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ずっぽり嵌って引っこ抜けません

 ここまで戦争の発端について語ってきたが、読者諸氏に置いては壁に尻が生えている事のなにが戦争の発端となるのであろうか?と疑問を覚える事であろうことは当然であろう。


 だがそれで起こる事がこの世界の頓智来さなの最たるものなのだ。この世界には史実の様な常識は既に存在せずエロと馬鹿が充満している事はこれ以上喋喋とは語らない。


 だから諦めて受け入れて欲しい。そも壁尻とか言ってる時点、、それよりも遥か手前、人類が猿から進化する前からこの世界はオカシクなる事が決まっていたのだから。


 諦めた?宜しい!では続けよう




 さて青年が争う虚しさを悟り去ってから幾日も経過せず、盧溝橋付近での日本軍による演習はつつがなく進行していた。それはムラっときたら壁に嵌れば向こうから来てくれる様になったからである。この数日、日中両軍の兵たちは日頃の色々を忘れ、壁を挟んで親睦を深めていた。


 真に仲良きことは美しきかなである。


 だがその美しき仲にも終わりの時が訪れた。それが喜劇の始まりにして戦争の大火が大陸を(性的に)襲う事になったのである。


 性癖とは繰り返す事で慣れてしまう物だ。どの様な大胆な変態行為でも繰り返せば繰り返す程、それは日常となり、本来は一発NG警察行きと言う事を忘れてしまうものだ。


 今回の壁尻も同じ。夜間の仲良しは何時からか日常となり、ムラっとした中国兵の中には「ちょっと小便行って来る」と軽い感覚で欲求を満たすモノも現れ始めたのだ。


 相手をする側のメスブタも心得た物「便女いってきま~す」とそこいらの壁にパンチして穴をあけると、カモーンするブタ続出。


 そこで喜劇発生である。




 1937年7月8日、この日行われたのは、前日7日未明より行われた夜間演習であり、何時もは仲良している時間の演習と言う事で日本側にはムラムラしていた者が多かったのだが、そこで演習中だと言うのに抜け駆けした者が現れたのだ。


 この事は、日本軍の壁尻行為が現場兵士たちの独断であり、士官レベルでは掌握されて居なかったから発生した行為であったと後に分かっている。件の兵士による自分の番が回ってきたと言うのに夜間演習など入れられて我慢が出来なかったとの証言も取れている。


 この世界の日本軍、組織上層は政府(陛下)の掌握下にあり、そう簡単に独断専行する人間は少ないのであるが、その分、下は股間と同じで緩々なのが此処に来て祟った形である(それがあるからこそ、戦争を望む人々はそれを承知で仮想敵の眼前での演習を行ったのであるが)


 だからこそ其処に不幸は重なってしまったのだが、問題は中国側にもあった、幾ら壁尻をエンジョイしていても監視任務に就く者全てがその真実を知っている訳ではなかった事だ。


 下士官、兵そして一部の不良尉官にしても、これが上に知られたら処分は確実と黙秘を貫いていた。そして口の堅そうな奴に金をふんだくったり、貸を押し付けたりして壁尻を利用していた。だが人の口に戸は立てられない者で部隊内では怪異として噂が広まっていた。


 そこで、壁尻を独占したい連中は、夜間演習で壁に尻がいない内に人を何時もの場所に送り込んだのだである。がっ!ここでも問題が起こった。送り込まれのは四名の新兵と引率の古兵一人だったのだが、あっちの経験の方も新兵が一人交じっていた。




 肝試し感覚で例の場所を訪れる彼ら、果たせるかなそこには噂通りに壁から尻が甘い香りを立てて生えていた。男(と童貞)たちはこの出会いに感謝し早速下を脱いで仲良しに及んだ。


 「俺が先だ!」「いや俺だ!」「早くしろよ!」との争いはあったが、四名までは無事仲良くできた。壁から生える尻も大満足である。しかし最後、最後まで尻に尻ごみしていた奴がいたのだ。


 件の童貞君である。


 童貞とは繊細なのだ。幾ら好きにシチュエーションとは言え腰が引けていた。引けていても臨戦態勢なのは、男の悲しさであるがそれでも彼は一歩前に突き出せなかった。




 そんな彼に仲間たちは揶揄する事なく温かい視線を向ける。賢者タイムも手伝い彼らは広い心になっていた。嗚呼男の友情である。


 「分かる」「おれもなぁ、初めては失敗したよ」「初体験がキツいよなやっぱり」「加油!加油!」


 憐れみの視線、温かい言葉、頑張れ頑張れ、何時もはチャラい上にロクデナシばかりの奴らであるが、ここで脱童貞しなければ男が廃る!童貞くんは覚悟を決めた。


 息子は凄かった。思わず同輩たちも「「おぉー」」と言ってしまう程、そのデカさ古の嫪毐もかくや、車輪が回せそうだ。


 「行きます!」


 「行け!童貞!」「負けるな童貞!」「馬並みだぞお前!」「それを?子供産む方が楽と違う?」


 準備万端、童貞君は決意を決めて壁尻に挑む。男たちはそれを囃子、声を上げる!


