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イグゥ!アへ顔!観音開き!

 だかこうして首相渾身のほぼ全裸土下座によりOKサインは出た。列強各国は少なくともオルゴナイト兵器を黙認し、日本帝国はそう認識した。

 ソ連さえも対装甲能力皆無と言う事で渋々黙認を選んだのだ(そして満ソ国境の機甲戦力を増強した)。


 これは各国査察団による調査、その結果による所も大きい。査察を受けた陸海軍は大変に協力的で、調査団は余す所なく査察を「満喫」した後、母国へ「大丈夫なんじゃないすか、極東の紛争ならまだしも現代軍には脅威にはなりませんよ、へーきへーき」と報告書をしたためた。


 まさに第一次大戦後にあったアレの焼き直しである。彼らは「問題無し」と本国に伝えたのだ。


 それ程に帝国の全領域を覆う認識改変のレベルは凄まじいと言う事でもある。日本軍の侵攻に合わせる様に、いや完全に一致して大陸へ侵食を開始した異常気象に足を踏み入れた者はオラッ!催眠を食らい、自らに危機が迫りでもしなければ、余程の事でないとスルーしてしまう様になる。




 具体例として上げるならばソ連査察団の悲劇が好例であろう。日本帝国と国境を接するこの国は日頃からメスブタの獣害に悩まされている為、査察団に多数の女性を伴って帝国に乗り込んで来ていた。男女の平等を謳い、実際はどうであれ女性の社会進出に積極的なソ連だから出来た対策である。

 だがこの対策は日本帝国には織り込み済みであった。日本帝国に生息するのは何もメスブタだけではない。数は少なくとも対女性最終決戦兵器である○○けオジサンがいるのだ。


 この○○けオジサンであるが、一口にオジサンと言っても多種存在する。童顔型、油ギッシュ型、男の娘擬態、モブ顔巨根など数々の亜種がいる。メスブタの淘汰圧が帝国男性の進化を促した結果である。


 彼らは日夜、襲い来るメスブタの荒波から一般男性を守る為、自らを盾として捧げる性技の戦士であり、己の命を燃やして帝国の政治、軍事、経済の(男の取り合いによる)崩壊を防いでいる。彼らの尊い犠牲により帝国の痴安は一定の安定を保っていると言っても過言ではないだろう。


 それ程の尊い存在を日本帝国は惜しげもなく対ソ情報戦兵器として投入したのだ。結果は言うまでもない。



 検閲


 如何な鋼鉄の男に選ばれた赤い思想に染まった女たちと言えど、あらゆるタイプを用意した男たちの前には無力であった。日本帝国の○○けオジサンたちも又、メスブタに準じた能力を持ち合わせており、そのメスブタ達をも時に打倒せるタングステンなアレを持っているのだから。


 オルゴナイト製兵器の使用に関して一番の強硬派であるソ連がこの有様であるなら、他国はもっと酷い事になっている。訪日初日にメスブタの襲撃を受けた彼らは、飲んで食って抱きに抱いて骨抜きにされている。

 ソ連に次いで新兵器投入に警戒感を露にしていたアメちゃんとかも念入りに篭絡された。横浜に着いた時点で外務省喜ばせ組、防諜研究所篭絡課、横須賀鎮守府各艦陸戦娘に囲まれ、バラバラに攫われて行ってしまう。

 彼らはそこで楽しく仲良く旅の疲れを癒した後、一月以上を掛けて帝国軍の新兵器とその研究、運用状況を査察して帰っていったのであるが、驚くべき事に日本帝国は本当に包み隠さず全てを見せており、そこには例の721部隊をも含まれていた。




 


 「左手をご覧ください。こちらが生態実験棟でございます」


 「生態?あの?動物実験ですよね?なにか叫び声が聞こえるのですが?」


 「大丈夫ですよ!コンプライアンスにそって運用しております!御覧になって頂ければ誤解はすーぐ解けます!さあさあ此方にどうぞ!」


 「出して!!ここから出してくれ!!いや違う!!その出すじゃない!もう出ない!出ないからぁ♡!!」


 「叫んでいますが?」


 「コンプライアンスに沿っております。私どもは彼の体を一筋たりとも傷つけてはおりません。それに元気そうでしょ?彼はえーと新薬の実験に従事されているので、アレですよ錯乱しちゃったのかな?ですがご安心下さい!我が研究所では被験体に週二日は休みを出しております!」


 「はぁ」


 「オボォ!!!!!オゲェ!!!!アギィ―――♡!!!」


 「その、、、あれ??私が可笑しいのかな?向こうの実験室で女性が、、、、」


 「ああ!アレですか?アレは内の所員でして、ちょ~っと薬品の量を間違えただけです。よくあるんですよ。ご心配にはおよびません!死にはしません!内の所員は頑丈ですから!」


 「えぇ、、、そうですか、はい、、、それで向こうから走ってくる方々も所員で?」


 「へ?ああ!アレは、、、、トミ子!被験体が脱走してます!警備!警備を呼んで下さい!早く!!」


 「了解しました。では見学者の皆さまは此方に」


 「わかりました落ち着いてますね、それで本多副所長?なぜ石井所長の車椅子から手を離されるのですか?」


 「囮。所長は身を挺して皆さんの安全を守るとお言いです」


 「言ってません!また私を犠牲にするつもりですか!あの後一日お股が痛かったんですよ!待って!行かないで!置いてかないで!トミ子~!!!」




 「石井所長叫んでますが?」


 「コンプライアンスです」


 「そうですか、コンプライアンスって複雑な意味を持ってたんですねぇ」



 721部隊の査察を実地で行っておきながら、この体たらくなのだ。辛うじて常識的な部分が研究所の杜撰な管理態勢について是正を求め、日本人は所員を含む人員の人権状態に留意すべきであると報告を上げてはいるが、どうにもオルゴナイト利用についての危険性と言う部分では言及はされていない。


 そも彼らの認識では秘密実験施設を査察したとの認識すら無い。ただただ日本帝国がはいどうぞご覧くださいと言ってきた物を酒池肉林の日々の中見て来ただけなのだ。


 日本帝国を丸裸にしてやると意気込んでいた各国軍と政府は肩透かしを食らった形である。ただ彼らも無能には程遠い存在であるので、査察団の調査報告書と聞き取りに違和感は覚えているのは確かだ。




 査察団の方でも本国に戻って正気に返った後、「あれ?なんかおかしくね?」とは思ってはいる。しかし、思っていても極楽の日々でウッハウハしてました。もしかしたら子供の2、3人も向こうでこさえて来たかもしれませんとは言えない。


 こうして日本帝国は当面の問題。オルゴナイト兵器の利用を条約違反として吊るし上げられ禁止されるという最悪のい事態は回避できたのである。


 そうであれば一切の障害は取り除かれた。既に華北は阿媚嬌姦の痴獄とかしており、その業火は上海を燃やし南京へと迫っている。


 そして大いなる野望の第一歩もまた静かに動きだそうとしていた。




 1937年12月


 二つの事件が世界を揺るがせる。


 「僕と契約して苦労を分かち合ってよ」


 静かにその口から出でた御言葉。


 その言葉は悪魔の誘惑か現人神の懇願か。


 激動の時代に最後の皇帝は運命の時を迎える。





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