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【本編完結】とある(残念)イケメン観察…しない残念令嬢  作者: 泉ヶ森 密筑


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お鍋が空から落とされた

数ある作品の中から拙作をお選びくださり、ありがとう(^人^)ございます。

☆評価、ブクマ、いいね 等、ありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


サブタイトルの「お鍋」は料理のお鍋ですo(*⌒―⌒*)o



 半信半疑ながら、ジオラス達はファルゴルの言に従い、学園の裏門にてアリサの登場を待っていた。何故か。それはアリサが城に居なかったから。朧気にも伝わって来た情報は、どうも誘拐されたらしいとの事。だがその割に周囲は静かで、アリサの保護者たるアリシア親子も全くと言って良い程動じていなかったりする。

 因みに本日この場にての待ち惚け組は、アリサ兄ファルゴル、ジオラス、クルイウィル次兄クラウス、その他魔法騎士二名。この魔法騎士達は呆れた事に、誰が参加するかで競争率がそれなりだったりする。地味に静かに、クラウスは他の魔法騎士達から嫉妬されていたりもする。クラウスは何となく気付きつつあるが、しれっと気付かぬふりをしている。万が一に備えて可愛い弟とアリサの盾になれるようにと、何よりアリサの料理の御相伴に預かる為に。この美味しい立ち位置は譲らない。局長命令で今があるので、クラウスは堂々と己の本分を貫くのみなのだ。


 さて、不意に一堂の頭上に影が射した。見上げれば巨大なレッドドラゴンが手に何かを包んでいる。アリサを拐ったドラゴンとは別物だが、ここに居る人間には預かり知らぬ事である。


「来たか。──時間ギリギリだぞ!」


 ファルゴルが懐中時計で時間を確認しだい声を張り上げた。ドラゴンの手からボトリと人らしきものが学園の裏門内に落とされる。学園の裏門を守る門番は固まってしまっているので、ファルゴルは無視して落ちて来た人物に近寄った。彼に続くはジオラスとクラウス他二名。門番以外ドラゴンに動じていないが、門番の反応の方が一般的である点だけはここに記す。

 落ちて来た人物は、地球でいうところの防護服と宇宙服を合わせて二で割ったような嵩張る格好──独特の頭巾及びゴーグル着用。その頭巾が分厚い手袋をしたままの手で取られた。


「アリサ!?」


 彼女はジオラスの驚愕に応える事なく、上空のドラゴンに大きく手を振った。ドラゴンは既に空高く舞い上がっていた。




 アリサをここまで連れて来たのは、ハリシア領が誇る空中便である事も記す。




〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉




 上空は寒いとのことでドラゴンやワイバーンでの移動の際は、ハリシアでは専用の衣類を着用するとのこと。ただし地上では暑い。特に今のような真夏日には。そんな訳でサクサク動き辛い衣服を脱いでいくアリサ。歩きながら脱いで行くとは器用な。その脱いだ服はファルゴルが回収していく。ただとにかく嵩張るので、ゴツい靴カバーと頭巾、ゴーグルはジオラスが持たせてもらった。ついでに言えば、アリサが何やら持ち込んだ大きめの箱はクラウス担当。

 そうしてこの日も恙無く観測を終えて帰城の運びとなった。



〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉




 だが、今度は入城で手間取る。アリサが持ち込んだ荷物や服装が検査対象として引っ掛かったのだ。


「いやぁーん! そちらの箱は汚い手で触らないでくださいまし!」

「アリサ。物には伝え方というものがある」

「持ち物をあらためなければいけないのは理解しておりますわ。けれどこちらの箱の中身は食料ですの! 衛生の問題でしてよ兄様」

「クーラーボックスか! 何を持ち込んだ?」

「雪の中で残した最後の白菜をはじめ、牛蒡や大根に蓮根、里芋は残念ながら無かったので僅かに手に入ったエビ芋。採れたて烏賊をさばいた物、烏賊わたの塩漬け、烏賊墨の氷漬け。鯛など夏の魚を仮死状態にした物、当然尾頭付き。鮑、牡蠣、栄螺、蛤等々の貝類。サフランも一瓶。トマトのピザパスタソースの大瓶を三つ。ああ、拉麺の麺も少し」

「ラーメン! 今日はラーメンか! ヤバイ、唾液が……」

「本日わたくしお空の旅で冷えましたの。ですから味変しながらのお鍋でしてよ。拉麺は味変する度、締めにいただきます。サフランの野菜鍋から始めて、、野菜の次は魚で、貝でブイヤベース風。トマトのピザパスタソースを一瓶投入して、ミルクと味噌を足して、最後はチーズ!」

「妹よ、でかした!」

「……わたくしが一人で消費致しましてよ」

「妹よ良く聞こえなかったな。よし! サクッと中身を見てもらおう。箱開けるぞぉ」

「開けるのでしたら空冷魔法で冷やしてからですわ! 手はグローブを外して石鹸で手を洗って風魔法で手を乾かして光魔法で消毒を──」

「妹よ。今夜の食事で兄が協力しよう」

「……分かりましたわ。というか、わざわざここを通る必要もありませんのよね」

「ん?」

「今日中にこちらに戻れば宜しいのですもの。屋敷に戻ってサクッと消費してからなら余計な荷物の持ち込みも無くなりますわ」


「それだ!」


 最後の同意は迎えに来たアリシア伯爵の叫び。


「アリサ! 父は今すぐ帰る。馬車を用意するからこのまま待て!」

「父上もラーメン、食べる気満々だな」

「そこからもう聞いてましたのね。………はい、父様」

「アリシア伯爵! 私も婚約者として同行をお許しください!」

「ずるいぞラス!」

「ジオラス君。まだ君の御家族に挨拶も済んでいないからね。時期尚早かな。今回は諦めてくれ」


 あっさりファルゴルに(はじ)かれて、同行者は居なくなった。兄クラウスをはじめ、魔法騎士達が納得の表情を浮かべる。


「兄様、婚約って?」

「その話は帰ってからな、アリサ」

「兄様は跡取りですので、同性との結婚は難しい──」

「私じゃない!!」「違うから!!」


 斜め上アリサの解釈に、ファルゴルとジオラスが同時に叫び返していた。








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