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アクメの飽食其の二

 「んぎもちぃ~~~~♡」

 

 「あひ♡~」


 「なんでだよぉぉ!!何で黙ってるんだ!俺の体に何したんだ!腰から下がなにも、、、おっほぉ♡」


 コツコツ、カラカラ、車椅子の女とそれを押す女。リノリウム張りの床に足音が響くのに合わせる様に、彼女たちが歩く廊下には嬌声が響き渡っていた。


 ここは721部隊の非道の集大成たる実験棟。其処に響く嬌声は此処に送られた男女(男6女4)の悲嘆と愉悦(連日の勤務でのストレス解消してる研究者)の物である。


 丸太(若しくは旦那候補)と呼称される哀れな実験動物たちは、初期には満州で蔓延っていた馬賊たちであり、日中の戦争が開始された今では、中華の大地を蚕食する日本軍将兵の手により乱獲されている在来種たちである。


 彼ら彼女らの運命は悲惨極まるとしか形容はできない。今や721に所属する悪魔たちは、一般の過酷者だけではないのだ。




 今廊下を行く超絶天才系美少女を自称する車椅子の女、石井が全国から搔き集め、またどこから嗅ぎ付けたか、彼女も知らない内に居座っているマッド系痴女たちは、オルゴン研究の分野で人体実験がしたくてしたくてたまらなかった人間のクズゥ!ばかりであるからだ。


 彼女たちはあのド変態蔓延る日本本土でさえ


 「なんてことだ!こんな事が許されて言い訳ない!お前変な薬やってんのか?もう一度言うぞやってんのか?」


 と後ろ指差され、北里研究所に理研、果ては各帝大研究室から、面倒見切れませんと言われて匙を投げられた気狂い共なのだ。オブラートに三重巻位して言えば先進的な研究者とも言える。彼女らはオルゴナイト、そしてその力の源たるオルゴンの可能性にSAN値を直撃された哀れな犠牲者とも言えるかもしれない。



 この世界にオルゴンが齎されて早三十余年。痴女になっても科学に身を捧げていたサイエンティストたちはこの頓智気に果敢に挑み一定の成果を上げている。


 それゆえの現在に至る帝国のオルゴナイト利用であり、物理法則に喧嘩を売るオルゴンを前にした日本の科学者たちは、それあるを受け入れて前提にした新しい時代のサイエンスに適合した(認識改変下にない海外からは一笑に付されているが)のだ。


 

 適合し過ぎた連中が現在721に所属するマッドたちであり、彼女たちは声を聴いてしまったのである。誰あろう「痴情の星」の声を


 「「「目覚めよ宇宙の真理に!FOXisパワー!ラブisインフィニティ!プレジャーisえた~にてぃ!ハァ~繁殖!繁殖!心を開け!股を開け!じゃあ入れるわよ!」」


 それは三徹目の朝に、それはオルゴナイトの頓智来さに頭が痛くなり寝込んで見た悪夢に中に彼女たちにブレインをファックしてゴミの様な情報を流し込んで来た。


 それは知識の断片であった。


 平和を謳歌する異なる世界のジャパンからのエロ知識。


 遥か彼方の文明、星の兄弟に汚染された天上の都市から放たれる、不定形生物たちのホログラフィック乱交の映像。


 行く万年の土壌エロ汚染に遂に屈服し、未知なる感覚に喘ぎ声を上げ続ける珪素の生命たち。


 主たる生命の衰退を拒否し、無数の世代をおねショタとイケませんわ!ご主人さまプレイで惚けさせ堕落の極みを追求する管理ロボット。


 それは冒涜、それは生命の賛歌、それは冷たい宇宙を燃え上がらせる女神の断固たる意志であった。


 これが彼女たちのお脳を直撃したのだ。直撃して正気度をファンブルさせた、


  そして見た。狂気の淵で輝く救い、荒れ狂うエロスの本流に耐えがたきを耐え忍び難きを忍ぶ一つの輝きを!


