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【本編完結】とある(残念)イケメン観察…しない残念令嬢  作者: 泉ヶ森 密筑


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72/204

出て来ちゃった♡でも魚を逃がすにも言い訳って大事

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとう(^人^)ございます。

☆評価、ブクマ、いいね 等、ありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


とうとう出てきちゃった大物♡の呟き



 切っ掛けは貴族子息──〈水伯爵〉末息子の誘拐事件に端を発するらしい。加害者及び被害者が貴族であったので、街の治安を与る第三騎士団から城に誘拐事件の関係者が丸投げされた。これは法令に従った真っ当な処置なので、文句を言うに言えない。が、愚痴くらいは溢したい。というのも、そろそろ家に帰しても良い被害者と救出者が城に留め置かれているからだ。留めている人間がこれまた頭の痛い相手で、宰相と魔術師長、そしてひっそり四人の王族。王太子夫妻と第二王子と末の姫と揃い踏みだ。まあこれもやもえないらしい。そもそもこの子息令嬢を捜査の名目で城に勾留したのが警務だという。その警務官の上から数えた方が速い中間管理職の人間が加害者に(くみ)していたというから、本当に頭が痛い。この中間管理職の件は別件として詳細はまだ調査中だ。


 話を戻すが、上記の警務の人間から二人の子息令嬢を庇う目的で魔術師長が名を上げたのが転機と言える。勾留(ただし場所は貴族用医務室完全個人部屋)されている令嬢の方が、令嬢としては変わり者だったという。魔術師長から見て規格外の優秀さを見せる自由人、だとか。

 因みに令息の方は本日退去が許された。しかし魔術師棟に所属する家族の部屋にそのまま転がり込んだとか。ああ、そう言えばその子息──クルイウィルの末っ子と今話題の変わり者令嬢との婚約の書類が上げられていたな。双方未成年なので共に親の署名が必要になる。しかしクルイウィル家の婦人は三年前に他界。そして令嬢の方のアリシア伯爵夫人は領地に留まったまま。よって今回はそれぞれ当代伯爵の署名と嫡男の名前があった。婚約の書類の話を王太子からでも聞いたのだろう第二王子バルドの呟きが忘れられない。


「良くあのシスコンが署名しましたね。あいつ、妹の前では人が変わるくらい溺愛してるんですよ」


 そう言えばアリシア親子(当代伯爵と嫡男)は宰相と二人の王子達からの評価が高い。親の方、ユナスは分かる。知っている。宰相と二人がかりで私に仕事を叩き込んだ飄々とした鬼だ。宰相が師であるなら、アリシア伯爵ユナスは学園時代の先輩でもある。

 その鬼が、先程自ら愛娘の婚約の書類を持って来たのだ。直接、この国の王である自分の元に。………受け取るしかなかった。

 実は王太子が第二王子を伴ってアリシア嬢を第二王子の妃にしてはどうかという話をしにきたばかりであった。それが本日の昼。ギリギリユナスよりは早かった。しかしユナスが差し出してきた書類は、両家の名が揃っている。対して王子達の言は本人達の希望でしかない。………考えるまでもなかった。(まつりごと)に私情は禁物。こちらの都合を押し付ければ貴族を蔑ろにする事にも繋がる。しかも一方は、この国の水インフラを一手にあずかる〈水伯爵〉。そしてもう一方は、現王家よりも古い歴史を誇る忠臣にして《帰らずの森》を領地に抱く辺境伯。精霊と神々に、この大陸で最も愛されている土地と云われるハリシア領主。どちらも敵に回したくない。回してはならない。だがそれでも受け取りに躊躇してしまったのは御愛嬌と見逃してもらいたい。自分とて王であると同時に一人の親なのだ。


『許せ、息子よ……!』


 どの道次男の結婚相手には難しい相手であるのだ。というのはハリシアの先々代の婿が王家から出た男で、ハリシア領を善かれと思って食い荒らした人間なのだ。ハリシア領の中央部の多くの土地は、緑の山々である。その緑──つまり木々を伐採して売り払った。一時は潤ったかに見えたハリシアは、すぐ災害の宝庫になり、災害に見舞われた民の保護、復興等で財政厳しい領地となってしまった。現ハリシア領主ユナスは先代領主と力を合わせて領地回復に心血を注いで来た男だ。しかも第二王子バルドはその母親にケチの付いた息子。若い御令嬢方には人気があるようだが、その親──家は息子を受け入れようとはしまい。




 その夕方、宰相と魔導師長が揃ってハリシア領のあれこれを書類に纏めてやって来た。だが纏められた年代は、当のお騒がせ令嬢アリシア嬢が生まれた後から今現在に至るまでのもの。

 ……………ちょっと信じられないあれこれ。小さな物から大きな改革まで。


「………まさか?」

「確証は無い。だが確信なら持てる。その書類に纏めた殆どはアリシア嬢が拘わるか、主導したものだ」

「逃がした魚は大きい……」

「逃がした?」

「本日アリシア嬢はクルイウィル家の三男と婚約の運びとなった」

「………仕事で引っ張れ。受け入れ先はこいつ。魔導師棟だ」

「ぐふふ♡ 任せてくれて良いよ♡」


 不安しかない。

 そう思うのは私の杞憂なのか?








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