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エロリストの世紀

  唐突になるが昭和とはテロリズムの時代であったと総括できるのでは無いだろうか?

 

 既存政府に反抗しその統治に民衆を巻き込んだ暴力で方針を変える行為をテロリズムだとするならば、軍から一般人に至る迄、昭和はテロって我を通そうとするものが多過ぎるとしか思えない。


 その究極が満州事変であり、515事件であり、これから起こる昭和史の汚点226事件である。



 これらは本来ならテロから体勢を守るべき軍があろう事か政府と主権者たる天皇に仕掛けたテロだとは筆者は思うところだ。まあそれは史実の話し。この世界で横行しているのはテロリズムでは無くエロリズムだ。


 これはある意味テロより恐ろしい。なんで?法改正により、不敬罪以外のエロリズムは、ほぼリスクなしに行える状態で、尚且つなし遂げればメリットさえあるのだもん、皆やるやるドンとヤル。

 血盟団事件をご存知で?そう、一人一犯を合言葉に結成された右翼カルト宗教お遊戯団体が財政界の大物を次々と暗犯した事件である。


 はい、暗殺ではございません、暗犯アンパンです。彼女らは井上準之助の演説中に壇上に突撃し聴取の目の前で上仲良しからの謎の暴発を強制、興奮した群衆による集団仲良しを誘発させ前蔵相を引退に追い込むと、三井財閥の総帥 であった 團琢磨を護衛諸共に路上で仲良くし、それを激写、三面記事で「男子独占の元凶天誅を下される」の記事が新聞に掲載され、夫の身を案じた奥様に自宅監禁された團を引退に追い込んでいる。




 暗犯。男子を逆仲良ししそのスキャンダルと精神的ダメージを持って公的な活動から引退させる行為。これがこの時期の昭和には蔓延していた。エロリストからすればどっちも気持ち良くなる上、平和裏に表社会から退場願え庶民もお偉方の痴態を晩のお供にできて、お前に私に良しフンガ~!な犯行である。


 なんと無体!と読者諸氏は非難するであろうがエロリストはこう返すだろう

 

 「「ぴーぴー言うな情けない!それでも日本男子か!なに?公開仲良しはれっきとした犯罪?犯罪ではない!あれは合意の上!二人はゴチーンとぶつかって恋に落ちたの!」


 


 これでは路上で突然の仲良しにあった男子は浮かばれまい。だが男子も無策では無いのも確かである。 


  筆頭は陛下。例を挙げると恩賜の短剣組で、授与の祭、5秒以上陛下の前にいると足元がパカっと開いて奈落に落ちる。そんでもって、待っているのは精神注入棒の乱れ打ち。因みに陛下が摂生時代より漏れなく女子は全員落ちている。


 陸軍も右に倣え。また近年、銃刀法の男子限定緩和が通った為、新市場を狙う米銃器メーカーが帝国に参入、木弾、岩塩弾を使用した護身用銃が大いに売れている。売れ筋はトミーガン、前大戦でダブ付いたショーシャ軽機関銃(泥濘で使わなければ問題なく作動するのだ)、M1911等、弾数か威力で遅い来る野獣を制圧出来るものが人気だ。


 しかし、その様な抵抗も焼け石に水と言うやつである。血盟団を代表とする新興のテロ組織や共産・国粋団体、淫乱カルトは確実に帝国の主要層である労働者階級を蝕んでいた。




 その大きな理由は皮肉にも世界恐慌バブルに乗った史実より大幅に早い「農痴改革(繰り返すが誤字ではない)」であった。


 詳しく説明しよう。これまでいち早く男を囲い込める地位にあった地主層であったが、ぽこじゃか増える第二・第三世代に男を宛がう事はその資金力を持ってしても難しかった。次代は金より男になり金の価値は相対的に下落していたのだ。