 かの方はスっごく辟易した様子であった。その眉は顰められをしており、龍顔は呆れと怒りに満ちており、その姿はメスブタたちの情欲を痛い程に刺激する極上のおともであった。




 時間にすればあっと言う間の出来事、研究所の床から、着の身着のままで倒れ込んでいた布団から跳ね起きたメスブタサイエンティストたちは、そこでマッドエロスブタに形態変化したのである。手の届かないエーロスの化身、自分達が目指す究極の一あるてぃめっとわんを知ったのだ。


 それが彼女たちをして狂気に狩り立てる正体であった。限りなき仲良しと過酷行為を通して彼女たちは神を今一度見ようと言うのである(この事態を現人神である本人が知ったら寝込んでしまうであろうが)




 


 カラリ。ガチャリ。


 車椅子がその動きを止め、それを押す女も動きを止めた。二人の女は研究所の最奥に至り、強化ガラスの向こうには恐れ慄く丸太がいる。


 車椅子を押していた女、全裸に白衣のみを纏った痴女の名は本多トミ子と言う。史実であればこの時期、海軍相手に水をガソリンに変えると豪語し、あの山本五十六をして詐欺ろうとした在野の研究者にして詐欺師であった女だ。


 だがいまの彼女は詐欺師ではない。狂気の淵を覗き込んだ彼女はその深淵でオルゴンの可能性に気付き、今や石井を補佐する地位(それと世話係)にまで登り詰めていた。彼女たちがこの場を訪れたのは、721部隊秘密研究に於ける一つの集大成にして醜態成をみる為である。


 「宜しいですか石井大佐?」


 「ええお願いします」


 「わかりました。では照射を開始して下さい」


 二人の女は会話を交わす。それを受け彼女たちの訪れを待っていたマッドメスブタ技師たちが忙しく立ち働き、堕地獄のエンジンと冒涜のマシンに電力を供給し始める。



 丸太。南京を目指し、国民党が威信を掛けて構築したゼークトラインに波状ブタ突貫を掛ける日本軍に捉えられた中国軍の一兵士。


  彼は厚さ9ミリ、凡そ帝国陸軍が採用する95式軽戦車の正面装甲と同じだけの圧縮鋼板に背中から固定され、その姿は正に戸板返しのお岩さん。暴れようと叫ぼうと最早逃れる事は出来ない状態だ。


 照射の命令を合図に、丸太が背中に背負った形の鋼板に向けて有る物が照射される。



 1秒、何事もない。2秒、まだだ。


 3、4、5、変化が有った。


 恐怖に喚き続ける丸太は背中に違和感を覚えたのだ。硬く冷たい鉄の板から温もりを感じ、それと同時に丸太の全神経が危機と悪寒を訴えていた。


 6秒、背中にじんわりと汗が流れた。


 7秒、温かみなどではない!熱い!背中が熱い!


 8秒、誰か!助けて!母さん!母さん!熱い!熱いよ!


 9秒、おで、、、どうな、、、て、、あつい、、お、、おんなぁ、、、


 10秒目、丸太は動かなくなった。




 「素晴らしい効果です!良くやりましたね皆さん」


 動かなくなった丸太を冷たい目で見ていた車椅子の女、721部隊の長である石井は感服したと言った様子で技師たちを賞賛した。彼女が此処まで露骨に部下を褒める事は先ずないのだが今回ばかりは違うそれはそうだ。この実験の成功により721部隊は世界初の指向性エネルギー兵器の開発に成功したのだから。


 頓智気蔓延る帝国と言えど未だオルゴナイトの利用、特に海軍は使用弾薬に総オルゴナイト製を利用する事を根強く反対する者たちがいる。標的艦を持ちいた実証試験を行ったと言うのにである。


