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ビキニと機関銃 首相恥辱の全裸土下座 

 とその前に、一連の日中の争いに突然に巻き込まれた国々の反応を見て行こうと思う。これは今後の展開には大変に重要なお話であり横道にそれた訳ではないので理解して頂きたい。


 何故かと言えば毒ガス兵器(としか見えない物)を堂々と使って戦争してる国がいるからです。


 これを説明せずに放って置いて話を進めて行くと、世界は再度毒ガスを利用した戦争を開始してしまう事になります。そんな事を望まない大日本帝国君はテメェだけチートを利用しても良い環境を作る為各国を説得する必要があるのです。



 

 第二次上海事件。それは史実以上に世界に衝撃を持って報道される事になった。


 戦場に立ち込める煙と次々と倒れる兵士、それを踏み越えて進撃してくる軍隊の姿は列強各国をして思い出したくない記憶の再現であったからだ。


 これには近ごろ欧州各国から白い目で見られているドイツさえ過敏に反応していると言うのだから、センシティブな話題なのだと言う事は確かである。


 「「「これはどう言う事かご説明を願いたい!」」」


 各国大使、特に怪しい動きを見せるドイツとの問題を抱える英仏は、これ以上問題を増やすんじゃねぇと青筋を浮かべて抗議を行ってきたのだ。当然であろう今回の事件で日本軍の使用した兵器は、上海防衛でも盛大に使用されており、各国租界内に着弾した物も多くある。




 生臭い理由もある。


 報道によれば小銃弾の一発でさえ、日本軍の兵器は毒ガスに類似した効果を出すとの事なのである。詰まり既存の毒ガス兵器とは違う新兵器が登場したと言う事なので、これを機会にその情報を引き出せと本国からは大使館に強く要請が来ている。


 ドイツがその筆頭。国防軍としても如何な格上であろう日本軍であっても、自分達の指導した戦術も売却した武器も容易に破られたとなれば衝撃的で真実が知りたい所であるし、総統もまたそれ程の物があるなら欲しい。


 この世界でも近衛首相の肝いりにより防共協定は結んでいるので、友好国として「言い訳あるなら、オジサン聞くよ?言ってごらん、謝るなら口も利くよ」とネコナデ声さえ出している。




 この問題に対して対処を迫られた近衛内閣が出した答えは、近代日本政治史に於いて類を見ない物であり、正に温故痴新、過去と未来とエロを合わせたウルトラC。


 「私が行きます!世界の皆さまに日本の!私の覚悟を見せて説得してまいります!」


 簡単に申しますと土下座行脚であった。


 事変、事変とは言いながら実際には全面戦争をしている国の首相が、率先して各国に説明をしに行ったのである。そして土下座は土下座でも半端な土下座では無かったのだ!


 それは(ほぼ)全裸土下座である!


 エグイ角度の下と、あんたそれ隠せるの?な上の水着を着用し近衛は世界に謝罪(恥)を振りまいたのだ。


 具体的には安全性のアピール。


 まず訪問先で真っ当な交渉と説明。


 此処までは普通。




 その後が問題。


 アメリカ合衆国映画の都ハリウッド。多くのマスコミ関係者とショービジネス関係者が集まった特設射撃場に現れたのビキニの女であった(ビキニの呼称は、当然ながらまだこの世界では存在せず、ジャパンないしヘンタイに置き換わっているが分かりやすさを取る為ビキニを使用)


 ビキニの柄は星条旗であった。


 ビキニの女、日本帝国宰相近衛文あやは堂々としていた。鼻息も荒くふんすふんすしており、その頬は些か紅潮していた。何となればこの万座のいわんや合衆国全土に己の痴態を届けると言う興奮があったからだ。


 そこまで考えて


 (いけません、いけません。痴態では無く謝罪でしたわね)


 と思い直し、集まった人々に語りかけた。


 「お集りの皆さん。私、日本帝国首相近衛文でございます。昨今、我が国が使用している兵器に関しまして合衆国国民の皆さまに多大なるご懸念とご心配をお掛けしました事深く謝罪致します」


 そこまで言って彼女はペコリとお辞儀をする。途端に焚かれるフラッシュライト、映画撮影機のレンズは彼女に向けられニュース映画が撮影されている事がわかる。


 


 集まった関係者の中、小さく可愛らしい東洋の美女がお辞儀をするのをニンマリしながら見ている人物がいる。


 この場を整えた新聞王の異名を取った男、ウィリアム・ランドルフ・ハーストその人である。この人物、史実であれば既に事業事態が傾き始めており、ハリウッドの仕事からは引退しているのであるが、この世界ではエロ事業方面でも大々的に成功しまだまだ現役なのだ。


 彼の成功の裏には日系人とそのケツ持ちである日本帝国の影がある。美しき日系人の存在にいち早く気付いた目敏い男は日本帝国に自身で交渉に赴き、保有する新聞や雑誌は言うに及ばず、ショービジネスの世界にもエロなら何でもしてくれる美女軍団を連れて殴り込んだのである。


 そして成功した。ハリウッドの大物たちに美女を宛がう事で弱みだって握っている。だからこそ金蔓である日本帝国の首相の要望に応えてこの場を用意した。


 それにだ。今回この場の大イベントが、彼に大金と話題性を与えてくれる事は間違いない事は分かりきっている。なによりこんな面白い事他の誰にも渡してなるものか!