 そうなってくると、親のエグイ仲良し音をせんべい齧りながら聞く事しかできない層は不満たらたらであり、ともすれば若い彼女らはメスガキ化し同居する叔父さんを「あんなオバサンよりいいでしょ?」と襲い兼ねないし襲っていた。




 それを解決したのが犬養内閣が目玉としてだした「農痴改革法案」であった(法案には農地と書いてあるので安心して欲しい)。この法案により大量の男子の供給と引き換えに地主層は政府に対して土地を安価で売却し、それを政府は残された小作層に分配、数十年早く日本は小作問題を解決に漕ぎつけたのだ。


 だが当然光あれば影あり、その供給される大量の男子は何処から来たのであろうか?


 外地である。台湾・朝鮮は内地のこの政策の為に徹底的に消費された。外地に残存していた大和腰振りバーバリアンではない、年老いた者、女性・若年層は遂に食いつくされた。特に男を奪われた女性たちはその根幹から奪われ汚されたのだ。




 外地女性を襲った物、それは第三の性である「男の娘」への変貌であった。最早外地には、大和潮吹き狼以外に女性は存在すら許されなくなったのだ。

 

 「男の娘」女を凌駕するきゃわゆさ、何かがついていてお得な存在、男女共に仲良く(元の意味で)できるハイブリットである。この登場は日本全土にオルゴナイトを含んだ製品が流通しだした時と重なっている。明らかに人為的な作為を感じる登場であるがその認識は間違ってはいない。日本政府の最上層は社会不安の緩和策として生贄を求めたのである。




 それ故に男の娘登場より程なく内地で発生した痴警団による痴警活動を警察は積極的に抑止せず、あまつさえその混乱に乗じて政府に批判的な人物を治安維持の名目で始末している。


 「テメェ!朝鮮人だな!」


 「違います!私は日本人です!」


 「うるせぇそんな可愛い顔しやがって違うわけねぇだろうが!剥いちまえ」


 日本中で手に手に荒縄(酷使の後あり)を持ったメスブタたちがか弱い存在を追い詰めている。そこに法律は関係ないあるのは獣欲のみだ。


 たちまち剥かれる哀れな男の娘、薄く膨らんだ漢っぱいと恐怖に縮こんだ何かがメスブタの股を確かに過度な興奮状態にしている。


 「「おもった通りだ!やっぱり朝鮮人じゃねぇか!そんな二次性徴まえの少年の桃色の物と可愛いのぶらさげやがって!」」


 「「来やがれ!直ぐにお姉さんたちが大人へと駆け上がらせてやる!結婚式は神前よ!」」


 「「家は仏前!」」


 「「ご家族と相談して朝鮮式でもいいわよ!」」


 この様な悲劇が続発していた。




 また前述の通り、政府に批判的な作家や世情を嘆く作品を発表していた作家は警察からの迫害をうけおり、男の娘との純愛こそ至高とする作品を次々と発表し、社会問題となる程の大ヒットを出した小説家の太宰某などはしょうこりも無く男の娘との心中未遂、奥さんと愛人に何度目かわからない分からせを受けている。

 男性性被害を訴えた「蟹工船・地獄極楽船室」の作者であり、植民地政策批判と貪られる男の娘の悲劇を描いたプロレタリア作家小林某は発表後特高警察官に逮捕され、甘粕某特高所属刑事と結婚している。




 だがそうまでしても、むしろ問題を解決してしまったからこそ、都市と農村問題は拡大を続けていた。政府は完全な善意で農地改革を進めた訳ではない、政府与党は法案成立にあたり付帯条件をつけている。


 地方へ対しての移住規制と男子移住枠(実質的な男子配布枠)の削減である。農地改革の恩恵を受けた元小作の人々、明治からの開拓政策で開拓事業にあたっていた人々に大幅減税と格安での土地譲渡を引き換えにこれを押し通したのである。

 

