表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/83

目と目が合う瞬間(雌雄を決すると)決まった

 そう近くにいた。変態は近くにすっごい近くにいた。


 その変態、後ろ指さされる性癖をこの世界では持っていて、本来であれば死ぬまで隠し通していた不幸な男の名前は馮治安 と言う。


 馮玉祥旗下で名前を上げた叩き上げの軍人である彼は、史実盧溝橋事件では、難癖つけて攻めて来る日本軍に第29軍軍第37師師長としての徹底抗戦を指示したのを初めとし、日中戦争から国共内戦まで戦い抜いた男であった。


 その歴戦の男はこの世界では致命的な性癖を抱えていた。妻はいる、子供もいる、だけどだけど幼い子供に性的に興奮する宿痾を持っていたのだ。




 勿論表に出して等いない。そうでなければ幾ら規律にバラつきがある国民党であっても、いやだからこそ速攻で政敵たちに集られて再起不能リタイアに追い込まれているだろう。


 そう抑え込んでいた。


 それも今日ここまでの事であったのだが。




 目と目があった瞬間運命を感じた。


 日本軍に対して攻撃を仕掛けたと言う部下の報告に頭を抱えていた、馮の元に訪れた、本人曰く「今回の不幸な接触に対して抗議ではなく誤解を解きにきた」と言う日本側の使者に彼は運命を感じたのだ。


 それは少女であった、と言うか幼女のレベルであった。


 牟田口と言う名の日本側の指揮官、今回こちらが攻撃を仕掛けた部隊の連隊長を名乗るようじょ。


 流れる長い黒髪、細い手足にうっすい胸、白かったであろう肌は日焼けており、蕾の様な口は引き結ばれそれが連隊の長を名乗っている。




 正直に言って彼女を通した部下の頭をかち割って正気か調べたい所だが、自分が承知する限り、日本軍自体が半裸の女で構成される狂気の集団であるので、そこは我慢しなくてはならない。


 でもこれはないだろう。


 だって幼女じゃん、ロリじゃん(中国でロリを何というのか分からないのでロリで通します。筆者注)百歩譲って女は良いよ?でも子供が指揮官ですって現れて通しちゃう?


 そう思い彼女を案内してきた副官の方を見ると、副官は困った顔ではあるが


 「日本側より、今回の件に関して交渉したいとの事で参られました。件の大隊の指揮官もその旨こちら側に連絡がありましたので、間違いはございません」


 と言いながら鯱張って敬礼し「俺は悪くねぇ!」と言った雰囲気を撒き散らしている。


 上官に対してあんまりな態度であるが、彼の言い分も一応は分かるので後で減給にしてやるだけで許す他は無い。そもここに十何年ばかり中華を蚕食する日帝は女しかいないので、そこに幼女は加わった所で何も驚く事はないのかもしれない。




 納得はできない。すごーく納得できない。でも我慢するしかない。何故ならば突然の衝突と言う事で急遽隷下部隊を調査した所、あいつ等はそもそも日本軍と性的に衝突していて、そこを浚われたと言う事が分かっているからだ。


 女を抱いていたら、その女に浚われたから攻撃しましたである。もう馬鹿じゃないの?いつから我が軍は此処迄落ちたの?、、、、元からか、、、ああ中華再興は遠い。


 遠い目になる馮。彼の脳裏には殴り合う軍閥の指導者たちと、そこに纏わりつくゲヒヒ笑いを上げている東夷産娼婦の顔が浮かんだ。酷い絵ずらである。


 「あの~、話を聞いておられますか?」


 しばし現実逃避する馮であったが、その彼を現実に引き戻す声が聞こえた。それは彼の前に立つようじょの声であった。


 本人曰く支那駐屯歩兵第1連隊連隊長である幼女、牟田口蓮、彼女は副官も通訳も連れずほぼ単身で、自分と同じく現地司令部に訪れていた。


 「失礼しました牟田口大校。急な事で自分も疲れて居りまして」


 「お気持ち分かります。今回の事は小官にも青天の兵歴と言うものでして、兎に角これは不幸な事故であります。我が軍に貴軍を害する気持ちは毛頭ありません。貴軍にしてもそれは同じ事ではないでしょうか。幸いにして両部隊に被害は出ておりませんので、ここはお互いに兵を引き、後は政府に問題の解決を委ねるのが最良と考える次第です」