 ハーストが見ている中で少女(四十過ぎ)は続ける。


 「そこで!私皆さまの疑念を払しょくする為に決めました!この場にお集まり皆さまにはその承認になって頂きたいのです!」


 ご質問どうぞ。そこまで言い終えた近衛が質問を聞くと言うので、その場にいる記者たちは質問を始める。


 「それは件の兵器の使用を取りやめると言う事ですか」


 「違います。我が帝国は既に陸海全てで新兵器を導入しておりますので、これを既存兵器と再度入れ替えるのは、予算的にもまた人道的も不可能です」


 「何をこの場で証明されるのですか?また人道的とはどういう意味ですか?」


 「我が国の運用する兵器の安全性についてです。人道的についても其処に関係致します。我が国のいわゆる所の新兵器は全てが非致死性ですので、それを既存致死性兵器と入れ替えるのは、今次事変に於いて我が国と紛争中の支那軍閥と、それに従わざるを得ない状況にある支那人民の命をいたずらに奪う事になりかねません。それ故に人道的と申しました」


 「それではどの様な方法で証明を見せて頂けるのでしょうか?」


 最後の質問を受け近衛は形の良い胸を小さく揺らして胸を張った。そしてトンデモナイ事を言い出す。




 「私自らがこの場で撃たれて御覧にいれます!この玉のお肌を晒し、我が国の運用致します兵器の的となりまして安全性を証明いたす所存です!」


 そう近衛が言うと事前に準備していたのであろう、トレンチコートにボルサリーノ、ザ・マフィアと言った風情の男たちが出てくる。彼らの手にはトンプソン機関銃が握られている。


 「あっそれとですね!今回の企画には我が帝国にも支店を開いていらっしゃる。コルト社様、スミス&ウェッソン社様のご協力も頂いておりますのでご紹介させて頂きます。今後とも良しなに」


 そしてちゃっかり宣伝もする近衛。


 流石にその場に集まったマスコミはざわつき始める。逆にショービジネス関係者は、ははーんと言う顔や銭の匂いを感じた顔だ。


 だがそんな騒めきを気にもせず近衛はサッサと射撃場奥、的のある方へと歩いていくではないか。それを見た記者たちは集団心理であろうか、少女がハチの巣になろうと言うのに止めもせずシャッターを切り始め、カメラを回し続けている。




 トンプソンを持った男たちも射撃位置に付いた。男たちは銃口を近衛に向ける。心なしか、いや確実の男たちも汗をかいている。狙いを付ける、正門の向こうには星条旗ビキニの少女、まだ胸を張っている。


 バッババババババババババババババ!


 その様にか聞こえない銃声の連なり、関係者たちは流石にどよめきを上げた、何となれば本当に着弾しているのだ。胸を張っていた馬鹿女は倒れ。周りにあった的たちにも穴が開いている。


 シーーーーーーンとした空気、何故だろうか硝煙の匂いはせず甘い匂いが立ち込めている。


 死んだんちゃう?幾ら模擬弾とかだったとしてもあそこ迄撃たれて無事なの?だれも言葉を発しない。


 数舜の間、誰もがハチの巣にされた近衛の方を見ていた。笑いを堪えているのはハーストだけだ。そしてムクリと近衛が起き上がるのが見えた。彼女はヨロヨロと関係者の所に戻ってくる。


 彼女は無事だった。だがその色気と言ったらない。髪は乱れ、オルゴナイト製銃弾を受けた肌は赤くなり、無事だった部分はピンクに染まり、ビキニパンツの星条旗は湿り気をおび、太ももには汗に紛れ、透明で粘液質な液体が垂れていた。


 そして彼女の匂いと表情は


 「襲って下さい。私は準備OKです」


 と確かに語っていた。その場にいる関係者は我知らずジョンがスタンダップするのを止められなかった。


 「ど、、、どうでございましたか?安全でしょ?ちょ~っと私、、、、んんん♡足に来てはございますが、、、おっ♡、、、、この様に我が国の兵器は安全安心ぃ~♡毒ガスなどといぅ~♡ひ~じんど~♡兵器でわ~♡ございません~っ、、、、あっもう駄目」


 そこまで言って近衛は倒れた。



 これが帝国首相ほぼ全裸土下座行脚事件の一幕である。この時撮影された写真と映像は米国全土のハーストの息が掛かった映画館で公開され、新聞には近衛の痴態が掲載された。特にニュース映画は大人気であり星条旗ビキニ美少女が撃たれ倒れる衝撃映像は全米の少年の少なくない数にイケない性癖を開花させたと後に言われている。


 これを近衛はハーストと組み、全米三か所で行ったのだ。合わせてオルゴナイト粉塵吸引イベント(乱交付き)も行い。合衆国政府には正式に査察団の受け入れと少量のオルゴナイト製弾薬の供与も約束している。


 そしてこれを行ったのは何もアメリカばかりではない。




 米国から戻った近衛は、その足で海軍の九六式陸上攻撃機を使用しての世界ほぼ全裸土下座行脚にでる。そして英国では全力で英政府に阻止されて、BBCラジオ主催のゲリラ土下座の結構、次いでフランスで元彼に刺されそうになりながらのパリ大群衆ライブ土下座、ドイツで国防軍主催の大島大使とのダブルライブ、ソ連でNKVD担当官から「お願いですから止めて」と泣いて止められている。


 この体を張った交渉の結果は良好であった。別にそんな事しなくても査察団を受け入れれば良かった気もするが誠意は受け入れて貰えた。


 各国ともに供与された弾薬での独自実験を行った結果でもある。装甲も、人体すら傷つける事も出来ない弾薬、粉塵も毒ガスなどではなく金属粉であり、水で濡らした布程度で防げる代物であり、何よりも本当に非致死性なのだ。


 ラットも死ななかったし、秘密裡に行った人体実験でもドピュっとして倒れるだけ、経口実験でも寧ろ血行と肌艶が良くなっている。これを禁止にして鉛玉に戻される方が自分に向けられた時に脅威であるだろう。


 そう各国は結論付けた。


 その真の恐ろしさを彼らは理解できなかったのだ。



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