 男の娘の大規模供給の恩恵に預かれたのは地主層や有産階級、多くの外地人が居住していた都市居住者が殆どだと言うのにである。


 政府にも言い分はある。男本位なのはあくまで国内だけ、資源は自給体制が整いつつあるが、肝心の外国産チンや製品を輸入するには金がいる。帝国はまだまだ後進国であるから技術だとて買いあさらねばならない。


 その為にはドル箱である農村地帯から人が都市に流出しては困るのだ。あと少し、あと少しで自給体制は整い、吐き出される金を男輸入に傾注できる。いまは苦しいが男緊縮の時である。




 そうは言っても、はいそうですと緊縮を押し付けられる側が納得できる筈もない。しかも史実と違い都市は恐慌の影響を受けずに元気に腰を振っているのだ。


 悔しい、寂しい、妬ましい、地方には怨嗟が渦巻いていた、だからこその515での犬養パンパンである(返り撃ちにあったが)




 そしてこの怨嗟と連動したのが陸軍皇道派のメスネコであった。農村出身の将校は男日照りの故郷の実態と男にあぶれる余り軍隊に入った兵士たちの苦悩を理解できた。


 自分達も同じだと。


 男日照りの余り、百姓たちは一家に一枚ある御真影で過酷するしかなかった。起床後朝昼夕寝る前の過酷、届く事のないアイドルへの悲しき愛。一日10回は暇ならやる皇道メスネコは涙を流したマ~オ。




 この状況に更に油を注ぐ事件が起こる。

 

 美濃部達吉による「天皇(陛下性的に見たら)いかん説事件」である。


 これは1935年(昭和10年)2月18日、貴族院本会議の演説において、菊池武世議員が、美濃部達吉議員(東京帝国大学名誉教授・帝国学士院会員議員)の大学内で行った至極まっとうな主張である、「天皇陛下を性的にみるのは人権的にも臣民的にも人としてもどうよ?」発言に対し

 

 「帝国軍人、なかんずく苦境の中にある農村部の臣民は陛下で過酷してがんばってんだ、それを批判するとは、一人仲良しの権利の侵害であり、陛下の魅力の否定つまり謀反で国賊」とし


 美濃部を「学匪」「謀叛人」「下の物出せやオラ!」と非難、井田楠江らと貴衆両院有志懇談会を作り、いかん説排撃を決議、議場で美濃部をジェットストリーム仲良しようとして追い掛け回した事件である。




 これは犯行自体は場当たり的であるが、裏には皇道派並びに与党追い落としを図る野党による、「「マジ要らん事いうな陛下が乗ってきて同意されたら過酷れないじゃん」」との連携があったとされている。


 これに対し美濃部達吉議員は仲良しされかけた怒りもあり「儂、変な事言ってますか?お前らがおかしいよ!常識で物事を考えろよなメスブタども!かかってこいや!以下略」という一身上の怒りの演説で挑発したのである。




 この発言に陛下も「真面な人間が生き残ってくれて大変に嬉しい。いかんでしょ既婚者でそう言う事するの」とご内意を密かに示された事が明るみとなり世情は混乱する。


 この事は「否定されると興奮するもっと下さい」「悲しい、でも濡れますわ」「禁止されるなら隠れていたすわよ、スケベなのは合法!無罪!」「私がおかしいのではない世界がおかしい」「ん!今から国会襲う!」と議論を呼んだ。


 


 これに焦ったのは皇道メスネコであるマ~オ。このままご内意を盾に与党が野党と自分達への嫌がらせに、陛下でセルフ仲良し禁止法でも通したら自分達はどうなる?


 自分達だけではない。陛下を思い、陛下の為に行動し、働いている人々は?(彼女らは誰しもが自分達異常者と同じだと持っている)


 「「やらねばならない。慈悲深い陛下を騙し政治を壟断する君測の姦をチュウしたあと姦してやらねばならないのだ。そう姦だ!尊王好姦!陛下大好き!」」


 時代は転換の時を迎える。マ~~~~オ

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