 「そう言って頂き助かります。我が軍としましても不用意に事を荒げたくはない。ですがまずもって貴軍に、、、拉、、、拘束されている我が軍の兵の解放をお願いしたいのですが?」


 


 流暢に中国語、何故かかなり男言葉(日本軍の中国語講師はベット上で勉強してるから)で話す牟田口に対し返答を返す。やや強気な発言である。


 それは(矢張り唯の幼女なのではないか?)との侮りがあったからだ。


 理由はどうあれ、確認も取れない内に外国部隊へ、無警告での銃撃を行っている大チョンボを此方はしているのだが、相手はまず謝罪に近しい発言を行っている。それならば拉致された兵を返還させた上で、なにがしかの譲歩を更に引き出せるのではないか?


  それであるならば先制銃撃と言う事実もなし崩しにでき、相手に失敗を押し付けられる。正直胸を撫で下ろしたい気分だ。目の前の幼女には悪いが犠牲になって貰おう。


 (人様の土地で勝手に演習してる方が悪いのだ。そうだこいつ等が悪い、よく考えなくても悪い)


 これも政治なのだ、例え目の前の幼女が国に返ってから責められも自分は悪くない。うん悪くない絶対に悪くない。そんな馮の考えを知ってか知らずか牟田口の返事は馮の望み通りの物であった。


 「分かっております。こちらにいる貴国の兵は直ぐにでもお返ししましょう」


 「有難くあります」


 っとここまでは良かった。このままで行けば歴史に置いて盧溝橋事件は起こらず、日中の凄惨なる争いは先延ばしにされていたであろう。




 だがそうはならなかった。馮に悪心が突如として起こったからである。


 (若しかしたらもうちっと押せばイケるんじゃね?)


 あり得ない発想であった。正に悪心、悪魔の囁き、良い歳したオジサンの思考、それも高級軍人の頭からでる考えではない。だがその思いが一瞬、馮の頭を過った時、押し込めていた異常性癖が馮のワニ脳を刺激したのだ。




 (抱けー!ヤりたいんだろ!ヤればできるさ!ヤるならヤらねば!ヤんだろ今!)


 脳内の悪魔は馮に囁く、囁くと言うか怒鳴っている。これが生涯最後の好機なのかもしれない、民国の高級軍人である自分が鬼窟に通うなんて真似できる訳もないのだ。


 「では小官はこれで失礼いたします。後の事は下の物に折衝を、、、」


 「お待ちを事は急を要します。それでは時間が掛かっていつ何時新たな面倒事が出てくるとも限りません。もう少々お時間を頂いてここで話を詰めてしまいましょう」


 数舜、悪魔の囁きに耳を傾けた馮の口から出たのは自分でも思いもよらぬ声であった。彼は牟田口を引き止めたのだ。その目は先ほどとは違い濁っおり、その息ははぁはぁしていた。


 この時、馮は暗黒面に落ちたのである、ロリには鉄則がある「イエスロリータ!NOタッチの精神」だ。手を出したら犯罪者!手を出したら逮捕!永遠にペド野郎と言われ誰もお前を許さない!


 そこに彼は落ちた!いや落とされたのだ!


 落とされた?そう落とされたのである!誰あろう牟田口によって!




 突然であるが遺伝子には匂いがあるとご存じだろうか?