 対決!尻と馬!時来たれり!




 

 所で、唐突ではあるが一つ話をしたいと思う。今回は余談ではない。これから始まる悲喜劇に関係した話である。


 これは筆者が目撃した話なのであるが、読者諸氏はストリップって見た事ある?無い?今あんまし無いからね。嫌ほんとに本編に関係あるのよ?怒らないで聞いてね?


 とある温泉街にある場末のストリップ、そこで特別ショーが行われたるを聞いた筆者は、酔ったオジサンたちと一路、〇海の奥に向かい観劇に出かけたのであるが、そこで起こった悲劇の話である。


 どうせ婆さんであろうと期待はしていなかったが、あにはからんや嬢は二十代後半であり、劇場は満席、ドイツも此奴もそして筆者もスケベ面を並べていた。


 そして始まるまな特別ショー!会場騒然、オヤジ共は酒の勢いで旅の恥を掻き捨てにするべく、雄叫ぶ雄叫ぶ、あれほど熱いジャンケンは無かったとシミジミ思う。


 程なく勝者は決まり若い男性が登壇、本人の弁では家族旅行で来たとの事。熱くなる会場!そこであのような惨事が起こるとは誰もが思わなかったのだ。


 男性は勇んで嬢にアタックしたのであるが、嬢も緊張したのであろう。見事悲劇的痙攣をおこし、二人は舞台上で離れらない関係となってしまったのだ。男性の悲痛の叫び「バレたら嫁に殺される」は今でも筆者の耳に残っている。


 後は悲劇の連鎖である。嬢は泣きだし、会場混乱、ケツ持ちが男性を引っ張ったり捻ったりしたが、ずっぽり嵌って引っこ抜けません。えらいこっちゃ!えらいこっちゃ!そして救急車で彼は運ばれていった。彼の結婚生活はあれからどうなったのであろうか?


 胸の奥に残る青い記録である。




 待ちなさい!帰らない!ここで重要なのは舞台上で起こった事件である。これが話に関係してくるの!


 そう「悲劇的痙攣」だ!その痙攣の症例は無い?それはフィクション?僕は見たんだよ!信じて!この眼を見て!この眼は嘘つきの目ですか!





 その悲劇的痙攣が最悪の状況で発生したのである。メスブタ、野外異常仲良し、嫪毐級息子の三位一体トリニティが起こした惨劇であったのだと、後の日本側の調査記録は残している(中国側は認めていない)


 男たちは慌てた。慌てて脱童貞君を引っ張り押し込めまた引っ張り、息子を起点に横にしたり縦にしたりしたが嫪毐と強情な壁尻を相手にサレンダーする他はなかった、


 そうこうする内に夜は白々と明け始め、幾らなんでも不味いと考えた尻の方も、最早これまでと壁をブチ破って遁走を開始、突如現れた本体の登場に腰を抜かした男たちはその場にへたり込む他はなかった。


 朝焼けの向こう、嫪毐(仮名)君と消えゆくメスブタ、彼らが最後に聞いた声は、同輩の悲痛な「もげる~!」の叫びと「こうなったら結婚するしかないじゃんね!」と言うメスブタ(淫乱ピンクだった)の鳴き声であった。


 



 午前6時、永定河堤防の中国兵から演習中の日本軍第8中隊は実弾発砲を受ける、演習を中止し、部隊を集めた所にさらに十数発の銃撃を受る、点呼後一名の欠員がある事が発覚。


 これは中国側に戻った男たちが、アレしてコレしたら抜けなくなった味方を捨てて戻ってきました。と正直に言う事を恐れ(当然だろう)夜警中、日本側に攻撃され人員を浚われたと証言した為、報告を受けた事情を知らない士官たちが攻撃を命じた為である。


 午前8時、日本側に男を頭が沸騰しそうなポーズで男を抱えたピンクが捕縛される。そのため中隊長の清水は「あっやらかしたわ!」と直感、「私の王子さまじゃんね!」と暴れるピンクに大量の麻酔を投与して男を引き抜き、この件を大隊長の一木少佐に状況を報告するとともに、部隊を撤収して盧溝橋の東方約1.8キロの五里店に移動。


 そして7月8日午前10時ごろ、急報を受けた一木大隊長は、警備司令官代理の牟田口連隊長に電話を行う事になる。


 賽は投げられた。



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