地が危な、、、)


 「眩し!なんだどこの馬鹿だ!探査光を味方に向けるな!」


 早くこの場の始末を付けて味方の援護に、そう考え車外に顔を出した少尉の目を晦ませたのは強烈な光であった。思わず目が眩み車長席に座り込んでしまう。目が見えない。


 「ぎゃあ!!!!!!!」


 「止めろ!!!何を!!!」


 そして、そんな悲鳴が無線から聞こえた。それは百メートル先程で戦闘をしていた三号車の車長の声と彼の砲手の声だ。


 「おい!どうした三号車!取りつかれたのか?」


 日本軍は肉薄攻撃を良く行う。今回の戦闘でも戦車が走り回る中、こちらの戦車の中に飛び込んで来る奴もいた(飛び込んだ後中でナニをしているのか考えたくない)。


 であるので思わず声を掛ける少尉、だが返事はない。するとどうであろうか、三号車だけでなく周りにいた味方車両まで動きを止めて行く。


 ゾワリと嫌な予感がした。張鼓峰での損害車両、謎の新兵器の噂、其処に思い至り、退避と言う言葉が喉元まで出てくる目はまだ見えない。


 「おぎゃぁああああああああ!!!!」


 耳元にそんな声が聞こえた。


 アレはポポフの声。


 「おい!どうした、、、、あ?あ?ほわーーーーーーーあああああああああ」


 そしてミハイルの声、目はまだ見えない、だが一つ分かる逃げなければ自分は死ぬだろう。


 眩む目と車内の暗闇の中、少尉は車長席を蹴りハッチから身を乗り出そうとして、、、、、


 重い、途轍もなく重い何かが自分を掴んで車内に引きずり込む


(目が見えた、だが見たくない!嫌だ!見てしまったら俺は俺は、、、)


 訳の分からぬ恐怖の中、少尉は幼子の様にいやいやをする。だが彼を掴む力は更に強く、そしてその圧力は腰に更に下にお尻の方に勢いを増して、、、、



 ここでまた余談に移る。良い所であるが申し訳ない。


 先ほどの余談で筆者は愛が在ればどうとか述べた訳であるが、愛とはなんであろうか?愛するとは愛玩も愛護も含む言葉である。そしてそれは動物にも道具や機械にも適応される。


 さて此処に一両の戦車があるとしよう。この戦車は命を預ける機械であるから乗員には大層に大事にされ日々整備を受け、苦しい訓練の中にも愛着が湧き、戦闘ともなれば相棒として頼りにするだろう。


 これを戦車の側から見たらどうであろうか?自分を大事にしてくれ、相棒と呼び、命を預けてくれる乗員を戦車は愛おしく感じるのではないであろうか?


 無機物だろと等と無粋な事は言わないで欲しい。日本には付喪神と言う信仰だってあるのだ。戦車が意志を持ち乗員を思っても良いのではないだろうか?


 二次元ならばだが


 だがこれが三次元世界に現出したらどうであろうか?オルゴンと言う奇跡の力は無機物だろうと愛があればOKと先ほど述べたが、読者諸氏も愛車に迫られたら困るだろうよクリスティーン。女体化してくれれば良い?


 だが悲しいかな只今現在、不幸な少尉と乗員を襲っているのは無機物なんだ。オルゴンの力は愛され奉仕する為に作られた道具に一時の奇跡を与えたのだ。


 性的な


 所で戦車って男かな女かな?デカイ砲身下げて打ち合うんだから男かな?益荒男どもを鋼鉄の胎内で守る揺り籠(棺桶とも言う)だから女の子かもね。


 まあ良い。少尉が乗ったBT戦車に浴びせられた光線、試製95式怪力線照射装置はどちらかの効果を齎したのは確かなのだ。


 祝え!此処に新たなる搾〇機BTー7は誕生した!


 NKVDが隠したかったのはこれなのだ。搭乗車両に機械的仲良し行為され危うく融合され掛けたと言って乗りたい奴はいないであろうし、そりゃあ精神的にオカシクもなる。


 「おかあさあああああああああんんんんんんんんんん!!!!!!」


 そう叫びを上げた後、少尉とそのデリケートな部分は散った。彼の搭乗車両は男の娘であったのだろう。他にもナニを車体や装填口に引き込まれ主砲から勢いよく迸った者もいる。ああ何と言う残酷な物を日本帝国は作りだしてしまったのであろうか?


 ソ連軍がノモンハン事件に投入した機甲戦力438輌と装甲車385輌。その内三分のニの乗員が愛車に犯され、残りがメスブタの贄として消えた。


 砲戦力では圧倒し、結果から見れば勝利と言えるノモンハンでの衝突、これをソ連が秘匿し続けた理由、そして若干迷走したソ連装甲兵器開発の理由がそこにはあった。


 

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