烏龍茶は好きですか?
数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとうございます(^人^)
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ちょっとお茶の時間を挟みます(≧ω≦。)
アリサの目の前に茶器が運ばれて来た。
アリサの教えに従い茶を用意するは、ミアともう一人の見習いらしきコック(青年)。まずはお湯で茶器を温め、急須に茶葉を入れて湯をはり、そのまま棄てる。再度急須に湯を入れて蓋をし、その蓋の上から湯飲みの湯をかけていく。地球の中国茶を思い浮かべてもらえば良い。だが今回は丸い湯飲みを用意しただけで、茶の香りを楽しむ為用の細長い茶器は省かれた。
「はい、次の茶器へ移って」
「これでは少な過ぎませんか?」
「いいの。次は初めの物より少しだけ多く。はい、次。順次、量を多くして、折り返す」
「……あれ? ………凄い♡ 色が平らになってる♡」
「どうしても初めは薄く、徐々に濃くなっていきますでしょう。ですから初めは注ぐ量を少なく、徐々に量を増やしてそのまま折り返せば、濃度が均一になり易い。一度に数人分淹れる時のコツですわ」
「はい、天使様!」
「……………」
呼称が〈天使様〉呼びに戻ってしまい、アリサの表情が生温い笑顔で固まった。
気を取り直したらしいアリサが試飲する。一つ頷く。アリサの了承を以て、改めて茶が配られた。
「あれ?」「紅茶の香りじゃない」「でも美味しい」「なんか紅茶よりスッキリする」
「アリサの開発品か?」
「うむ。形となったので、試飲作として今回わしが持ち込んだ」
アリシア伯爵に答える先代。アリサからも注釈が入る。
「今回用意した茶葉は烏龍茶と呼ばれる類いの物で、紅茶より一段手前の発酵で止めた茶葉ですわ」
「え? 紅茶って発酵してるの?」
思わずだろう素朴な疑問はジオラスの声。
「ええ、紅茶は完全発酵ですわ。発酵によって香りを出すと共に、茶葉特有の渋みやえぐ味が分解されて飲み易くなりますの。今回御用意した物は、その一歩手前の物です。紅茶よりも油との相性か良く、身体に入った余分な油を押し流してくれますの」
「確かに。紅茶だと口に残る気がするが、これは口の中がさっぱりするな」
「油による胃もたれも、ある程度ならば効果が見込めましてよ、父様。お疲れのお祖父様にも宜しいかと」
アリシア親子のほのぼの会話に王家の面々も興味が湧く。
思えばハリシアは高級茶葉の産地だ。だが誰とは言わないがハリシアを荒らした王家出身の男のせいで、一度は絶えている。それがここ近年、漸く復活したのだ。まさかとは思うが、復刻の茶葉にまでアリサが関わっているのだろうか。
「アリサ。ハリシアでは生産者が試験を兼ねて既に飲み続けている。健康被害も無く、特に女性受けが良い。製品化しても良いのではないか?」
「……そうですわね、お祖父様。これならば市場に出しても宜しいかと。但し生産に限度がございますから、完全に早い者勝ちになりましょう。そうなると──」
「買い占めが起きぬように、だな。それは紅茶と同じように、予約と受注で調節すれば良いだろう。後は追々様子を見て、だな」
「はい、父様」
聞いていた者達は益々興味が湧く。予約を入れようと心密かに決意したのは、おそらくほぼ全員。かなりの宣伝効果があったもようでなにより。
因みに、これらの会話がなされている途中で魔法のオジサンこと魔術師局長がしれっと乱入。しかもアリシア伯爵親子及びクルイウィル兄弟のテーブルにちゃっかり座ったので、どさくさに紛れて王都的には新しいお茶まで飲んでいる。勿論、追加で出されたお茶だ。各方面から、後々苦情が届くのだが、それを承知で割り込んだ感が満載なのだ。その図々しさに、余計に各方面の苦情がいや増したとか何とか、は、別の話である。
「次は飲茶の蒸し物各種をお願いします。わたくしには参鶏湯もお願い」
まだ食べるのかと、驚きが見学者の間で広がるが、アリサの驚愕はこんなものではないのである。




