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【本編完結】とある(残念)イケメン観察…しない残念令嬢  作者: 泉ヶ森 密筑


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寺子屋って知恵だと思う

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとう(^人^)ございます。

☆評価、ブクマ、いいね 等、ありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


次回以降もアリサの領地でのやらかしを継続するかどうか……。

どうしよう( ̄~ ̄;)




「取り急ぎ掻き集めた情報ですので取り零しもあるかと思いますが、一先(ひとま)ずこれが報告書第一段ですな」


 宰相が書類を提出してきた。受け取るは王。見守るのは二人の王子達。

 王が書類を読み進めるにしたがって、その表情から感情が抜けていく。王は読み終わった分から王子達に手渡していく。読め、という意味だろう。王太子、第二王子と王の後を追うように表情が消えていく。


「……………とても一人の少女の主導とは思えんな」

「少し見た感じては、無意識無自覚にやらかす類いの人間ですな。実際会話の中で発案立案、提起、その後の改善やら立ち上げやら、手当たり次第を目撃してきた者達の証言ですぞい」

「聞いて来たような話ぶりだが、あのアリシア親子が自慢気に口を動かしている光景が浮かばんな」

「その他、ですよ」

「……その他とは?」

「ここ何年かハリシア領出身の文官が増えているのにお気付きか? 仕掛人はアリシア嬢らしいですぞ」

「は?」


 謂わば役人と呼ばれる役職は平民にも人気が高い。職そのものや給料の安定性からだろう。だが当然立ち塞がる教育の質。平民の中には読み書きができないのが当たり前という土地もあるくらいだ。文盲の人間は兵士を目指すのも難しくなる。基礎的な読み書き計算ができるだけで未来の選択肢は大きく広がるのだ。


「元々ハリシアは知識人が多い土地()()()。しかし先々代の介入、正確には先々代の婿の介入により大きく事態が変わり申した。目先の収入に目を奪われ、ハリシアの民が大切に守り育てて来た土地を随分派手に食い荒らしましたからな。その結果、彼の地は災害の宝庫と呼ばれる程に自然災害の絶えぬ地になった」

「その婿は王家から出た人間だ。我々に対する嫌味か、宰相?」

「いえいえ、彼()はありがたい反面教師ですぞい」

「否定できないな。話を続けてくれ」

「彼女自身が各地を回って子供達への教育を推奨していたそうですが、一人、面白い話しを聞かせてくれました。既に子供は重要な労働力と見なされ、学校にやる時間も金も無いというのが証言者の子供時代であったそうです。アリシア嬢の言い分は世間知らずなお嬢さんの世迷い言。親世代だけでなく、ある程度育った子供でもそのように思ったそうです。初めは言葉を尽くしての説明と説得、喧嘩腰の荒くれには啖呵を切り、しかし先々代の話を聞かされた彼女は潔く頭を下げたそうですぞ。曾祖父が済まなかった。領主の娘として力足らずを詫びる、と。ですがそのすぐ後に一つの提案を出したそうです。その名も《寺子屋》制度」

「テラコヤ?」

「一言で言えば学校ですな。きちんと読み書き計算を教えてもらえる場所。しかし授業料は食材。各自がそれぞれ食材を持ち寄るのだそうです。これが結構バラバラの食材を持ち寄るらしく、その食材で昼の子供達の食事を賄っていたそうですぞ。親としては子供の食事代が浮く。そればかりか外へ働きに出易くなる者も居る。子供は明るい内に集団で帰って来るので、危険も軽減される。そして本来の目的、読み書き計算が身に付く。一度は絶えたかに思えた知識や技術の再興にも一役買ったそうですぞい」


 王も王子達も、単純に知恵だと思った。金銭を持たぬ者達でも無理なく負い目も負わず学習の機会を。本当に読めるだけ、計算は足し算と引き算だけ。それだけでも世界は変わってくるだろう。


「この《寺子屋》の凄みは、年齢制限を無くした事ですな。教育の機会を奪われた大人達でも学べるように受け入れを徹底したそうな。そうするとどうしても大人よりも子供の方が物覚えが良い。覚えの悪い大人を馬鹿にする子供も出て来る。しかし大人達の体験談、知識を吐き出させ、子供の慢心を防いだとか。御令嬢が率先して年寄り達の知恵や知識をしきりに感心して見せ褒め称え、そして大人になってから学ぶ姿勢その物に尊崇の念を向けたと」

「尊崇!?」

「五十の手習いとかいう話も聞かされたそうですぞ。時間が無くて詳しくは聞けなかったのですが、その内食事を共にする約束をしてるのです。城での昼食ですがの。ふふふ。楽しみですわい」


 実に楽しそうなのが羨ましい。王の半眼に気付いた王太子が話を変えた。


「それに付随する図書館やら何やらは分かるとして、こちらの《年金食料倉》というのは何だ?」

「それを言ったら、こちらの絵本の出版も理解に苦しむ。絵本とは何だ? 図鑑とは違うのか?」


 この国で、現在絵本なる書物は存在しない。そもそも本がかなりお高い。因ってどうしても専門書的な書物ばかりになる。


「私はショクリンというのも分からん」


 王が唸ると二人の王子達も大きく頷く。


「宰相」×王・王子達

「ふふふふふ♪ 話は長くなります。軽食とお茶でも頼みますかな?」








寺子屋というのは、江戸時代頃の子供の為の個人教室。

元々はとある地域のお寺さんが始めたそうです。その際金銭の代わりに食材を提出させて食事の用意。子供達のお腹に入れるというものだったそう。本編にもある通り、知恵をそのまま拝借しましたm(_ _)m


夏に書き始めて早年の瀬。年内に終わらなかった( ;∀;)

今までお読み下さった読者様、ありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ

来年も書き続けます!o(`^´*)

良いお年を\(^o^)/

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