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馬鹿がエロスでやってくる!

 ノクターンでの連載版が貯まりましたので、検閲版として戻ってまいりました。エロ有が御覧になりたい奇特な方はノクターンをご覧ください。ご不快の念を抱く方々がおられましたら再度引っ込みます。


 


 

 1946年の暑い季節、アメリカ合衆国は屈辱と恥辱、徒労と疲労を覚えていた。

 


 弧状列島の津々浦々は封鎖され、大日本帝国と言う国家は焼けて爛れた残骸である



 その残骸を連合国将兵は軍靴を持って踏みにじっている。




 1946年前半、五発の核、有り余るガス・生物兵器と無数の陸海軍によって姦婦は歴史の向こうに葬られる。少なくとも合衆国を構成する人口の半分はそれを期待し確信していた。




 だがそうはならなかった。破壊した、確信を持って。殺した、確信は持てないが。だが東京を大阪を灰燼に返し、皇居に旗を立てても大日本帝国は降伏しなかった。








 寧ろ被虐の喜びに震えていた。

 

 快楽に身悶え、進軍してくる敵軍に悦び、撃墜された重爆の乗員を熱烈に歓迎して、その全てを貪っていた。






 ん?と思った?正解である。これな真面目な話ではないので肩の力を抜いて付き合って欲しい。真面目にしていると血管切れるし石を持ったり包丁を研いだりするので止めて下さい。




 大量破壊、大量殺戮、人類がこれまで発明してきた有らん限りの破壊を持って、帝国の喉元を締め上げてきた合衆国は、帝国が浮かべる酸欠の表情が喜悦であり、自分達が窒息プレイを強要されているだけであると気づいたのは何時の事であろうか?




 少なくとも長野県松代からから発せられ続ける放送を無視出来なくなった時であろう。前線で戦い続けてきた将兵にとってお馴染みでも、国家機関である軍としては向き合いたくなかったが内容が内容であるので、占領下の沖縄にある総司令部は公式に本国に指示を求めたのだ。








 放送の内容は卑猥であり淫秘であった。有体にいってどスケベェであった。








 もう一度言う。








 どスケベであった。








 勿論英語である。








 放送は「今日も皆で楽しんでね!寂しいアナタのお耳の恋人!故郷の女から貴方をNTR!ローズのラジオショー」と言った。








 席を立たないで欲しい。石を持たないで欲しい。銃は下して。ねっ!お願い。








 この番組は人気番組であった。陸海は勿論の事、海兵隊にも密かにリスナーはいる。まことしやかに語られる事には空の25キロ爆弾にリクエストハガキを詰めて投下した猛者もいると云われている。





 さて内容である。





 放送一番聞こえた音、それはやけにネットリしていた。通常の国家であれば放送禁止確実の放送であった。




 それはオッパブに突入して恥を晒すエロ親父が出す音に似ていた。ママ~!ママ~と母性を求める仕事に疲れた親父たちの悲しい性が出す音である








 「マックちゃんは甘えん坊さんねぇ?そんなに良い子良い子いして欲しいの?」





 「お願い!ママぁ!ボクをよしよししてぇ!」





 「良い子でちゅねぇ。ママは何処にもいきませんよ」





 「ママぁ~!ママ~!」





 「良い子のマックちゃん、ラジオの向こうの皆にご挨拶ちまちょうね~」




 「うん。僕ダグラス!元帥なの!日本本土上陸作戦の総司令官なんだ!」




 この部分で股間にテントを張っていた物もひっくり返ったし、辟易しながら傍受していた沖縄の総司令部も上へ下テンヤワンヤした。




 それはまさしく、恐らく神出鬼没の日本軍残存部隊に拉致されビリビリに破られた軍服の後を残して自室から消えたダグラス・マッカーサー前総司令の物であったからだ。





 全員の視線と耳がラジオに注がれる。焼け野原に設営されたキャンプの二等兵の、ジープを運転中の軍曹の、コーヒーを胸に掛けてしまい悶える空母エセックス座乗中のハルゼイ提督の。





 「はい良くご挨拶出来ました!」




 「ママぁ!ママぁ!」





 ラジオの向こうで元帥まで上り詰めた男が人間として終わっていた。それは正に恥辱の配信であった。彼の大統領選出馬は永遠の訪れないであろう事は確実だ。




 「ママぁ!」


 

 「リスナーの皆聞いてるぅ?貴方達の司令官さんはもう赤ちゃんよぉ?おかしいわよねぇ?馬鹿らしいわよねぇ?でーもそれが真実ぅ!それじゃあ聞いてくるれる?だーいじなお話があるの




 そして、ラジオを破壊しようと抑え込まれる者、ボリューム上げろとせっつかれる者、ズボンを下した者は聞いたのだ。





 確かに重大な話、とんでもなく馬鹿らしい話、自分達は竿役であったと言う事実。太平洋の大東亜の戦争の終わりを告げる言葉を。




 「ママぁ!もっとギュっギュっしてぇ!」


 未だ赤ちゃんプレイに興じる元総司令官のセリフをバックに。


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