挨拶デキルかな?
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ジオラスはお祖父様に御挨拶できるかな?
レイモンドがアリサの部屋──収容されている医務室へ向かうと、まだ距離はあるが、彼の目の前で少年と青年の間くらいの年頃の男が孫娘が居るであろう部屋へと入っていった。良い者か悪い者かは判然としないが、暗殺者の類いではないだろう。ハリシア限定激動の時代を生きたレイモンドはこの手の勘は決定事項として見抜く。そうは言ってもそろそろ“結婚”の文字がちらつく年代の孫娘に近付く若い男は警戒せねばならない。レイモンドは足を速めた。
ドアを開けると、視界の端に孫娘が横になるベッドが目に入った。一応は医務室という体裁の縛りの為か、貴族子女に与えられる個室としては狭い。尤も孫娘は意に介さないであろうが。
そちらに視線を向けると、ベッドの脇、手前の椅子には息子のユナスが立ち上がろうとしているところで、向こう側の椅子に座っている先程の青年未満少年が立ち上がろうかどうしようか迷っているような動きをしていた。それも道理で、彼はアリサの片手を握っている。それをユナスが手で制して少年を座らせた。うぬ。ユナスが在室していての少年の入室であったか。
レイモンドはほっと胸を撫で下ろす。
「邪魔をするぞ、ユナス」
「お久し振りです、父上」
「!!」
一度は落ち着いた少年が再びあわあわと落ち着きなくなる。
「父上。こちらはアリサの最近婚約者なったクルイウィル御子息です」
紹介される迄もなく、その特徴的なブルーオパールの瞳で家の見当は付いた。年齢から、おそらくは末の御子息だろう。
「はじめまして! 座したままで失礼しますっ。クルイウィル家三男、ラ・ジオラス・クルイウィルです」
「御挨拶をありがとう。はじめまして。私はアリサの祖父、前ハリシア領主のレイモンド・ヒュー・アリシアです」
あくまで表面上は穏やかに、言葉の内容にだけ少しの圧力を込めてみた。辺境のハリシアに籠っていると、この手の言葉遊びが苦手になる。さて、少年はどのような反応を返してくれるか?
「御挨拶、恐れ入ります」
恐れ入るとは大袈裟な。
「アリサ嬢から少しだけ話しは聞いております。アリサ嬢が敬愛する先代様にお会いできて恭悦です」
………ふむ。見た目の派手さに反して、実直な人間であると見た。して──
「その手は? 何故アリサの手を握っているのか?」
「これは! 決して疚しい理由ではなく!」
うむ。それはユナスが赦している事からも“疚しく”はないだろう。
「魔力の供給です!」
「ええ、アリサからの拒絶反応も見られません。ジィーンがこちらに居ない現状で、とても助けられています」
「なんと!」
見た感じ、あくまで初見での感想だが、目の前の少年から嫌な感じはしない。我が父に野性的と揶揄されたこの感覚でここまで生きて来れたのだ。何より存外曲者であるアリサが〈婚約者〉という立場を受け入れているのなら、この少年との縁は得難い物になり得るかもしれない。断定は避け、暫く様子見だな。ただ、可能性は明るい。
「アリサ? ジジイが来たぞ」
こんこんと眠り続けていたらしい孫娘の頭を撫でると、アリサの眉がピクリと動いた。気がした。指の背で頬を擽ると、今度は瞼がピクピク動き、ギュッと眉間に力が入る。
「アリサ?」
ユナスが私の隣に張り付く。
アリサがうっすら瞼を開く。
「……………お祖父様?」
「ふふふ。随分お寝坊だったようだね」
私が親指で頬をグリグリ擦ってやると、アリサがクスクス笑い出す。
「お祖父様。お手々が痛い」
「はははは。生きている証拠だ」
「うふふふふ」
ああ、可愛い孫娘が目覚めた。嗚呼、良かった。ここ迄の旅(馬車での陸路)の途中、アリサが城に犯罪容疑で拘束された事、それが保護という形で囲われる形に変わった事。更には血を吐いて倒れたと報せは受け続けていたが……
「ああ、このジジイより先に逝ってくれるなよ、アリサ」
「お祖父様はアリサよりも長生きしてください」
「酷な事を言いよる孫じゃの」
「お祖父様のお手々が好きです」
「やれやれじゃのお、この馬鹿娘は」
「ふふ」
本当に心配ばかりかけおる酷な孫娘よ。
雨がやむまで、あと数時間。
アリサのお目覚め(*´▽`*)
レイモンドお祖父様がお城に滞在する事はありません。
最近ただでさえ存在感が消えつつあるジオラス君の未来や如何に!?
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