裏話~~ ビバ! 選抜戦
数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございます(^人^)
☆評価、ブクマ、いいね 等、ありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
お祭りです(°▽°)
今、熱き戦い──改め、暑苦しい戦いが始まろうとしていた。
時は少しばかり遡る。
きっかけはハリシアへの出向──という名の遠征命令。
それが何故か第一騎士団──近衛と近衛見習いに降りて来た事に由来する。
ここで問題が浮上する。
単純にどの班を向かわせる、か?
第一の問題。遠征の命題、スタンピード。かなりの実力者を送りこまなければ話にならないが、スタンピード自体がどの時点にあるのかが不明。スタンピードが大発生する前ならば戦闘能力だけでなく調査能力が重視される。ついでに情報伝達や移動能力も。しかし大発生を防げないのなら、とにかく死なない為の戦闘力が不可欠だろう。近衛の存在意義、守備と守護も。
どうやらスタンピードが起こるらしい。もしかしたら起きているかもしれない。
こんな情報では軍隊を預かる元帥、そして近衛を預かる近衛団長は頭を悩ませるばかりなのだ。
第二の問題。ハリシアは難し過ぎる土地である。川を一本渡れば風土が変わる。単純に人々の文化が変わるという話ではない。本当に風土、土地の環境その物が変わるのだ。北と南では空気が違う。海と山とでは大地が違う。川と河、滝もあれば湖沼地帯や平野、一部砂漠まであるという。……何処だ。いったい現場は何処なんだ!? カナズチを水辺に送りこむなぞできないぞ。山や崖に高所恐怖症を派遣するとか無謀だろう!
第三の問題。上層部の選考が全く進まない段階、初っ端で団員達に何故か情報が漏れた。否、初めから情報は隠されなかった。王家の護衛に付いて居た者達が大勢居たからだ。とある現場で出てきた話らしく、これがまた話をややこしくしているのだ。
──アリサ・テッド・アリシア嬢
スタンピードの話の出所は一人の令嬢なのだ。しかし上層部や年配者に信頼篤い前領主レイモンド翁と現アリシア伯爵が快く〈スタンピード発生の疑い〉をあるものとして扱っている為、城側としても動く事にしたらしい。凄いな新旧アリシア伯爵。新旧のアリシア伯爵の信頼性が無ければこうはならなかっただろうから。スタンピードに対すると考えるなら数は少ないが、この国で最高峰とされる剣技の集団である近衛を城側に供出させるのだから。
話は少し逸れたが、問題は派遣される本人達だ。嫌がるどころか派遣の座を我こそはと奪い合う始末。あー、忘れていた。王家護衛の仕事が近日に入っている班は除外しないとな。
そして今、近衛の詰所では〈じゃん拳大会〉の様相が繰り広げられていた。既に始まっていた。
この“じゃん拳”なる文化は数年前に城の御近所、国立学園から広がりを見せたものだ。特別な会場も準備も必要無く、平和的に決着をつける事の可能な遊び。一説には、アリシア家の跡取りが広げたとかなんとか。……まさかとは思うが、これにも関わっているとか言わないだろうな、アリサ・テッド・アリシア嬢?
ハッキリ騒音レベルの阿鼻叫喚図、悲喜交々。唸る雄叫び。いい大人が実に暑苦しい。そんなに行きたいか、ハリシアへ。
何のかんの言っても反射神経に優れた体力自慢達。高速の試合は体力、精神を磨り減らす。そして試合は長引く。
「ぅうをおおおぉぉぉ!!」
どうやら決着がついたらしい。
雄叫びを上げて勝利を示す勝ち残り三人と、周囲で同じように叫ぶ敗者達。だが、その内訳は──
「お前ら内二人、同じ班じゃないか。見習いはもうひと班必要だ。それと近衛は明後日に陛下の護衛任務が入っていただろう。選び直し」
──ヴガァァァ!!
上司の無情なる指摘に、別の意味の叫びが上がった。
だが、これらの騒動で疲労が蓄積した者達から脱落していく。ある意味、篩にかけたかのような結果に落ち着く。
選抜された人員はその日の内にスレイプニルという馬型幻獣に跨がりハリシアを目指す。ハリシアに陸路で入るのは馬で崖(登り下り)を踏破しなければならない事実をすっかり失念して。
それでも踏破する未来。
第一騎士団近衛部隊。結局は脳筋の集まりだったもよう。