 であるが彼女らの主張も一理あるのだ。


 「「当たった瞬間に砕ける砲弾に意味何ぞあるか!貫通力皆無で海戦に勝てる筈ないだろ!」」


 扱く最もな主張である。標的艦摂津に詰め込まれた皇道派残党負けメスネコ、その無残な最期(のアへ顔)を目撃し指さして馬鹿笑いした事が無い者には、オルゴナイト製砲弾の威力はちょっと計りかねる所があるからだ。




 だがこの兵器は違う。読者諸氏も御覧になった通り此奴はたった数秒の照射で装甲を貫通するのだ。これが艦艇に搭載される大出力の物となれば、その威力は推して知るべしである。これで半分以上陸軍所属の組織に研究予算を大目に振られる事をきゅーきゅー五月蠅いウミブタも黙るであろう。


 陸軍も同乗である。この新兵器の登場には、オルゴナイト製弾薬の量産のみで満足し、海の物とも山の物と付かない新兵器の開発よりは既存兵器の発展を重視する派閥も、ぶぅの音もでない事であろうことは確実であるぶぅ。


 だからこその石井の手放しの賞賛であった。それだけでこの話は終わらないのであるが、、、



 

 「ところでこの丸太死んでません?それは不味いですよ?私は非致死性の兵器と言う事で聞いているのすが」


 「いえ大丈夫、そろそろ起きる頃です。その為に所長をお呼びした様な物ですから。ね?桃沢研究員?」


 「そうそう。低出力実験でも危うく壊されちゃう所でしたので、今回は所長を使おうと思ってお呼びしたんですよ。流石に四人がかりで返り撃ちにされるとは思わなかったなぁ」


 動かなくなった丸太、それがマジでピクリともしないので心配になってきた石井が技師たちに質問する。帝国の用いる兵器はその全てが効率的な狩りの道具であるから、「使うと死にます」では量産に踏み切れる筈もない。寧ろ「「なんでこんなの作った!おとこが持ったいないだろうが」」と総スカンを食らい兼ねない。


 「へ?なんですかそれ?」


 「ですから実験。これからが本番」


 「被験者は所長。所長はいまから丸太1000号。」


 「なに言っているんですか貴方達?アレ?なんで私の車椅子から手を離すんですか本田副所長」


 「ん、ごゆっくり」


 石井の疑問に対する答えは無慈悲であった。科学の発展の為には犠牲は付き物なのだ。


 「あの?丸太、凄い勢いで震え始めましたけど?なんかですねぇ、拘束を引きちぎり始めているのですが?」


 「これより!照射実験第二段階を開始する!」


 「被験者を丸太1000号と呼称!総員退避!捕まると壊されちゃうよ!駆け足!」


 技師たち、新兵器開発に携わっていた721部隊光学兵器研究班員による宣言、実験継続!被験者はお前!


 「ちょ!聞いてません!聞いてませんよ!なんですかそれ!何で隔壁を開けたんですか!待って待って下さい!私が何で車椅子使ってると思うんですか!動けないんですよ私!」


 「毎日、朝まで過酷して腰が抜けてるからでしょ?その世話をさせられる私の事考えてくれてます?大丈夫、別室で観察してるので壊されそうなら助けますから」


 「トミ子~!トミ子~!私を置いて行かないで下さい!」


 班員と副所長は駆け足で去って行き扉が閉まる。助けを求める石井の首もとに荒い息が掛かった。




 「あ~丸太君?そう息を荒げないで下さい?貴方は興奮してるだけすから?ね?そうだお手手でしてあげます!私の白魚の様な手はこれまでの被験者も大満足!あー!馬より大きい!これ馬より大きくなってます!トミ子~!トミ子~!私は一人遊び専門で男性経験は少ないのです!止めて!入らない!それは入らない!ああああああああああああああーーーーーーー♡」


  此処は邪知暴虐にして冷血非道の実験部隊721の恐怖の館。数多の犠牲者の上に数々の新兵器が開発される痴情の地獄だ。



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