 なんのこっちゃいだろうが聞いて欲しい。


 一目ぼれと言う奴がある。これはその人を見た瞬間ビビッと来てスキィ~!となり一目で恋に落ちる現象であるが、科学的に説明できるそうだ。


 読者諸氏がビビッと来たのであれば、それは遺伝子的に相性が良いと言う事であり、それを人間は何処で感じるかと言えば大気中に放出される微量な体臭である。


 つまりフェロモン。


 と言うのであればお分かりであろう。蓮ちゃんは馮のオス臭にビビッと来て好き!となったのだ。


 蓮は直観で感じたのである。


 「あっ!こいつ残念な性癖な奴だ!妻を抱いている時でもロリの抱き心地を妄想して、自分の子供をあやしている時でもこれが自分の子供でなきゃとか考え、辛うじて身分と仕事で性癖を隠し通している哀れなオジサンだ!」


 そうピキーンと来てキュピピーンと淫の気を感じた。


 


 そうなって来ると後は早い、短い話し合いの最中にも蓮は矢鱈とべたべたし、馮の手に自分の手を乗せたり、涙を出してみたり、だっさい子供パンツ(息子(旧)のお古)をチラリしていた。


 この行動に彼女の脳内にいる寄生生物も関与している。脳内から発せられる電気的淫号を感じたこ奴は「うっす!行って来るっす!」と蓮ちゃんの体液から大気に拡散し見事、馮に着上陸。


 「ロリはねぇ一般性癖なんだYO!わかってるか!お前の脳をしょうじ、、、、正直にしてやんよ!」と短時間で鼻の粘膜から神経系に潜入したのだ。



 その結果「君が理性君だね!猛獣になるまでやるからなオイ!」と馮の脳は侵食され、「(暗黒面に)落ちろ!」された脳は馮の意識に悶絶ロリコンオジサンデーモンを誕生させたのだ。


 この悶絶デーモンの囁きに馮は「お前もう唯の女は相手できねぇからな!」されてしまったのである。事実、馮は蓮を呼び止めた時、その息子は「ババアはお呼びじゃねぇんだ!じゃあこれから始めるぜ!」していた。




 これが運命でぃすてぃにーの正体である運命ふぇいとの方が正しいであろう。


 「そうですか、そこまで考えていらっしゃるなら」


 そう言った蓮の目も淫欲に滾っていたのだから、この運命の出会いは必然であったのだろう、その日牟田口蓮は運命に出会ったのである。


 後は猛獣バトルであった。


 検閲


 


 検閲



 これが日中の戦争への最後の決定打であった。


 どう言う事かと言うと「声が大きすぎますぅ~」だった。


 只ならぬ吠え声に控えていた副官が急いで飛び込んできたのだがそこで見た物が大猛獣バトルであったのだ。


 副官は叫んだ、常識に従って叫んだ、叫ぶ他は無かった


 「何やってんだ!あんたら!」


 「「あっ」」


 そして奇跡か将又神の悪戯か、いや大いなるオルゴンの女神の差配により、天丼が発生したのだ。


 そうだ!再びの


 「「「「悲劇的痙攣痙攣」」」」


 だーーーーーーーーーーーーーーーー!


 二匹の獣はズッポリ嵌った!


 さあどうする読者諸氏よ!貴方がこの時この場に居合わせた副官と、彼の怒鳴り声に飛び込んだ衛兵だとしたらどうする!




 どうするもこうするも逮捕拘禁ですよね普通。どう考えても錯乱してますもんね。


 だから捕まりました両名とも。


 だがそれで終わる筈もない。片一方は常人ですがもう片方は獣人(性的)なのだ。


 だから逃げた。






 7月10日午前6時


 この時盧溝橋に居た人々は歴史を目撃した。


 見た物は爆走する一匹、、いや一対の化け物であった。盧溝橋のど真ん中を走る化け物は男と女(幼女)で出来ていた。


 それは叫んでいた(男の方)それは日本軍側に走っていた。


 後から凄い形相の男たちが追いかけていた。それは国民党の軍隊であった。


 彼らは口々に「「「まて阿保!」」「「中華の恥を晒すな!」」「「もう死ね!お前ら死ねよホントに」」とか叫んでいた。


 人々はこれを見て乾いた笑いを見せる他なかった。何となれば盧溝橋付近の人々は、日本軍の所業をこれまで随分と見ていたからである。


 「「「ああ遂に我が軍も落ちるとこまで落ちたか、アレと同じじゃあねぇ」」


 そうため息を付く事しかできなかった。


 だがそんな他人事も後二時間程度の運命である事を彼らは知らない。




 7月10日午前8時 日本軍は北京市に襲い掛かる事になる。


 此処に日中戦争は開幕した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